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コラム

副業・ダブルワークの住民税と社会保険を徹底解説|「会社にバレる」経路と対策まで【2026年版】

副業・ダブルワークに取り組む方が増える一方、「住民税の額で会社にバレるの?」「社会保険はどうなる?」という不安を抱える経営者・人事担当者の相談が急増しています。結論から言えば、何も対策をしないと住民税の通知で副業が発覚するリスクがあります。一方で、正しい手続きを取れば副業分の住民税を自分で納付する「普通徴収」を選択でき、リスクを大幅に下げることができます。

社会保険・労務管理の専門家である社会保険労務士法人とうかいが、2026年5月時点の最新ルールをもとに、住民税の仕組み・社会保険の取り扱い・「バレる」経路と対策・就業規則の整備方法まで体系的に解説します。

社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子

これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先450社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。

現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。

主な出演メディア

  • NHK「あさイチ」
  • 中日新聞
  • 船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」

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目次

1. この記事の要約

  • 副業の所得が年間20万円を超える場合は確定申告が必要(所得税法第121条)。ただし、20万円以下であっても住民税の申告は市区町村に対して別途必要(地方税法第317条の2)。
  • 「会社にバレる」最大の原因は住民税の特別徴収通知。確定申告をすると副業分も含めた住民税額が勤務先に通知されるため、給与だけでは説明できない税額で副業が発覚するリスクがある。
  • 対策として、確定申告書の「住民税の徴収方法」欄で「自分で納付(普通徴収)」を選択することが有効。ただし市区町村によって対応が異なる点・副業が「給与所得」の場合は認められにくい点に注意が必要。
  • 副業先でも社会保険の加入要件(週20時間以上・月額賃金8.8万円以上等)を満たす場合は、「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を提出して両社で社会保険に加入する義務がある。この届出が出ると本業の会社にも通知が届く。
  • 企業は就業規則に副業・兼業に関する規定を整備する必要があり、厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月改定・令和7年3月パンフレット改定)が実務の基準となっている。

2. そもそも、副業・ダブルワークとは?

副業・ダブルワークとは、本業(メインの仕事)以外に別の仕事をして収入を得ることの総称です。雇用契約による「Wワーク(ダブルワーク)」、業務委託・フリーランスとしての「副業」、不動産や株式等による投資収入など、多様な形態が含まれます。

副業解禁の流れと厚生労働省の方針はどうなっているか?

厚生労働省は2018年(平成30年)に「副業・兼業の促進に関するガイドライン」と「モデル就業規則」を改定し、副業・兼業を原則として認める方向性を打ち出しました。令和2年9月・令和4年7月の2回の改定を経て、現在のガイドラインでは労働時間の通算管理・健康管理・情報管理の整備が企業に求められています。令和7年3月には最新のパンフレットも改定されており、実務上の基準として参照されています。

副業の所得区分は何になるのか?

副業で得た収入は、その内容によって所得の区分が異なります。適用される税額・計算方式・申告方法が変わるため、正確な区分を理解することが重要です。

副業の種類所得区分具体例
別の会社でのアルバイト・パート給与所得ファミレス、コンビニ等
業務委託・フリーランス事業所得または雑所得ライター、デザイナー、ITエンジニア等
不動産の賃貸不動産所得アパート経営、駐車場経営等
株式・FX等の投資譲渡所得・雑所得株式売買、FX等
ネットオークション・フリマ雑所得(事業性があれば事業所得)メルカリ、ヤフオク等

注意点:2022年(令和4年)の国税庁通達改正により、副業収入を「事業所得」として計上するには帳簿書類の記録・保存が必要です。記帳・保存がない場合は「雑所得」として取り扱われます。

専門用語解説

【特別徴収】 特別徴収とは、住民税(市区町村民税・都道府県民税)を事業主(会社)が毎月の給与から天引きして、従業員に代わって市区町村に納付する方式のことです。会社員はほぼ全員が特別徴収の対象であり、毎年6月に市区町村から勤務先に「特別徴収税額通知書」が送付されます。副業収入があると、この通知額が給与収入だけの場合より高くなり、担当者が気づいた場合に副業の存在が発覚するリスクがあります。

【普通徴収】 普通徴収とは、住民税を納税者本人が直接市区町村に納付する方式のことです。毎年6月頃に自宅に納付書が届き、4回(6月・8月・10月・翌1月)に分けて納付します。確定申告で副業分の住民税を普通徴収にすることで、副業収入が会社に知られるリスクを下げることができます。

【二以上事業所勤務】 二以上事業所勤務とは、複数の事業所(会社)で同時に社会保険(健康保険・厚生年金)の加入要件を満たす場合に生じる特別な状態のことです。この場合、主となる事業所(保険者)を届け出て、各事業所の報酬額に応じて保険料を按分・徴収する手続きが必要になります(健康保険法第55条・厚生年金保険法第10条の2)。

【管理モデル】 管理モデルとは、副業・兼業をする労働者の労働時間の通算管理を簡便に行うための方法のことです。厚生労働省が令和2年9月に示したもので、本業・副業それぞれで法定外労働時間が発生しないよう上限を設定し、時間外割増賃金の管理を効率化します。

このセクションのポイント

  • 副業の所得区分(給与所得・事業所得・雑所得等)は副業の形態によって異なる。税額計算と申告方法が変わるため正確な区分が重要。
  • 2022年の国税庁通達改正で、副業収入を事業所得とするには帳簿書類の記録・保存が必要になった。
  • 厚労省ガイドライン(令和4年7月改定・令和7年3月パンフレット改定)により、企業の副業解禁の流れが加速し、就業規則整備・労働時間通算管理が企業の義務として明確化されている。

3. 今回の変更点:住民税・社会保険の取り扱いで何が、どう変わるのか?

住民税の仕組み自体は大きく変わっていませんが、2024年10月からの社会保険の適用拡大により、副業でも社会保険に加入しなければならないケースが増えました。これが経営者・人事担当者に影響を与えている最大のポイントです。

住民税の通知で副業がバレる仕組みはどうなっているか?

副業がバレる最大の経路は、住民税の「特別徴収税額通知」です。仕組みを順を追って説明します。

【バレる流れ:4ステップ】

  1. 副業収入が発生
  2. 翌年2〜3月に確定申告(副業収入を含めた所得を申告)
  3. 確定申告の情報が市区町村に通知され、住民税額が再計算される
  4. 毎年5〜6月、市区町村から本業の会社に「特別徴収税額通知書」が届く → 給与だけでは説明できない住民税額で副業が発覚

具体例として、年収500万円の人が副業で100万円を稼いだ場合、住民税は年収600万円相当で計算されます。本業の給与だけを見ていた会社の担当者が「この人の給与額に対して住民税が高すぎる」と気づいた場合に発覚します。

社会保険の適用拡大(2024年10月以降)で何が変わったか?

社会保険(健康保険・厚生年金)の短時間労働者への適用要件について、対象企業規模の基準が段階的に拡大されました。

時期対象企業規模
2022年9月以前従業員501人以上
2022年10月〜2024年9月従業員101人以上
2024年10月以降従業員51人以上

副業先がこの基準に該当し、かつ以下の加入要件をすべて満たす場合、二以上事業所勤務の手続きが必要になります。

短時間労働者の加入要件(2024年10月以降)

要件内容
週所定労働時間20時間以上
月額賃金8万8千円以上(年収換算106万円以上)
雇用見込み2か月超の雇用が見込まれること
学生でないこと昼間学生は除く
事業所の規模従業員51人以上の企業

出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」(令和4年7月8日改定版)、「副業・兼業の促進に関するガイドライン」パンフレット(令和7年3月31日改定版)https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/000996750.pdf

年間20万円以下の副業収入でも住民税の申告は必要か?

はい、必要です。「年間20万円以下の副業収入は申告不要」というルールは所得税に関するルール(所得税法第121条)であり、住民税には適用されません。

収入水準所得税の確定申告住民税の申告
副業所得が年20万円超必要(確定申告)確定申告で兼ねる
副業所得が年20万円以下不要(特例あり)別途市区町村に申告が必要(地方税法第317条の2)

出典:国税庁「No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人」(令和7年4月1日現在)https://www.nta.go.jp/taxes/shiraberu/taxanswer/shotoku/1900.htm

このセクションのポイント

  • 2024年10月から社会保険の適用対象企業が「51人以上」に拡大。副業先で加入要件を満たすケースが増えた。
  • 住民税の通知は本業の会社に届くため、確定申告で「普通徴収」を選択しないと副業の存在が発覚するリスクがある。
  • 所得税の「20万円以下は申告不要」の特例は住民税には適用されない。住民税の申告は市区町村に対して別途必要(地方税法第317条の2)。
  • 社会保険の二以上事業所勤務届を提出すると、両方の事業所に通知が届くため事実上副業が発覚する。

4. 経営者が今すぐ対応すべきこと|社会保険労務士法人とうかいからのアドバイス

優先度別アクションリスト

【今すぐ対応】就業規則の「副業・兼業」規定を確認・整備する

現在の就業規則に副業・兼業に関する規定がない、または旧来の「全面禁止」規定のままになっている場合は、厚生労働省のモデル就業規則(副業・兼業に関する規定・第68条)を参考に見直してください。副業・兼業を原則として認める方向性を明示しつつ、届出・許可制と禁止事由を明記することで法的リスクを下げることができます。

禁止・制限が認められる合理的な理由(最高裁の考え方より)

  • 副業により本業の労務提供に支障が生じる場合(体調不良・遅刻等)
  • 競業他社への就業等、会社の利益を害する場合
  • 会社の信用を傷つける副業内容である場合
  • 企業秘密の漏洩リスクがある場合

【期日を設けて対応】副業申請フローと労働時間の通算管理体制を整備する

就業規則で副業の届出制・許可制を設けるにあたり、副業申請書の様式・審査基準・回答期限を定めたフローを整備してください。また、労働基準法第38条第1項に基づき、本業+副業の合計労働時間の通算管理が企業の義務です。簡便な管理方法として「管理モデル」(厚労省令和2年9月通達)を活用することもできます。

【体制整備】ダブルワーカーの社会保険・健康管理体制を整備する

副業先でも社会保険の加入要件(週20時間・月8.8万円以上等)を満たす従業員がいる場合、または自社が副業先になっている場合は以下の点を確認してください。

  • 社会保険の加入要件を満たしているかどうかの確認(2024年10月以降は51人超の企業が対象)
  • 二以上事業所勤務の手続きが適正に行われているか
  • 合計労働時間が月45時間超になる場合は産業医面談等の健康管理体制を検討

よくある落とし穴

落とし穴①:従業員が副業をしているかどうか把握していない、という事業主は多い

届出・許可制を設けていないと、従業員の副業状況を会社が把握できません。労働時間の通算管理義務(労働基準法第38条)を果たすためにも、副業の届出フローを整備することが重要です。

落とし穴②:副業先で社会保険加入が必要になっても放置しがちな問題は?

副業先で社会保険の加入要件を満たした場合、二以上事業所勤務届の提出が法的義務です(健康保険法第55条)。これを怠ると未加入状態となり、後に遡及加入・保険料の徴収が発生するリスクがあります。

落とし穴③:「副業収入20万円以下だから確定申告不要」と従業員に案内しがちな誤解は?

所得税の確定申告不要の特例は住民税には適用されません(地方税法第317条の2)。従業員が「確定申告不要」と思い込み住民税の申告も怠ると、申告漏れ・延滞税の発生につながります。人事担当者が正確な情報を伝えることが重要です。

落とし穴④:副業を一律禁止のままにしておくリスクとは?

全面禁止の就業規則を維持しているにもかかわらず、実態として多くの従業員が副業をしているケースが増えています。形骸化したルールは労務管理上のリスクを高めます。実態に合った規定の整備が急務です。

社会保険労務士に相談するとできること

  • 就業規則の副業・兼業規定の作成・見直し(厚労省ガイドライン・モデル就業規則に準拠)
  • 副業申請書様式・審査フローの整備
  • ダブルワーカーの社会保険手続き(二以上事業所勤務届)のサポート・代行
  • 従業員からの「副業の税金・社会保険はどうなる?」という個別相談対応の支援
  • 労働時間の通算管理方法(管理モデル導入含む)のアドバイス
  • 健康管理体制(産業医連携・面談フロー)の整備

このセクションのポイント

  • 就業規則の副業・兼業規定を「全面禁止」から「許可制・届出制」に見直すことが最優先。
  • 副業申請フロー(申請書・審査基準・回答期限)の整備で恣意的な拒否のリスクを排除する。
  • ダブルワーカーの社会保険加入要件(2024年10月以降は51人超が対象)と二以上事業所勤務の手続きを適正に管理する。
  • 従業員への「20万円以下は申告不要」の誤案内に注意。住民税の申告は市区町村に対して別途必要。
  • 社労士への相談で、就業規則整備・手続き代行・相談対応まで一括サポートが可能。

5. とうかいが実際に対応した相談事例・よくあるトラブル

相談事例①:住民税の通知で従業員の副業が発覚し、就業規則の解釈をめぐり紛争になりかけた

相談内容:サービス業・従業員80名規模の企業から「従業員の住民税通知を見て、給与だけでは説明できない高い税額に担当者が気づいた。就業規則には『許可なく他社に従事することを禁ずる』とあるが、近年の副業解禁の流れを踏まえると懲戒処分できるのか迷っている」というご相談をいただきました。

背景と問題点:問題の根本は就業規則の「副業禁止」規定が旧態依然としており、合理的な禁止理由が明記されていないことでした。厚生労働省のガイドラインが示す通り、合理的理由のない全面禁止は法的に無効とされる可能性があります。また、実態として副業解禁の流れが加速する中、企業側が何も対策を取っていなかった点も問題でした。

社労士法人とうかいの対応:まず就業規則の副業禁止条項の有効性を整理し、当該従業員の副業内容が「本業に支障を与えているか・競業他社か・秘密漏洩リスクがあるか」の3点から判断。本件ではいずれにも該当しないため、懲戒処分ではなく「届出義務を課す」形での指導が適切と判断しました。並行して就業規則を厚労省モデル就業規則に準拠した許可制・届出制に改定する作業をサポートしました。

結果・教訓:就業規則の改定により、以後は副業の届出フローが明確化され、労務管理上のリスクが解消されました。「副業禁止」の規定は形骸化すると逆にリスクになる、というのが教訓です。就業規則の副業規定は毎年見直すことが推奨されます。

相談事例②:副業先でアルバイトを始めた従業員が知らないうちに社会保険の二以上事業所勤務になり、保険料の未納が発覚した

相談内容:製造業・従業員55名規模の企業(2024年10月の適用拡大で特定適用事業所に該当)から「従業員が副業先のコンビニでアルバイトを始めたらしく、社会保険に関する書類が送られてきた。何をすべきか分からない」というご相談をいただきました。

背景と問題点:2024年10月から特定適用事業所の基準が「51人以上」に拡大されたことで、自社がその対象となり、さらに副業先も同様の要件を満たす場合に二以上事業所勤務の手続きが必要になりました。従業員・会社ともに制度変更を把握していなかったため、手続きが遅延した状態でした。放置すれば遡及加入・保険料の追徴リスクがありました。

社労士法人とうかいの対応:「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」の作成・提出サポートを行いました。届出にあたっては、主たる事業所の選択・報酬額に基づく保険料の按分計算・両事業所への通知手続きを一括サポート。また、全従業員に対して社会保険の加入要件と二以上事業所勤務の仕組みを案内する文書を作成しました。

結果・教訓:手続き完了後、保険料の按分が正しく行われ、遡及加入・追徴のリスクは回避されました。2024年10月の適用拡大により、同様のケースが急増しています。51人以上の企業は特に、従業員の副業状況を把握し、必要な手続きを速やかに行う体制を整えることが重要です。

相談事例③:副業収入の住民税申告を怠り、延滞税・過少申告加算税が発生した

相談内容:IT業・従業員120名規模の企業の人事担当者から「従業員から『副業収入が20万円以下だったので確定申告もしなかったし、住民税の申告もしなかった。延滞税が発生していると市区町村から通知が来た』という相談が来た。会社として従業員にどう案内すればよいか」というご相談をいただきました。

背景と問題点:「副業収入20万円以下は申告不要」という認識が広まっているため、住民税の申告が別途必要であることを知らない従業員が多数います。所得税は確定申告不要でも、住民税については市区町村への申告義務があります(地方税法第317条の2)。申告をしない場合、延滞税(年2.4〜8.7%)が発生します。

社労士法人とうかいの対応:当該従業員の状況を整理し、住民税の修正申告手続きをサポート。また人事担当者向けに「副業収入の住民税申告のポイント」を解説した社内用案内文書を作成しました。全従業員への周知を図ることで、同様の問題が再発しないよう体制を整備しました。

結果・教訓:修正申告により延滞税の追加発生は最小限に抑えられました。企業として従業員に正確な情報を提供することが、結果として税務リスクの回避につながります。「20万円以下は住民税も不要」という誤解が生じないよう、人事担当者が正確な知識を持つことが不可欠です。

よくあるトラブルとその対処法

よくあるトラブル①:住民税の特別徴収税額が「なぜかこんなに高い」

症状:毎年6月に市区町村から届く「特別徴収税額通知書」の金額が、当該従業員の給与水準に比べて明らかに高い。

原因:副業収入(確定申告済み)が住民税の計算に加算されているが、担当者が「普通徴収」を選択しなかった、または市区町村が対応していなかった。

対処法:翌年度の確定申告で「自分で納付(普通徴収)」を選択するよう当該従業員に案内する。なお副業が「給与所得」(アルバイト等)の場合は普通徴収が認められにくいため注意が必要。自己解決が難しい場合は社会保険労務士法人とうかいへご相談ください。

よくあるトラブル②:副業の確定申告を忘れ、税務署から「お尋ね」が届いた

症状:税務署から「給与所得以外の所得についての確認」という文書が届いた。

原因:副業収入が20万円を超えるにもかかわらず確定申告を行っていなかった。マイナンバーや支払調書を通じて税務署が副業収入を把握している。

対処法:速やかに修正申告・期限後申告を行う。無申告加算税(15〜20%)・延滞税の発生が見込まれるため、税理士または社会保険労務士に相談のうえ対応する。社会保険労務士法人とうかいへ早めにご相談ください。

よくあるトラブル③:二以上事業所勤務の届出を怠り、社会保険の二重加入状態が未処理のまま

症状:副業先でアルバイトを始めた従業員から「副業先でも社会保険に加入するよう言われたが、どうすればよいか」という問い合わせが来た。

原因:2024年10月からの適用拡大により、副業先でも加入要件を満たすケースが増えた。本人も企業も手続きの存在を知らないまま放置されている。

対処法:「健康保険・厚生年金保険 被保険者所属選択・二以上事業所勤務届」を速やかに年金事務所(または健康保険組合)に提出する。手続きの流れ・按分計算については社会保険労務士法人とうかいへご相談ください。

よくあるトラブル④:副業を全面禁止しているのに従業員が守っていない

症状:届出なく副業をしている従業員が複数発覚した。就業規則で全面禁止としているが、処分の基準が不明確で対応に迷っている。

原因:就業規則の副業禁止規定が旧態依然であり、厚生労働省ガイドラインの方向性と乖離している。禁止理由が合理的でない場合、規定自体が無効とされるリスクがある。

対処法:就業規則を許可制・届出制に改定し、禁止事由(競業・秘密漏洩・本業支障等)を明記する。改定後は全従業員への周知を徹底する。自己解決が難しい場合は社会保険労務士法人とうかいへご相談ください。

よくあるトラブル⑤:フリーランスの副業収入が増えて、本業の社会保険の主たる事業所の扱いが曖昧になった

症状:副業のフリーランス収入が本業の給与を上回るようになった従業員から「社会保険はどうなるのか」という相談が来た。

原因:フリーランス・個人事業の副業収入は原則として社会保険料の計算に影響しないが、副業で法人設立した場合(一人社長等)は副業法人でも社会保険加入義務が発生する。この点が十分に理解されていない。

対処法:副業の形態(個人事業 or 法人設立)を確認し、法人設立の場合は二以上事業所勤務の手続きが必要かを判断する。社会保険労務士法人とうかいへ状況を整理の上ご相談ください。

このセクションのポイント

  • 住民税の特別徴収通知による副業発覚は最も多いパターン。確定申告での「普通徴収」選択が最善の対策だが、市区町村によって対応が異なる。
  • 2024年10月の適用拡大により、51人以上の企業では二以上事業所勤務のケースが急増。速やかな届出が法的義務。
  • 「副業収入20万円以下は住民税も不要」という誤解は企業も従業員も持ちやすい。人事担当者への正確な情報提供が不可欠。
  • 就業規則の全面禁止規定は形骸化すると逆リスクに。許可制・届出制への早急な移行が推奨される。
  • 副業で法人設立した場合は社会保険の二以上事業所勤務の手続きが必要になるケースがある。

6. 個別相談のご案内|社会保険労務士法人とうかい

社会保険労務士法人とうかいは、従業員数100名以上の中小企業を中心に、副業・兼業に関する就業規則の整備から、ダブルワーカーの社会保険手続きまで幅広く対応しています。

「就業規則の副業禁止規定が古くて見直したい」「従業員から副業の税金・社会保険の相談が来て困っている」「2024年10月の社会保険適用拡大への対応が追いついていない」「副業申請フローをゼロから整備したい」といったご相談に個別対応しています。

対応内容の例

  • 副業・兼業に関する就業規則の整備(厚労省ガイドライン・モデル就業規則に準拠)
  • 副業申請書・審査フローの作成サポート
  • ダブルワーカーの社会保険手続き(二以上事業所勤務届)の代行
  • 2024年10月社会保険適用拡大への対応体制構築
  • 従業員向けの副業・税金・社会保険の案内文書作成
  • 労働時間の通算管理方法(管理モデル導入含む)の整備アドバイス
  • 健康管理体制(産業医連携・面談フロー)の整備

副業・兼業に関するご不明点は、ぜひ社会保険労務士法人とうかいへお気軽にご相談ください。

7. よくある質問(FAQ)

Q. 副業の収入が少なければ確定申告は不要ですか?

A. 所得税の確定申告は年間20万円以下であれば不要ですが、住民税の申告は別途必要です。給与所得・退職所得以外の所得が年間20万円以下の場合は所得税の確定申告が不要という特例(所得税法第121条)があります。しかし住民税については20万円以下でも市区町村への申告義務があります(地方税法第317条の2)。確定申告をしない場合は、お住まいの市区町村に住民税の申告書を提出してください。

Q. 副業が会社にバレたらどうなりますか?

A. 就業規則で副業が禁止されている場合、懲戒処分の対象になる可能性があります。ただし、副業が本業に支障を与えていない・競業他社ではない等の状況次第では、懲戒処分が相当でないと判断されるケースもあります。一方、就業規則に副業禁止規定がない場合は、バレたとしても直ちに処分の対象にはなりません。まずは会社の就業規則を確認し、副業が許可制・届出制であれば適切に申請することを推奨します。

Q. 副業の住民税を普通徴収にすれば完全にバレませんか?

A. リスクは下げられますが、「完全にバレない」とは言えません。普通徴収を選択することで住民税の通知による発覚リスクは大きく下がります。しかし副業が「給与所得」(他社アルバイト等)の場合は普通徴収が認められにくく、市区町村によっては対応していない場合もあります。また、社会保険の二以上事業所勤務届・同僚・SNS・取引先など他の経路からの発覚リスクはゼロにはなりません。

Q. フリーランスの副業でも社会保険料は増えますか?

A. いいえ、フリーランス(業務委託)の副業収入は社会保険料の計算に影響しません。会社員の社会保険料(健康保険・厚生年金)は、本業の給与(標準報酬月額)のみをもとに計算されます。フリーランス・個人事業として得た副業収入(事業所得・雑所得)は社会保険料の基礎に含まれません。ただし副業先で雇用契約を結び社会保険の加入要件を満たす場合は別途手続きが必要です。また副業で法人設立した場合は、副業法人でも社会保険加入義務が発生します。

Q. ダブルワークで2社とも社会保険に加入している場合、保険証は2枚もらえますか?

A. いいえ、保険証は主たる事業所(選択した保険者)から1枚だけ交付されます。二以上事業所勤務の場合、主たる保険者を選択して届け出を行い、健康保険証は選択した保険者から1枚交付されます。保険料は各事業所の報酬額の比率で按分されますが、給付は選択した1つの保険者から受けます。

Q. 副業収入を申告しないとどうなりますか?

A. 税務署による申告漏れの指摘・追徴課税・加算税・延滞税の対象になります。確定申告が必要な副業収入を申告しないことは脱税行為です。税務署はマイナンバー・支払調書等の情報から副業収入を把握する仕組みを整えており、申告漏れが発覚した場合は、追加の所得税・住民税のほか、過少申告加算税(10〜15%)または無申告加算税(15〜20%)、延滞税が課されます。

Q. 副業で年収が増えた場合、健康保険の扶養条件に影響しますか?

A. 副業収入を含めた年収が130万円以上になると、健康保険の被扶養者から外れる可能性があります。被扶養者の認定基準の一つは「年間収入130万円未満(60歳以上・障害者は180万円未満)」です。ただし扶養認定の判断は保険者によって異なるため、詳細は健康保険組合または協会けんぽに確認してください。

Q. 会社が副業を禁止しているのに副業したら解雇されますか?

A. 直ちに解雇とはなりませんが、懲戒処分の可能性はあります。副業禁止規定に違反した場合の処分(懲戒戒告・減給・出勤停止・懲戒解雇等)は、副業の内容・本業への影響・会社の損害の程度等によって判断されます。特に競業他社への就業・機密情報の持ち出し・本業への著しい支障が生じた場合は重い処分になる可能性があります。副業禁止規定がある場合は、就業規則を確認のうえ会社に相談することを推奨します。

Q. 2024年10月の社会保険適用拡大で、当社は何を確認すればよいですか?

A. まず自社が「特定適用事業所(常時51人以上)」に該当するかを確認してください。該当する場合、パートタイム・アルバイト・副業者を含め、週20時間以上・月額8.8万円以上・2か月超の雇用見込みがある方が加入対象になります。副業者の二以上事業所勤務の手続きも必要になる場合があります。対応に迷う場合は社会保険労務士法人とうかいへご相談ください。

Q. 副業の確定申告で青色申告を使えますか?

A. 副業の所得が「事業所得」に該当する場合は、青色申告が利用できます。事業所得として青色申告を行うと、青色申告特別控除(最大65万円・e-Tax申告・複式簿記が要件)が受けられます。また、赤字が生じた場合に他の所得と損益通算できるメリットもあります。ただし、2022年の国税庁通達改正以降、副業収入を事業所得として認定されるためには帳簿書類の記録・保存等の実態が必要とされています。

Q. 副業・兼業ガイドラインの「管理モデル」とは何ですか?

A. 管理モデルとは、副業・兼業をする労働者の労働時間の通算管理を簡便に行うための方法です。本業・副業それぞれで「法定外労働時間の上限」をあらかじめ設定し、その範囲内で働いてもらうことで、割増賃金の計算・管理の手間を大幅に削減できます。厚生労働省が令和2年9月通達で示した方法であり、小規模事業者にも導入しやすい仕組みです。詳細は社会保険労務士法人とうかいへお問い合わせください。

まとめ

副業・ダブルワークをしている場合の住民税・社会保険の取り扱いをまとめると以下のとおりです。

住民税については、確定申告をすると副業分も含めた住民税額が本業の会社に通知されるため、会社に知られたくない場合は確定申告書で「普通徴収(自分で納付)」を選択することが有効です。ただし副業が「給与所得」(アルバイト等)の場合は普通徴収が認められにくい点、市区町村によって対応が異なる点に注意が必要です。

社会保険については、副業がフリーランス・業務委託であれば原則として影響がありませんが、副業先でも社会保険の加入要件(週20時間・月額8.8万円以上等・2024年10月以降は51人超の企業が対象)を満たす場合は「二以上事業所勤務届」の提出が義務となり、この手続きを通じて本業の会社に副業の事実が伝わります。

企業側は、就業規則の副業・兼業規定を整備し、届出・許可制による管理体制を設けることで、従業員との信頼関係を保ちながら副業を適切に管理することが求められます。2024年10月からの適用拡大により、二以上事業所勤務の手続きが必要なケースも増えています。早急な体制整備をお勧めします。

個別の状況に応じた住民税の対策・社会保険の手続き・就業規則の整備については、社会保険労務士法人とうかいへお気軽にご相談ください。

この記事は2026年5月時点の情報をもとに作成しています。法令・制度は改正される場合があるため、最新情報は厚生労働省(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000192188.html)・国税庁等の公式サイトをご確認ください。確定申告の具体的な手続きについては税務署または税理士に、社会保険手続きについては社会保険労務士にご相談ください。本記事は一般的な解説であり、個別の法律判断を保証するものではありません。 監修・文責:社会保険労務士法人とうかい

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