この記事の監修
社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子
これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先450社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。
現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。
主な出演メディア
- NHK「あさイチ」
- 中日新聞
- 船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」
社会保険労務士 小栗多喜子のプロフィール紹介はこちら
https://www.tokai-sr.jp/staff/oguri/
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毎年7月の義務的手続き、準備はできていますか?
毎年7月は社会保険の「算定基礎届(定時決定)」の提出シーズンです。この手続きは全事業主に義務付けられており、従業員の標準報酬月額を1年に1度見直すための重要な書類です。
提出期限は例年7月1日〜7月10日と非常に短く、提出に向けた準備は6月末までに完了させる必要があります。freeeを活用すれば、給与データから自動で集計・書類作成が行えるため、手作業によるミスや転記の手間を大幅に削減できます。本記事では、freeeを使った算定基礎届の作成から提出までの流れを詳しく解説します。

算定基礎届(定時決定)とは
算定基礎届は、毎年4月・5月・6月に従業員に支払った報酬を届け出ることで、その年の9月から翌年8月までの標準報酬月額を決定するための書類です。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 正式名称 | 健康保険・厚生年金保険 被保険者報酬月額算定基礎届 |
| 提出先 | 日本年金機構(管轄の年金事務所)または年金機構の電子申請窓口 |
| 提出期限 | 毎年7月1日〜7月10日 |
| 対象者 | 7月1日現在の全被保険者(一部除外規定あり) |
| 反映時期 | 同年9月〜翌年8月分の保険料 |
標準報酬月額は健康保険料・厚生年金保険料の算出基準であり、将来の年金額にも影響します。4月・5月・6月の給与データが正確に反映されているかが、算定基礎届の正確性を左右します。
freeeで算定基礎届を作成する手順
STEP 1:4月・5月・6月の給与データを確認する
算定基礎届の元データとなる4月・5月・6月の給与計算が、freeeで正確に完了しているかを確認します。チェックすべきポイントは以下のとおりです。
- 基本給・各種手当(通勤手当・役職手当・固定残業代等)が正しく反映されているか
- 賞与・臨時報酬が「随時改定(月額変更届)」対象でないか確認する
- 欠勤控除・時間外手当に集計ミスがないか
- 4月・5月・6月のうち支払基礎日数が17日未満の月は除外する(パートは特例あり)
STEP 2:算定基礎届の作成メニューを開く
freeeの「手続き」または「社会保険手続き」メニューから、「算定基礎届を作成」を選択します。対象年度と提出月を確認し、対象となる従業員一覧が正しく表示されているかを確認してください。

STEP 3:報酬月額の自動集計結果を確認する
freeeが給与データをもとに4月・5月・6月の報酬を自動集計し、平均額(算定基礎月額)と標準報酬月額の等級を表示します。
確認すべき主な項目は以下のとおりです。
- 各月の報酬額:給与明細の支給合計と一致しているか
- 支払基礎日数:各月ごとに正しく反映されているか
- 除外月の設定:支払基礎日数が17日未満の月が正しく除外されているか
- 標準報酬月額の等級:自動算出された等級が正しいか
STEP 4:特殊ケースの手動修正を行う
育休中・産休中の従業員や、月途中採用の従業員など、自動集計だけでは対応しきれない特殊なケースは手動で修正が必要です(詳細は次セクションで解説)。

STEP 5:書類を確認し申請する
全従業員の内容を確認したら、書類をPDFで出力して印刷・郵送するか、e-Gov連携で電子申請します。電子申請にはGビズIDが必要です。
特殊なケースの扱い
育休中・産休中の従業員
産前産後休業・育児休業中で4月〜6月の給与支払いがない(または少ない)従業員については、算定基礎届の対象者から除外されるか、特別な記載が必要です。
- 産休・育休で給与が0円の場合:標準報酬月額の算定対象外となる場合があります
- 育休から復帰して短時間勤務になった場合:「育児休業等終了時月額変更届」の対象になる場合があります
月途中採用・月途中退職の従業員
4月〜6月の途中に入社した従業員は、実際に勤務した月のみが算定対象となります。支払基礎日数が17日以上ある月を対象として計算します。

低額報酬月がある従業員
育休・産休・長期休業以外の理由で17日未満しか勤務していない月がある場合も、その月を除外した残りの月で平均を計算します。3ヶ月すべてで17日未満の場合は、前年度の標準報酬月額を使用するなど特別なルールがあります。

電子申請の方法
freeeとe-Govの連携設定が完了していれば、算定基礎届もオンラインで申請できます。
- STEP 5の確認画面で「電子申請する」ボタンをクリック
- GビズIDでログイン認証を行う
- 申請データの内容を最終確認し「送信」ボタンをクリック
- 受付番号を控え、処理完了まで申請状況を確認する
電子申請は年金事務所の窓口に出向く手間がなく、7月10日のギリギリでも申請可能なため非常に便利です。ただし、GビズIDの取得や連携設定は事前に済ませておく必要があります。
よくあるミスと注意点
① 4月・5月・6月の給与データの反映漏れ 算定基礎届は4月〜6月の給与データをもとに作成するため、この期間の給与計算を正確に完了させておくことが大前提です。月次給与の締め処理が遅れると算定基礎届の作成も遅れるため、6月末の給与計算を早めに完了させましょう。
② 通勤手当・住宅手当の含め忘れ 標準報酬月額の算定では、通勤手当・住宅手当・食事手当など現物給与も含めることが原則です。freeeの給与設定で各手当が「報酬」として正しく分類されているか確認してください。
③ 支払基礎日数の計算ミス 月給制の場合は暦日数が支払基礎日数、日給・時給制の場合は実際の勤務日数が基準になります。雇用形態ごとに計算方法が異なるため、混在している事業所は特に注意が必要です。
④ 提出期限(7月10日)の見落とし 提出期限は例年7月10日(土日の場合は翌平日)です。電子申請なら当日でも間に合いますが、窓口持参の場合は閉庁時間に注意が必要です。freeeのカレンダー機能や社内リマインダーを活用して期限管理を徹底しましょう。

よくある質問(FAQ)
Q1. 算定基礎届を提出しないとどうなりますか?
算定基礎届は社会保険法に基づく義務的な届出です。未提出の場合、年金事務所が職権で標準報酬月額を決定することがあり、実態と異なる保険料が設定されるリスクがあります。また、指導・調査の対象になる場合もあるため、必ず期限内に提出してください。
Q2. 4月〜6月に大きな給与変動があった場合はどうすればよいですか?
算定基礎届の計算結果が前年度から2等級以上変動している場合、随時改定(月額変更届)との関係を確認する必要があります。ただし、算定基礎届と月額変更届の両方が重なる場合はどちらを優先するかのルールがあるため、詳細は社労士にご相談ください。
Q3. freeeで算定基礎届を作成する際、給与計算が他のシステムの場合でも使えますか?
freeeで給与計算を行っている場合はデータが自動連携されますが、他システムで給与計算を行っている場合はCSVインポートや手動入力が必要になることがあります。インポート可能な形式やフォーマットについては、freeeのサポートページでご確認ください。
手続きが不安な方はとうかいへ
社会保険労務士法人とうかいは、愛知県・名古屋市を中心に、算定基礎届をはじめとした社会保険の年次手続きを幅広くサポートしています。freeeを活用した給与計算代行・社会保険手続き代行により、貴社の事務作業を大幅に削減することが可能です。
「算定基礎届の作成方法がわからない」「育休中社員の扱いが複雑で不安」「毎年7月の手続きが間に合わない」といったお困りごとは、ぜひとうかいへご相談ください。愛知県・名古屋市の事業者様の社会保険手続きを、専門家が丁寧にサポートいたします。



