毎年6月1日から7月10日は、労働保険の年度更新申告期間です。この期間内に申告・納付を済ませなければならないため、freeeを活用して効率よく手続きを進めることが重要です。本記事では、freee人事労務を使った労働保険年度更新の具体的な手順をSTEP形式でご説明します。
この記事の監修
社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子
これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先450社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。
現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。
主な出演メディア
- NHK「あさイチ」
- 中日新聞
- 船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」
社会保険労務士 小栗多喜子のプロフィール紹介はこちら
https://www.tokai-sr.jp/staff/oguri/
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労働保険年度更新とは
確定保険料と概算保険料の精算
労働保険(雇用保険+労災保険)の保険料は、前年度に「概算保険料」として納付した後、翌年度の年度更新時に実際の賃金総額をもとに「確定保険料」を計算し、過不足を精算する仕組みになっています。
- 確定保険料:前年4月1日〜当年3月31日の賃金総額をもとに確定した保険料
- 概算保険料:当年4月1日〜翌年3月31日分の見込み保険料を前払い
申告期限の7月10日を過ぎると追徴金や延滞金が発生するため、freeeで事前にデータを整理しておくことが大切です。
年度更新が必要な事業所
労働者(パート・アルバイト含む)を一人でも雇用している事業所は、原則として年度更新の申告義務があります。愛知県内の事業所は愛知労働局または各都道府県労働局を通じて申告を行います。

freeeで確定賃金集計を確認する方法
freee人事労務では、前年度(4月〜3月)の給与データが蓄積されているため、確定賃金集計を簡単に確認できます。
- freee人事労務にログインし、「給与」メニューを開きます。
- 集計期間を前年4月〜当年3月に設定します。
- 「賃金台帳」または「集計レポート」から、雇用保険被保険者と雇用保険非対象者(役員等)を分けて賃金総額を確認します。
- 賞与・通勤費・残業代など、労働保険料の算定対象となる賃金科目がすべて含まれているか照合します。

注意: 役員報酬や労災保険料の算定対象外となる賃金は除外が必要です。わからない場合は社労士への確認をおすすめします。
年度更新の申告書類の作成手順
STEP1:賃金集計データのエクスポート
freeeの賃金台帳データをCSV等でエクスポートし、確定賃金総額を確認します。雇用保険被保険者分と労災保険分(全従業員)を分けて集計してください。

STEP2:確定保険料の計算
- 労災保険料=確定賃金総額 × 労災保険料率(業種ごとに異なる)
- 雇用保険料=雇用保険対象賃金総額 × 雇用保険料率(労働者負担分+事業主負担分)
料率は毎年変更される場合があるため、厚生労働省の最新料率表を確認してください。
STEP3:概算保険料との差額確認
前年度に納付した概算保険料と確定保険料を比較し、過不足を算出します。
- 概算保険料 > 確定保険料:差額は翌年度の概算保険料に充当または還付
- 概算保険料 < 確定保険料:差額を追加納付
STEP4:申告書への転記
労働局・ハローワークから送付される「労働保険概算・確定保険料申告書」に、集計した数値を記入します。freeeから出力した賃金データと照合しながら記入ミスを防ぎましょう。

STEP5:申告書類の提出準備
提出書類一式を確認します。
- 労働保険概算・確定保険料申告書
- 賃金集計の根拠資料(賃金台帳等)
- 口座振替を利用する場合は振替依頼書(初回のみ)

電子申請の方法
freeeはe-Gov(電子政府)との連携に対応しており、申告書を電子申請することが可能です(freeeのe-Gov連携機能の最新仕様)。
- freeeの「手続き」または「申請」メニューから「労働保険年度更新」を選択します。
- 画面の指示に従い、集計済みの賃金データを入力します。
- 電子署名または識別番号を設定し、e-Govへ送信します。
- 受付番号を控え、処理状況をe-Govポータルで確認します。
電子申請は窓口への持参が不要で、7月10日の23:59まで送信可能です。ただし通信障害等のリスクを避けるため、余裕をもって申請することをおすすめします。
口座振替・分割納付のポイント
労働保険料は一括納付のほか、3回の分割払いが可能です(確定保険料+概算保険料が40万円以上または労災保険か雇用保険の一方のみの場合は20万円以上の場合)。

| 納付方法 | 第1期 | 第2期 | 第3期 |
|---|---|---|---|
| 分割納付期限 | 7月10日 | 10月31日 | 1月31日 |
口座振替を利用すると、第1期の納付期限が9月6日(年度により変動)に延長される場合があります。freeeの支払い管理機能と連携して、支払い漏れを防ぎましょう。
よくある質問(FAQ)
Q1. freeeで年度更新の申告書を直接作成・印刷できますか?
freee人事労務では賃金集計データの出力には対応していますが、申告書様式の直接作成機能については最新バージョンをご確認ください。申告書様式は厚生労働省のウェブサイトからダウンロードするか、労働局から郵送されるものを使用します。
Q2. パートタイム従業員の賃金も含める必要がありますか?
はい、雇用保険被保険者に該当するパート・アルバイト(週20時間以上かつ31日以上の雇用見込みがある方)の賃金は雇用保険料の算定対象に含まれます。労災保険については、雇用形態を問わずすべての労働者の賃金が対象です。
Q3. 申告期限の7月10日を過ぎてしまった場合はどうなりますか?
期限を超過すると、労働局が職権で保険料を決定し、追徴金(10%)が課される場合があります。また延滞金も発生します。気づいた時点でできるだけ早く申告・納付を行い、必要に応じて管轄の労働局へ相談してください。
手続きが不安な方はとうかいへ
労働保険の年度更新は、賃金集計のミスや申告漏れが起きやすい手続きのひとつです。社会保険労務士法人とうかい(愛知・名古屋)では、freeeの賃金データを活用した年度更新の申告代行から電子申請まで、ワンストップでサポートします。
「freeeを導入しているが年度更新のやり方がわからない」「申告書類の確認だけお願いしたい」といったご相談も歓迎です。まずはお気軽にお問い合わせください。

本記事の内容は執筆時点の情報をもとにしています。保険料率や申請手順は毎年変更される場合がありますので、最新情報は厚生労働省・e-Govの公式サイトおよびfreeeの公式ヘルプをご確認ください。


