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採用失敗!新卒・転職事例から見る中小企業の課題

いい人材が欲しいのは大手企業も中小企業も同じです。

しかし、中小企業は大手企業に比べると新卒採用はもちろん、中途・転職採用でも希望するような人材を確保するのに苦労することが多いかもしれません。

そこで、今回は新卒と中途・転職での採用失敗事例をもとに、中小企業が抱える人材確保のための課題について詳しく説明します。

この記事の監修

社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子

これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先350社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。

現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。

主な出演メディア
NHK「あさイチ」

中日新聞
船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」


社会保険労務士 小栗多喜子のプロフィール紹介はこちら
https://www.tokai-sr.jp/staff/oguri

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中小企業が採用で失敗する理由

さまざまな分野で人材不足が叫ばれ、売り手市場が進んでいます。そうなると、いい人材が欲しいと思う企業の競争も激しくなるでしょう。

大手企業の場合は人材の採用にさまざまなノウハウを持っていたり、人事専門の部署があったりします。

しかし、中小企業の場合は、そこまで人材確保のために特別なことができるとは限りませんよね。
 

大手広告媒体を利用して採用を試みるということもできますが、単に大手広告媒体のノウハウを利用すればうまくいくというわけではありません。

中小企業でも将来性があるところや、経営者の考え方、社風などに魅力がある企業もあるはずです。しかし、せっかくの魅力やアピールポイントが応募者に伝わらなければ、応募者がこの企業で働きたいとは思ってくれないでしょう。

また、若い世代はネット社会に馴染んでいます。インターネットで検索すると、家に居ながらにして求人情報をチェックしたり、募集が出ている企業について調べたりすることも可能です。一方で、昔ながらの求人情報誌で就職先を探すこともあれば、担当者が付く人材紹介会社を通して就職先を探そうと考える人もいます。

どの方法にもそれぞれメリットやデメリットがあり、正しく利用すれば企業と応募者をつなぐ役目を果たしてくれるはずです。

ただ、それぞれのメリットを活かせる活用の仕方ができないと、せっかく利用しても人材の確保にはつながりません。中小企業が採用で失敗する理由のひとつに、効果的に応募者を探すことができていないということもあります。
 

さらに、転職希望の人を中途採用する場合、新卒採用とは違い、ある程度仕事ができるものと応募者のスキルを過信してしまうことも考えられます。

大手企業ほど人材が集まらないため、応募してきてくれる人を面接で見極めずに焦って採用してしまうこともあるかもしれませんね。ところが、採用した人物が求める人材とは違っていたら、結局は採用失敗ということになってしまうのです。

新卒採用失敗事例

テストなどで応募者を見抜くことができず、新卒採用で失敗する事例には大きく分けて2つのタイプがあります。
 

ひとつは新しく新卒採用にチャレンジしてみようと考える場合です。

初めて新卒採用するときは、企業にとってもわからないことが多いでしょう。そのため、大手広告媒体に頼めばなんとかなるだろうと考えて、安易に取り組みを始める中小企業は結構多いのです。

営業を呼んで予算も確保し、あとは大手広告媒体のノウハウに従って合同説明会への出展や会社説明会、面接を行います。

一見すると予定通りにスケジュールが進んでいることから、採用担当者もそれなりにやった感があります。ところが、なぜなのかわからないまま、いつまでたっても内定を承諾してもらえません。

その結果、1年目だから、まあこんなものかと変に納得し、結局費用と労力をつぎ込んだだけで終わってしまうという事例です。

来年こそは、と考えますが、実はこの事例に陥ると、2年目も同じことを繰り返してしまいます。内定辞退が止まらないという企業もこのケースが多い傾向です。

このような事例では、企業が「選ばれる理由」をしっかり設定することが解決策になります。

 

採用失敗の事例がもうひとつ、何度か新卒採用にチャレンジしている企業のケースもあります。採用市場が厳しくなってきたことを受け、新しい取り組みを行おうとする場合です。

IT技術の発展が目覚ましいなか、新しい採用の仕方も増えてきています。若い世代は情報感度が高い場合が多く、行動力もあります。そのため、若い世代に注目されやすい方法を模索するのは悪いことではありません。

しかし、あれもこれもと手を出してすべての媒体を試していると、結局は各媒体が持つ特性やメリットを活かしきれずに終わってしまうのです。

このツールを使えば必ず新卒採用がうまくいくというものでもありません。それぞれのツールの特性を十分活かした採用活動を行う必要があります。

中途採用失敗事例

中途採用失敗事例もいくつかのタイプがあります。

ひとつは、久しぶりに中途・転職の採用をすることになり、簡単な面接だけで採用を決めてしまうケースです。

特に本格的なテストを課すわけではなく、「いつから来られるのか」ということだけを確認しているだけのこともあります。仕事をしていた経験があるのだから即戦力になるだろうと考えることや、経験があるという応募者の話を鵜呑みにしてしまうこともあるでしょう。

募集要項に書いてある最低限の資格すら持っていないということもあります。要は本来面接で見抜くべきだった応募者のスキルを見抜けなかったということです。


中途採用の失敗事例としては、「こんなはずじゃなかった」という退職理由で、せっかく採用した応募者がすぐに辞めてしまうケースもあります。

同じ企業で何度応募者を採用しても、早期退職が繰り返される場合は、企業側になんらかの問題があるのかもしれません。このケースが起こるのは労働条件が悪い企業に多い傾向があります。また、応募者が思い描いている姿と、実際の状況がマッチしていないことも考えられます。

そのため、採用HPや説明会、面接などで、自社の特徴をしっかり応募者に伝えて納得してもらうことが重要です。
 

さらに、高学歴の人や大手からの転職者を雇用して、労働問題に発展するという失敗例を持つ企業もあります。応募者の履歴書だけを見て、単純に優秀な人材だと判断してしまった事例がそのひとつです。

しかし、実際に採用してみると全く働こうとしないため、いい加減にしろと解雇しました。ところが、不当解雇だとして訴えられ、労働問題に発展してしまったのです。

この事例でも、結局は立派な履歴書だけで判断し、本当に必要な人材かどうかを見抜くことができなかったことに問題があります。

面接で有能でどうかを見分ける方法

人材を採用する際、面接の前にあらかじめ履歴書やエントリーシートなどを受け取っていることもあるはずです。また、中途採用の場合は、それまでの職務経験を詳しく記載した職務経歴書を提出してもらうこともあるでしょう。

これらの書類を見れば、どんなことをどのくらい学んだか、どんな経験があるのかなど、ある程度のことはわかります。もちろん、資格やスキルが必要な仕事ならば、仕事をしてもらう上で最低限の能力を持っているかどうかは大事なことです。

しかし、書類に記載されていることでわかるのは、あくまでも表面的な優秀さです。
実際に仕事をしてもらう段階になれば、どのように仕事に向き合ってくれるかが大切です。
 

スキルの面でいくら能力を備えていても、やる気や頑張ろうとする意志のない人ならば、本当の意味で有能とはいえません。表面的な能力だけで採用を決めると、結局は採用失敗になってしまう可能性があります。

中途採用なら前職での仕事の取り組み方を話してもらうことで、書類ではわからないその人の能力が感じ取れることもあるでしょう。物事をポジティブにとらえて仕事に向き合うことができるか、困難なことがあっても諦めない粘り強さがあるかなどが判断材料になります。また、自分の立場や役割を理解しているか、たとえ失敗しても自分を見つめなお
して正せる能力を持っているかということも大切なポイントです。


さらに、応募者の意志が伝わってくるかどうかも注意して見る必要があります。

面接の場は企業が応募者のことを知ることができる時間です。応募者もできるだけ自分のことをわかってもらい、採用してもらいたいと考えているでしょう。そんなとき、自分を魅力的にアピールできる人は、言いたいことを的確に相手に伝えるのが上手な人だといえます。

実際に仕事をしてもらうようになれば、他の従業員ともうまく付き合ってもらわなければいけません。面接では、コミュニケーション能力に長けているかどうかも見抜くことが大切です。

テストで人物を判断する方法

採用失敗を避けるためには、確かに面接で人物を見分けるのもひとつの方法です。しかし、テストである程度人となりを判断できれば、採用側の負担も減らすことができるでしょう。

筆記試験のなかでもいくつかの種類の適性検査があります。

新規採用の際に適性検査を課している企業は多いですが、中途採用でも検査を取り入れることは可能です。

実際に採用試験で用いられている適性検査のなかには、基礎的な能力検査のほか、性格検査でどんな考え方の人なのか、どんな仕事に向いているのかを知ることができる検査もあります。

検査で大まかな傾向がわかれば、採用するかどうかはもちろん、採用後の適正な配置でも参考にすることができるでしょう。
 

また、知的能力とパーソナリティの両面から総合的に判断できる適性診断を使うことでも、基礎的な能力と人物像を推定することができます。

簡易的なパーソナリティに関する質問と行動・経験に関するアンケートからなる検査ならば、後に面接を行うときに、検査の結果を活用することが可能です。また、適性検査には新卒総合職の採用を目的とした検査やカスタマーコンタクト職、コンピュータ職に特化したものなどターゲットを絞ったものもあります。


さらに、職場での適応能力や適性職務があるかどうかの態度能力を知ることができる職場適性テストも活用しているところがあります。

態度能力とは、人間の持つ知的能力や技能・技術的能力とは別の、パーソナリティや人間性、人柄などを表す能力です。採用の場では面接で見抜けないような職場への適応性や、企業に馴染んで将来実績を上げてくれる可能性のある人物かどうかを、ある程度知ることができます。

以上のように、一言で採用に使える検査といってもさまざまなタイプがあるため、検査の目的や職種によって使うテストを選ぶこともできるでしょう。

名古屋の社会保険労務士の小栗多喜子です。
なかなか採用できない、とお悩みでしたら
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自社の採用失敗を見直して人材確保につなげよう!

採用失敗には、それなりの理由が潜んでいることがあります。

中小企業では大企業のように採用に時間やお金をかけることが難しい場合もあるでしょう。

しかし、ポイントを押さえれば採用につながることもあるはずです。

長期的な展望を考えて新卒の人材が必要なのか、即戦力の転職組が欲しいのかも踏まえ、今一度、採用の仕方を見直してみてはいかがでしょうか。

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