“求人広告を出したが思ったほど応募者がいない“”応募者は多いものの、ターゲット人材となる層へのアプローチができない“など、時間や費用をかけて求人広告をだしたものの、採用につながらないという悩みを抱えている企業も多いはず。
求職者は求める求人広告はどのようなものでしょうか? 求人広告に掲載するためのすべての項目を書いているのは大前提。でも、しっかりすべての項目を網羅しているからといって、応募が思うように伸びない場合もあります。
なぜでしょう? 賃金や労働条件などの待遇面が明記されていることは最低ラインです。それだけではその企業や働いている自分はイメージできません。
求人広告を出しているものの思うように採用につながらない企業、また、これから新たに求人情報を出そうとしている企業は、どんなところに注意して、求人広告を出せばよいのか、効果的な求人情報の書き方と出し方について、求人票の原則からご説明します。
社会保険労務士の小栗多喜子です。
求人票の目的は、働いてほしい人材に「この会社で働きたい」と思ってもらうことです。それはIndeedの求人原稿であろうと変わりません。
そのために守らなければならない原則が3つあります。まずは記載すべき3つの原則をみてみましょう。
現実と乖離した内容の求人票を作成しても結局は定着しませんし、トラブルになるだけです。
いくら人不足だからと言っても嘘の求人票作成はやめましょう。
「アットホームな職場です」「少数精鋭」など抽象的な表現では何も伝えていないことと同じです。
「有給休暇の取得率7割」など具体的に記載をしましょう。
実は経営者の方が考える強みは、同じ業種だと同じになる傾向があります。
例えば、運送業だと「稼げる」「休める」という強みを出したくなりますが、その強みは他社も同じようにうたっています。
同じ業種を並べて見てみると、驚くほど似たような求人が並んでいます。
中小企業ならではの、独自の風土や経営者の考え方など、自社独自のPRポイントをアピールしましょう。
社労士の小栗です。
希望の人材像を設定しなければ求人票は作成できません。
まずは、自社にどのような人材がほしいのか、明確にすること、人材の要件定義が大変重要になってきます。
希望する人材は、どのような職種・仕事・ポジションで働いている人なのか、どんなスキル(技能・資格・経験)を持っているのか、性格や趣味などどのような志向かなど、細かく具体的に分析することが必要です。
そして、そのスキルや志向などを、「MUST」「WANT」で区分してみましょう。そして、実際に求人原稿を書く際には、その人材をイメージし、その人材に向けて記事を書くようにするとよいでしょう。
◆必要なスキル(例)
・MUST
法人営業経験3年以上(新規顧客開拓経験あり)
コミュニケーション能力
企画力
マネジメント経験
・WANT
人材業界経験
新規事業立ち上げ経験
◆志向(例)
組織マネジメントがしたい
新しい事柄に興味が深い
1からスタートする事業に参加してみたい
このような事柄から、「チームのマネジメントをしていた営業経験があり、今後は新規の事業などで力を発揮したいと考えるアグレッシブな人」といった人物像が想像できます。
自社と競合を知ることで、自社の求人が求職者にとって、どの程度優位性があるものなのか考えておく必要もあるでしょう。
例えば、上記の例でいえば、のスキルや志向から想像される人材像「チームのマネジメントをしていた営業経験があり、今後は新規の事業などで力を発揮したいと考えるアグレッシブな人」を希望する人材像とした場合、こういった人材像が欲しいのは、自社と同じ業界とは限りません。
その視点で考えてみると、競合にあたる企業より、自社は何が優位で、応募者にとって魅力が何なのかが見えてきます。さらに、自社のウィークポイントも明確にしておくことで、応募者が疑問に思うポイントや懸念点などを把握しておく必要があるでしょう。
仕事のやりがいや将来性、ポジション、社風など、求職者の目線に合わせて、的確にメッセージがつたわっているかが大切なのです。
職種名はIndeedの最も目立ちます。こだわって設定しましょう。
Indeedの検索結果に表示されるのが、職種名。求職者が一番初めに目にし、興味を持つ入り口となります。自社だけで使う社内用語は避け、わかりやすい表現で記載しましょう。しかしながら、“営業”“事務”といったざっくりとした単純な表現は、わかりやすいとはいえません。“保険代理店営業スタッフ”など、仕事の内容やカテゴリがわかるような表現を使うと、よりわかりやすくなります。
次の良い例と悪い例を参考に、職種名の表現にこだわって記載してみてください。
【◯良い例】
・金融機関でのお客様コールセンタースタッフ
・コピー機などOA機器の法人営業スタッフ
・Java言語を使ったシステムエンジニア
・不動産会社の経理事務スタッフ
・イタリアンレストランの調理スタッフ
など
【×悪い例】
・コールセンター
・営業 正社員
・プログラマ
・システムエンジニア
・オープニングスタッフ
・未経験OK 営業
・介護スタッフ
・店長候補
など
仕事の概要は詳しく書きましょう。
具体的な職種名で、求職者の興味を引いたら、次に目をするのが、仕事の内容。当たり前ですが、求職者が最も重視するポイントです。ここで、きちんと仕事について説明がされていないと、そのままスルーされてしまうことになってしまいます。求人を募集背景や職場環境、具体的な仕事内容など、求職者が具体的にイメージできるように、詳しく書くようにしましょう。詳細な情報があるほど、求職者の目にとまり、自社が求める人材像に巡り合う確率もあがるわけです。記事の作成に不慣れな場合は、記事を作成したら、第三者に表現をチェックしてもらったりすると、自分では気づかない点などが明らかになるので、おすすめです。
本来、求人情報には、国の指針で最低限記載すべき事項がさだめられています。ハローワークや人材紹介会社の求人票には、かならず記載すべき事項があり、表示されています。ただ現実にはその項目の記載がない求人票もたくさんあります。もちろん、記載がないからといって、すぐ法律に抵触するというわけではありません。しかしながら、求職者にとっては、応募にあたって必要な情報です。情報はできるだけ詳細に記載することで、後々のトラブル防止にもつながります。ただし、記載が禁止されている事項もありますので、きちんと確認してから記載をするようにしましょう。
・労働者の業務内容
・労働契約の期間
・試用期間
・就業する場所
・始業および終業の時刻、所定労働時間を超える労働の有無、休憩時間と休日
・賃金(賞与などについては別途規定あり)
・加入保険(健康保険、厚生年金保険、労働者災害補償保険および雇用保険の適用有無)
・募集者の氏名または名称
・派遣労働者として雇用する場合は派遣労働者としての雇用としての明示
など
・性別を限定するような表現(一部の例外あり)
・年齢を限定するような表現(一部の例外あり)
・最低賃金以下の給与
求人原稿の目的は、求職者に応募をしてもらうことです。
応募してもらうためには企業の情報は多い方がいいでしょう。さまざま企業の求人票を確認していますが、ほとんどの求人票が情報不足です。
実際に働いているイメージができるように、より詳細に求人情報を掲載しましょう。
・理念・ビジョン
・社風
・やりがい
・キャリアパス
・福利厚生
など
1)理念・ビジョン
経営者との距離が近い中小企業にとって理念やビジョンで求職者を惹きつけることは採用だけでなく定着にもつながります。社会に対して、どのように貢献したいのか、従業員に対してはどのようになってほしいのかを経営者自らがメッセージとして伝えることが効果的です。
2)社風
求職者は、一緒に働くことになる上司や同僚とうまくやっていけるか非常に気にします。仕事中のコミュニケーションの取り方や仕事が終わった後には交流があるのかどうかなど、写真や具体的な事例で紹介するといいでしょう。
3)やりがい
仕事のやりがいは、
・仕事をしていてやりがいを感じる瞬間
・どのような時にお客様から感謝の言葉をいただくか
などを実際に働いているスタッフがからヒアリングし、具体的な内容を記載すると伝わりやすいです。
4)キャリアパス
入社段階の仕事内容の記載はもちろんですが、求職者にとっては、入社後にどのようなキャリアパスがあるのかといったところも気になるところ。将来的な業務やポジションなど、併せて記載することも大切です。
5)福利厚生
福利厚生を記載していない企業が多くもったいなく感じます。
社宅制度や社員食堂、社員割引だけが福利厚生ではありません。
自己啓発制度、社員旅行、取引先からのお中元・お歳暮をスタッフで山分けなども福利厚生です。
自社では当たり前に行っていることもアピールポイントではないか考えてみましょう。
職種や仕事内容は具体的なイメージができるように記載することが大切です。
【◯良い例】
・職種
ITベンチャー企業の財務経理スタッフ
・仕事内容
会計システムを利用しての日々の仕訳入力をはじめ、月次決算・年次決算業務を中心にご担当いただきます。3年程度を目安に、将来的には、子会社との連結決算業務まで範囲を広げ、ステップアップしていただきたいと考えています。また、当社は現在、事業拡大のためのM&Aを展開中ですので、デューデリジェンスなどの業務にもチャレンジいただけます。
入社時点での仕事内容、そこから先のキャリア展開、また自社の事業展開などを紹介することで、求職者が、より具体的にその仕事をイメージできるのです。
【×悪い例】
・職種
営業
・仕事内容
弊社webサービスの提案営業です。クライアントへのアポイント、訪問などを行っていただきます。
提案営業として具体的にどんなことをするのか、仕事のイメージができません。求職者が応募しようといった気持ちを想起させるものになっていないので、改善が必用です。
応募要件は希望の人材像に合わせて設定します。
どのようなスキルを欲しているのか、どんな経験があれば入社後に活躍できるか、どんなメリットがあるのかが分かるようにしましょう。具体的には、仕事上で必須のスキル、必須ではないが、あると有利のスキル、できなくても問題ないが、あると便利なスキル、といった切り口で考えてみます。応募要件は多すぎると、応募率が少なくなりますし、また逆に要件が少なすぎても、希望する人材にマッチしない場合もあります。必要なスキルをしっかり洗い出しましょう。
【◯良い例】
ソフトウェアエンジニアの場合の応募要件
・必須スキル
コンピュータサイエンスの学位またはそれに相当する経験
Java言語を利用したプログラミング経験を3年以上もしくはC++を用いてのプログラミング経験アルゴリズムや統計に関する知識
・推奨スキル
通信量の多いwebサイトのプログラミングおよび開発時の問題解決や改良を行った経験
【×悪い例】
Webページクリエイターの場合の応募要件
・歓迎スキル
コーディング経験
HTML、CSSコーディング経験
Flash、Dreamweaver、Illustrator、Photoshop経験など
このような例だど、どのスキルが必須で、しかもどの程度のレベルであればよいのかがわかりにくく、企業と求職者のアンマッチが生まれてしまいます。
原稿作成の際にIndeedが検索エンジンであることを意識して原稿を作成すると応募が集まりやすくなります。
Indeedの特徴は求人検索エンジンであるということ。検索にヒットするようなキーワードの表現を意識することが大切です。とはいえ、紙媒体の求人広告とは違い、1度広告を出稿したら、ずっと使い続けなくてはならないということではあります。応募者の反応を見ながら、見せ方の改善やクリックされる可能性の高いキーワードを更新するなど、随時ブラッシュアップし修正していくことが可能です。さらに、この作業によって、どんなものが応募者にとってヒットするかなど、効果が測定できるのも魅力です。
ただし、求職者の興味を引きたいからといって、奇をてらったような記事ばかりでは、かえって応募率が下がるといったこともありますので、要注意です。
Indeedは、従来の求人サイトの“掲載枠”といった概念より、より効果的に応募者へヒットできるような“運用”に着目した求人広告といえます。とくにIndeedには求人アナリティクス機能があります。自社が登録した求人のなかで、どの職種が一番クリックされているかなどのランキングなどを見ることができます。そうした機能を使って、原稿をさらにブラッシュアップしていくことをお勧めします。
ランキングに入るキーワードは、検索される可能性が高いです。不自然な原稿にならないよう、自然にキーワードを盛り込み、露出度を増やしましょう。新たな求職者の目に止めてもらうための方法のひとつです。
ランキング上位の求人情報ページに、「他にもこんな職種も募集中!」といった、別の職種の求人情報への案内をつけてみましょう。
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