人事労務ニュース
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文書作成日:2016/05/17

従業員が自転車通勤をする際の注意点

 近年のエコブームや健康志向の高まりから、都市部を中心に自転車通勤をしている従業員が増えています。しかし自転車通勤は、公共交通機関を利用するよりも事故のリスクが高く、また昨年6月に自転車の交通違反の罰則も強化されたことから、企業としても自転車通勤を認めるにあたり一定のルールの整備が求められます。そこで以下では、自転車通勤を認める際の注意点について解説しましょう。

1.通勤途上の事故の取扱いと通勤災害
 自転車通勤の途上で事故に遭った場合、それが労働者災害補償保険法(労災保険)の通勤災害に該当するのかという問題が生じます。そもそも通勤災害における通勤とは、(1)就業に関し、(2)住居と就業の場所との間の往復、就業場所から他の就業場所への移動、単身赴任先住居と帰省先住居との間の移動を、(3)合理的な経路および方法により行うこと、をいいます。

 ここで問題となるのが、「合理的な経路および方法」の解釈です。まず経路については、会社に届け出ていたルートだけでなく、一般的に考えて他の人が使うような合理的なルートであれば通勤災害の対象となります。合理的な方法についても、実際に従業員が利用している方法に限られるものではなく、地下鉄やバスなどの公共交通機関、自動車、自転車などを使用する場合と徒歩も含まれています。そのため、電車通勤として会社へ届け出ているにも関わらず従業員が自転車通勤をして事故に遭ったような場合、会社に届け出ていた経路および方法で通勤していないという問題はありますが、その事故についても、その経路が一般的に他の人が取りうる経路であれば、通勤災害として認められることになります。

 しかし健康増進の目的をした自転車通勤に関して、通常であれば自転車通勤をしないような遠隔地(数十q離れた場所など)から自転車通勤をする従業員も増加しています。こうした場合については、その自転車通勤が、合理的な経路および方法とはされず、通勤災害として認められないことがあり得るでしょう。

2.自転車通勤の許可基準
 従業員が自転車通勤をする際に、本人がケガをすることだけでなく、人身事故を起こし他者にケガを負わせてしまうリスクがあります。自転車による事故は全体的に増加傾向にあり、特に最近は自転車の高機能化により、死亡事故を含む重大な事故に発展する例も増加しています。そのため企業としては、従業員が自転車通勤をする際には許可制とした上で一定の安全運転教育を行い、併せてTSマーク付帯保険(賠償責任保険と傷害保険の2つがセットになったもの)への加入などを条件とすることも対応として考えられます。

 社有車の使用やマイカー通勤時の取扱いについては、ルールを定めている会社も多いかと思いますが、自転車通勤についても同様に考えていくことが求められます。

■参考リンク
公益財団法人日本交通管理技術協会


※文書作成日時点での法令に基づく内容となっております。

 

 

 

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