社会保険労務士法人とうかいが、2025年(令和7年)施行の育児・介護休業法改正に伴い、マネーフォワード クラウド給与で必要な設定変更のポイントを解説します。2段階施行(4月・10月)のどちらが自社に影響するか、漏れなく確認してください。
この記事の監修
社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子
これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先450社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。
現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。
主な出演メディア
- NHK「あさイチ」
- 中日新聞
- 船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」
社会保険労務士 小栗多喜子のプロフィール紹介はこちら
https://www.tokai-sr.jp/staff/oguri/
取材・寄稿のご相談はこちらから

結論:2025年は「4月施行」と「10月施行」の2段階で対応が必要
令和6年(2024年)5月成立の改正育児・介護休業法(法律番号:平成3年法律第76号)は、2段階で施行されます。
| 施行日 | 主な内容 |
|---|---|
| 2025年4月1日 | 柔軟な働き方措置の義務化、子の看護等休暇の拡充、育児休業取得状況の公表義務拡大(300人超)、出生後休業支援給付金の創設 |
| 2025年10月1日 | 育児時短就業給付の創設(時短勤務中の新給付) |
マネーフォワード クラウド給与での対応が特に必要なのは次の3点です。
- 育児休業中の社会保険料免除設定の正確な管理
- 出生後休業支援給付金(2025年4月〜)への申請管理対応
- 育児時短就業給付(2025年10月〜)に向けた時短勤務設定の整備
このセクションのポイント
- 2025年の法改正は4月・10月の2段階で施行される
- 給与システムへの影響は「社会保険料免除」「給付金管理」「時短設定」の3点が核心
- 従業員数300人超の企業は育児休業取得状況の公表義務が新たに発生
2025年4月施行:マネーフォワード給与で確認すべき設定
社会保険料免除の処理を正確に行う
育児休業中の社会保険料免除は、健康保険法第159条・厚生年金保険法第81条の2に基づきます。2022年10月改正後のルールは以下のとおりです。
- 月額保険料:月末日に育児休業がある月が免除対象
- 賞与の保険料:育児休業期間が1か月超にわたる場合のみ免除
マネーフォワード クラウド給与では、従業員情報に育児休業の開始日・終了日を正確に登録することで、対象月の社会保険料が自動的に「0円」で計算されます。登録漏れや日付のズレがあると、保険料を過剰に控除してしまうため、休業開始・終了のタイミングで必ず確認してください。

出生後休業支援給付金(2025年4月1日〜)の管理
出生後休業支援給付金とは、父母ともに子の出生後8週間以内に14日以上の育児休業を取得した場合に、通常の育児休業給付(67%)に13%を上乗せして支給される新しい給付金です(根拠:子ども・子育て支援法等の一部を改正する法律・令和6年法律第47号)。
手取りベースでの実質給付率:
- 育児休業給付(67%)+出生後休業支援給付金(13%)+社会保険料免除相当(約10%)
- = 手取りで約80%相当
マネーフォワード給与での対応ポイント:
- 給付金はハローワークへの申請で支給されるため、給与計算システムへの直接の影響はありません
- ただし、「父母ともに14日以上取得」という条件管理を勤怠・従業員記録で正確に把握しておくことが重要です
- マネーフォワード クラウド社会保険と連携している場合は、電子申請との連携設定を確認してください
このセクションのポイント
- 育児休業の開始日・終了日の登録精度が社会保険料免除の正確性に直結する
- 出生後休業支援給付金は給与計算には影響しないが、父母両方の休業管理が必要
- 賞与の保険料免除は「1か月超の育休」が条件(誤りが多い)
2025年10月施行:育児時短就業給付への備え
時短勤務設定を今から整備する
育児時短就業給付とは、2歳未満の子を育てながら時短勤務をしている場合に、賃金低下分の10%相当が支給される新給付です(2025年10月1日施行)。
マネーフォワード クラウド給与で今から準備すべき点:
通常勤務時と時短勤務時の賃金を区別して管理できる体制を作る:給与履歴から比較できるよう記録を整備しておく
時短勤務者の所定労働時間を従業員情報に正確に登録する:給付申請の際に「時短前の賃金」と「時短後の賃金」の差額が根拠となるため

就業規則・労使協定の整備も並行して進める
法改正に対応した就業規則・育児介護休業規程の改定が追いついていない会社は、給与システムの設定変更と並行して規程の見直しも必要です。社会保険労務士法人とうかいでは規程整備のサポートも行っています。
このセクションのポイント
- 育児時短就業給付(2025年10月〜)に備え、時短勤務者の賃金管理を整備する
- 就業規則・育児介護休業規程の改定と給与システム設定は同時に進める
社会保険労務士法人とうかいからのアドバイス
- 「育休中就業」の管理を徹底する:育児休業中に一時的に就業した場合(育休中就業制度)、就業時間・日数が一定以上になると育児休業給付金が減額・停止されます。マネーフォワード上で育休中就業の勤怠を通常就業と混在させないよう注意してください。
- 申請手続きの期限管理:育児休業給付金の支給申請は2か月ごとにハローワークへ提出が必要です。支給単位期間ごとの申請を失念しないよう、管理リストを整備してください。
- 300人超の会社は公表義務への対応も必須:2025年4月から従業員数300人超(常時雇用)の企業は男性育児休業取得率等の公表義務が発生します(育児・介護休業法第22条の2)。厚労省の「両立支援のひろば」への登録をあわせて確認してください。
このセクションのポイント
- 育休中就業の勤怠は通常勤怠と分けて管理する
- 給付申請の2か月ごとの期限管理を徹底する
- 従業員数300人超は2025年4月から公表義務が発生
よくある質問(FAQ)
2025年の育児・介護休業法改正で給与計算の処理が複雑になりますか?
直接の給与計算への影響は限定的です。
最も重要な対応は、育児休業の開始・終了日の正確な登録と、社会保険料免除の管理です。新給付(出生後休業支援給付金・育児時短就業給付)はハローワークへの申請手続きで管理されます。
Q. 子の看護等休暇が小学校3年生修了まで拡大されましたが、マネーフォワード上の設定は変わりますか?
勤怠区分の設定変更が必要になる場合があります。
「看護休暇」の対象年齢範囲を更新し、新たに「入学式・卒業式」等の取得事由にも対応できるよう勤怠コードの確認を推奨します。
育児休業取得状況の公表義務はいつから、どこで公表すればよいですか?
従業員数300人超の企業は2025年4月1日以降の事業年度から義務が発生します。
従業員数300人超の企業は2025年4月1日以降の事業年度から義務が発生します。公表先は自社ホームページまたは厚生労働省が運営する「両立支援のひろば」(https://ryouritsu.mhlw.go.jp/)です(育児・介護休業法第22条の2)。
まとめ
2025年の育児・介護休業法改正でマネーフォワード クラウド給与に関わる主な対応は、社会保険料免除の日付管理の精度向上と、10月施行の育児時短就業給付に向けた時短勤務設定の整備です。規程改定・公表義務対応と合わせてご不明な点は社会保険労務士法人とうかいにご相談ください。
監修:社会保険労務士法人とうかい 社会保険・労務管理の専門家として、育児・介護休業法の法改正対応・規程整備を支援しています。
参考資料
- 厚生労働省 育児・介護休業法について:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000130583.html
- 厚生労働省 育児休業取得状況公表義務の拡大:https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/000103533_00006.html

無料相談・お問い合わせ
初回無料相談実施中!お気軽にお問い合わせください。