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コラム

弥生給与からマネーフォワード給与に移行するときの注意点と社労士チェックリスト

社会保険労務士法人とうかいが、弥生給与(弥生給与Next・弥生給与24等)からマネーフォワード クラウド給与への移行を検討している企業に向けて、特有の注意点と社労士が確認すべきチェックリストを解説します。

結論:弥生からマネーフォワードへの移行は「インストール型→クラウド型」の構造変化を理解してから進める

弥生給与はインストール型(ローカルソフト)、マネーフォワード給与はクラウド型です。この構造の違いにより、データの持ち方・計算ロジック・運用体制が根本的に変わります。「データを移すだけ」と考えると必ず失敗します。

このセクションのポイント

  • 弥生→マネーフォワードは「インストール型→クラウド型」の構造転換
  • 弥生のデータをそのままインポートはできない(手動での再設定が必要な項目がある)
  • 法定帳簿(賃金台帳等)のデータ保管方法も変わるため、移行前に確認が必要

弥生給与からの移行で特有の注意点

注意点①:計算設定は「移行」ではなく「再設定」が基本

弥生給与の計算設定(支給・控除項目、計算式)はマネーフォワードに直接インポートできません。給与規程・就業規則を読みながら、マネーフォワード上で一から設定し直す必要があります

このとき、弥生で「なんとなく動いていた」計算式が実は法定計算と異なっていたケースが発覚することがあります。移行は「設定の棚卸し」の好機でもあります。

注意点②:従業員マスターの整備

弥生の従業員データはCSVエクスポートできますが、マネーフォワードのインポート形式に変換する作業が必要です。特に以下の項目は移行後に必ず確認します。

  • 標準報酬月額・等級(最新の定時決定結果と一致しているか)
  • 雇用保険被保険者番号・社会保険の整理番号
  • 住民税の特別徴収額(各市区町村の通知書と突合)

注意点③:弥生の法定帳簿データの保管義務

労働基準法第109条により、賃金台帳・労働者名簿などの法定帳簿は最後の記入から3年間(退職者は退職から3年間)の保存が義務です(賃金台帳は5年間の努力義務あり)。

弥生給与上の過去データは、マネーフォワードに移行した後もPDFや印刷物の形で保管する必要があります。移行後に弥生のライセンスを解約すると過去データにアクセスできなくなるため、必ず移行前にデータをエクスポート・保管してください。

注意点④:年末調整の切り替えタイミング

年末調整の途中(11〜12月)に移行するのは非常に危険です。移行は必ず年末調整が完結した後(翌年1〜3月)か、年度切り替え前(3〜4月)のタイミングを推奨します。

このセクションのポイント

  • 計算設定は移行ではなく再設定。給与規程と照らし合わせながら進める
  • 旧ソフト(弥生)の法定帳簿は別途保管が必要(解約前に必ずエクスポート)
  • 年末調整の途中での移行は避ける

社労士チェックリスト|移行前・移行時・移行後

▼ 移行前チェック

  • 給与規程・就業規則の最新版を確認した
  • 弥生給与の支給・控除項目をすべて書き出した
  • 残業単価の計算根拠(労基法第37条との整合性)を確認した
  • 社会保険の標準報酬月額・等級を最新の状態に整備した
  • 過去3年分(努力義務5年)の賃金台帳等をPDFまたは印刷物で保管した
  • 移行時期(年末調整完結後・年度切り替え前)を設定した

▼ 移行時チェック

  • 従業員情報のインポート後、全員の標準報酬月額・等級を突合した
  • 支給・控除項目の設定が給与規程と一致していることを確認した
  • カスタム計算式(残業単価など)の法令適合性を確認した
  • 社会保険料・雇用保険料の控除額が正しく計算されることをテストした
  • 住民税の特別徴収額が各市区町村の通知書と一致しているか確認した

▼ 移行後チェック(初回給与計算後)

  • 旧ソフト(弥生)の計算結果と突合し、差異の原因を特定した
  • 初回給与振込額が正しいことを確認した
  • 弥生給与のライセンス解約前に、全データの保管状況を再確認した

このセクションのポイント

  • チェックリストは移行前・移行時・移行後の3段階に分けて実施する
  • 特に「法定帳簿の保管」と「計算式の法令適合性」は社労士が関与すべき項目
  • 初回給与計算で差異が出た場合は原因を特定してから弥生を解約する

社会保険労務士法人とうかいからのアドバイス

  1. 弥生解約は移行後3ヶ月は待つ。初回給与・賞与・社会保険手続きを一通りマネーフォワードで完了させてから解約判断をしてください。
  2. 移行作業は「設定の正常化」の機会として活用する。弥生で長年使い続けてきた計算式が実は法令と乖離していたケースは少なくありません。移行のタイミングで社労士と一緒に正しい計算根拠を確認しましょう。
  3. 過去データの保管計画を先に立てる。移行の検討と並行して、法定保存期間中の帳票をどこ・どの形式で保管するかを決定してください

このセクションのポイント

  • 弥生の解約は移行後3ヶ月以上待つことを強く推奨
  • 移行は計算設定を正常化する絶好の機会
  • 過去データ保管計画は移行前に策定する

よくある質問(FAQ)

Q. 弥生給与のデータはそのままマネーフォワードにインポートできますか? 従業員マスターはCSV変換を経てインポートできますが、計算設定(支給・控除項目・計算式)は直接インポートできません。マネーフォワード上で再設定が必要です。

Q. 弥生給与からの移行に社労士のサポートは必要ですか? 必須ではありませんが、計算式の法令適合性確認・社会保険等級の突合・法定帳簿の保管計画策定には社労士の関与が有効です。特に計算設定の「再設定」では、誤りが発生しやすいため専門家の確認を推奨します。

Q. 移行のベストタイミングはいつですか? 年末調整完結後(1〜2月)か、社会保険料率・雇用保険料率が改定される前後(3〜4月)が最適です。年末調整の途中(11〜12月)は避けてください。

Q. 弥生給与の過去データはどのくらい保管すればよいですか? 労働基準法第109条により賃金台帳は3年間の保存義務(努力義務として5年間)があります。解約前に必ずPDFまたは印刷物で保管してください。

まとめ

弥生給与からマネーフォワード給与への移行は、「データを移す作業」ではなく「給与計算体制を再構築する機会」として捉えることが成功の鍵です。社会保険労務士法人とうかいでは、移行前の設定確認から初回給与計算の検証まで、一貫したサポートを提供しています。ご相談はお気軽にどうぞ。

監修:社会保険労務士法人とうかい https://tokai-sr.jp/

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