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コラム

定額減税2024|マネーフォワード給与での処理手順と社労士が見た実務上の注意点

社会保険労務士法人とうかいが、令和6年(2024年)実施の定額減税(特別控除)について、マネーフォワード クラウド給与での処理手順と実務上の注意点を解説します。定額減税は令和6年分所得税のみの制度であり、令和7年以降の給与には適用されません。年末調整の処理漏れがないか、この記事で最終確認してください。

社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子

これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先450社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。

現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。

主な出演メディア

  • NHK「あさイチ」
  • 中日新聞
  • 船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」

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結論:定額減税は「月次減税」と「年調減税」の2段階処理。マネーフォワードでは扶養人数の正確な登録が全ての起点

定額減税とは、令和6年度税制改正に基づき、令和6年分所得税について実施された1人あたり最大3万円(所得税)+1万円(住民税)の特別控除です。

減税額の計算式:

  • 所得税:本人3万円 + 同一生計配偶者・扶養親族(居住者)1人につき3万円
  • 住民税:本人1万円 + 控除対象配偶者・扶養親族1人につき1万円

例)本人+配偶者+子2人の場合:所得税12万円(3万×4人)+住民税4万円(1万×4人)=合計16万円

処理の流れは「月次減税(2024年6月〜12月)」と「年末調整時の年調減税」の2段階です。マネーフォワード クラウド給与での処理でミスが多い点は、扶養人数の登録精度6月2日以降入社者の取扱いです。

このセクションのポイント

  • 所得税の定額減税は1人あたり本人3万円+扶養1人につき3万円
  • 令和6年分のみの制度(令和7年以降は繰越控除不可)
  • 月次減税と年調減税の2段階処理が必須

マネーフォワード給与での処理手順

事前準備(2024年6月支給前)

手順1:従業員の扶養人数を確認・登録する

扶養控除等申告書の記載内容と一致しているか確認します。月次減税額の計算基準は「6月1日時点の扶養控除等申告書の内容」です。途中で扶養が増えても月次減税額は変更できない(年末調整で精算)ため、入力の正確性が重要です。

注意:16歳未満の子(年少扶養)は所得税の扶養控除対象外ですが、定額減税の対象になります。 扶養控除等申告書の「住民税に関する事項」欄に記載がある場合のみカウントできるため、登録漏れに注意してください。

手順2:定額減税機能を有効化する

マネーフォワード クラウド給与の定額減税設定メニューから機能を有効化し、令和6年分として設定します。具体的な操作手順は公式サポートサイト(https://support.biz.moneyforward.com/payroll/)で確認してください。

月次処理(2024年6月〜12月)

毎月の給与計算実行時に以下の処理がされます。

  1. 通常の源泉徴収税額(控除前税額)を算出
  2. 月次減税額を控除前税額から差し引く
  3. 控除しきれない場合は翌月に繰り越し(源泉徴収税額は0円)
  4. 給与明細に「定額減税控除額」を記載(記載義務あり)

給与計算のたびに「各人別控除事績簿」への記録が必要です。マネーフォワード上で自動記録される場合でも、年末調整前に一度全員分を確認してください。

年末調整処理

  1. 「年末調整に係る定額減税のための申告書」の情報を年末調整画面に入力する
  2. 12月31日時点の扶養人数で年調減税額を最終確定する(月次減税時と扶養人数が変わっている場合は差額が精算される)
  3. 年調所得税額から年調減税額を控除し、控除しきれない場合は「控除外額」を源泉徴収票の摘要欄に記載

源泉徴収票の摘要欄への記載は法的義務です(記載漏れ不可):

  • 「源泉徴収時所得税減税控除済額○○○円」
  • 「控除外額○○○円」(控除しきれない場合)または「控除外額0円」

このセクションのポイント

  • 月次減税は6月1日時点の扶養人数が基準(途中変更不可)
  • 年末調整では12月31日時点の扶養人数で再計算して精算
  • 源泉徴収票摘要欄への記載は法定義務

社労士が見た実務上の注意点

ミス1:16歳未満の扶養を月次減税に含め忘れる

最も多いミスです。16歳未満の子は所得税の扶養控除対象外のため、扶養控除等申告書の「扶養控除欄」には記載されません。定額減税の対象かどうかは「同一生計配偶者・扶養親族(居住者)」が基準のため、「住民税に関する事項」欄に記載された16歳未満の子も減税の対象となります。マネーフォワード上で自動カウントされない場合は手動確認が必要です。

ミス2:6月2日以降入社者に月次減税を適用してしまう

6月2日以降の入社者は月次減税の対象外です(年末調整のみで対応)。誤って月次減税を適用すると過少徴収になります。入社日の確認を徹底してください。

ミス3:所得制限超過者の年末調整での誤処理

合計所得金額1,805万円超の従業員は定額減税の対象外ですが、月次の給与計算段階では定額減税を適用しないことができない仕組みになっています(源泉徴収の時点では所得額が確定していないため)。年末調整で年調減税を適用しないで精算する処理を忘れないようにしてください。

ミス4:年末調整での扶養変動の再確認漏れ

年途中に扶養が変わった場合(出産・離婚・就職等)は、年末調整時に12月31日時点の実態で再計算が必要です。月次減税時の扶養人数と年末調整時の扶養人数が一致しない場合の差額精算を忘れると、過不足が残ります。

このセクションのポイント

  • 16歳未満の子の定額減税カウントは自動で含まれない場合がある
  • 6月2日以降入社者への月次減税適用は禁止
  • 年途中の扶養変動は年末調整で必ず再確認する

令和7年(2025年)以降の取扱い

定額減税は令和6年分所得税のみの措置です。国税庁Q&A(令和6年12月改訂版)に明確に記載されています。

  • 年末調整で控除しきれなかった「控除外額」は、令和7年以降の給与から繰越控除することはできません
  • 控除外額は「給付金」として市区町村が別途給付する仕組みです(給付対象者は市区町村から通知)
  • 令和7年1月以降の毎月の給与計算では、定額減税の処理は不要です

このセクションのポイント

  • 定額減税は令和6年分のみ、令和7年以降の繰越控除は不可
  • 控除外額(控除しきれなかった分)は給付金対応になる
  • 2025年1月以降の給与計算では定額減税の処理は不要

よくある質問(FAQ)

Q. 賞与にも定額減税は適用されましたか? はい。令和6年6月以降に支給した賞与も定額減税の対象です。その月の支給が給与より賞与が先の場合は、賞与から先に月次減税額を控除します。

Q. 6月2日以降入社の従業員の定額減税はどうなりますか? 月次減税は適用されません。年末調整(年調減税)の中で対応します。年末調整時に扶養控除等申告書等の情報をもとに年調減税額を計算し、年調所得税額から控除します。

Q. 令和6年に退職した従業員の定額減税はどうなりますか? 退職時までに月次減税を実施した範囲での対応となり、原則として確定申告で精算します。年途中退職者については、会社側での年末調整は不要ですが、源泉徴収票には月次減税で控除した金額を記載してください。

Q. マネーフォワード給与で定額減税の設定がうまくいかない場合は? 公式サポートサイト(https://support.biz.moneyforward.com/payroll/)のヘルプページを確認するか、マネーフォワードのサポートデスクに問い合わせてください。社労士側の制度解釈については社会保険労務士法人とうかいにご相談ください。

まとめ

定額減税2024の処理でマネーフォワード クラウド給与において特に注意すべきは、扶養人数の正確な登録(特に16歳未満の年少扶養)と、6月2日以降入社者への誤適用防止です。令和7年以降の給与には定額減税の処理は不要となります。

年末調整後の源泉徴収票の摘要欄記載に漏れがないかの最終確認をお忘れなく。ご不明な点は社会保険労務士法人とうかいにご相談ください。

監修:社会保険労務士法人とうかい 社会保険・労務管理の専門家として、給与計算・年末調整の実務サポートを行っています。

参考資料

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