この記事の監修
社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子
これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先450社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。
現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。
主な出演メディア
- NHK「あさイチ」
- 中日新聞
- 船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」
社会保険労務士 小栗多喜子のプロフィール紹介はこちら
https://www.tokai-sr.jp/staff/oguri/
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はじめに:昇給・降給のタイミングに要注意
従業員の給与が変わったとき、標準報酬月額もあわせて見直す必要がある場合があります。それが「随時改定(月額変更届)」です。
特に注意したいのは申請タイミングです。随時改定の対象となる給与変動が発生した月から数えて、翌々月の標準報酬月額改定になるため、申請が1か月でも遅れると保険料の過不足が生じます。
freeeを活用すれば、対象者の抽出から書類作成・電子申請まで一連の作業を効率よく進められます。本記事では、社会保険労務士法人とうかい(愛知県)がfreeeを使った月額変更届の処理手順を詳しく解説します。

月額変更届(随時改定)とは
随時改定が必要になる3つの要件
月額変更届(随時改定)は、定時決定(算定基礎届)とは別に、年の途中で標準報酬月額を改定する手続きです。以下の3つの要件をすべて満たす場合に必要となります。
- 固定的賃金の変動があったこと(昇給・降給・手当の新設・廃止など)
- 変動月から3か月間の報酬月額の平均が、現在の標準報酬月額と比較して2等級以上の差が生じた
- 変動後3か月間に支払い基礎日数が17日以上(短時間労働者は11日以上)ある月が連続している

随時改定の改定月
固定的賃金が変動した月を起算として3か月分の報酬を計算し、その翌月(4か月目)から改定後の標準報酬月額が適用されます。
例:4月に昇給 → 4・5・6月の報酬を集計 → 7月から新しい標準報酬月額が適用
freeeで随時改定の対象者を確認する方法
freeeでは、給与データをもとに随時改定の対象者を確認できます。
- freeeの管理画面にログインします
- 「社会保険」または「手続き」メニューを開きます
- 「月額変更届」または「随時改定」の項目を選択します
- 対象期間と対象従業員を絞り込むと、2等級以上の差が生じている従業員が一覧表示されます
なお、freeeが自動で対象者を抽出するには、給与計算データが正確に入力されていることが前提です。固定的賃金の変更が正しく登録されているか事前に確認してください。
freeeで月額変更届を作成する手順
STEP 1:給与・賞与データの確認
変動月から3か月分の給与データがfreeeに正確に入力されているか確認します。遡って修正が必要な場合は、この段階で対応しておきます。
STEP 2:月額変更届の作成画面を開く
freeeの「手続き」または「社会保険」メニューから「月額変更届を作成する」ボタンをクリックします。
STEP 3:対象従業員と対象期間を設定する
随時改定の起算月(固定的賃金が変動した月)と対象従業員を選択します。freeeが3か月分の報酬月額を自動集計し、改定後の標準報酬月額の等級を算出します。

STEP 4:内容を確認・修正する
自動計算された標準報酬月額の等級が正しいか確認します。支払い基礎日数、算入すべき手当の種類(通勤手当など)に漏れや誤りがないかチェックします。

STEP 5:書類を作成・保存する
内容に問題がなければ書類を作成します。freeeから直接電子申請するか、PDFで出力して管轄の年金事務所へ提出するかを選択します。
freeeからの電子申請方法
freeeはe-Gov連携に対応しており、月額変更届を電子申請することができます。
- e-Gov連携の初期設定が完了していることを確認します(GビズIDまたは電子証明書が必要)
- 月額変更届の作成画面から「電子申請する」ボタンをクリックします
- 申請内容を最終確認し、送信します
- e-Govの受付完了通知を確認します

電子申請の設定がまだの方は、先にe-Gov連携設定を行う必要があります。詳しくは「freeeのe-Gov連携設定ガイド」をご参照ください。
よくあるミスと注意点
注意点①:固定的賃金の変動かどうかの判断
随時改定の対象となるのは「固定的賃金」が変動した場合です。残業代など変動給(非固定的賃金)の増減だけでは随時改定の対象にはなりません。
- 対象となる変動:基本給の昇降給、職務手当・家族手当などの新設・廃止・増減、通勤手当の変更など
- 対象とならない変動:時間外手当・精勤手当・能率手当など変動給のみの増減
注意点②:昇給と降給が同月にある場合
固定的賃金の一部が上がり、別の部分が下がるケースでは、「上昇」と「下降」の判断が複雑になります。原則として、固定的賃金の変動方向(増か減か)と、報酬月額の平均の変動方向が一致している場合のみ随時改定の対象です。

注意点③:申請期限
月額変更届には法定の提出期限(速やかに)が定められています。遅延すると健康保険・厚生年金保険料の計算誤りが続くため、固定的賃金の変動が確定したら速やかに手続きを進めましょう。

よくある質問(FAQ)
Q1. 随時改定と算定基礎届が重なった場合、どちらが優先されますか?
A. 原則として算定基礎届による定時改定が優先されます。ただし、随時改定の方が算定基礎届の翌月以降に効力が発生する場合など、状況によって取り扱いが異なります。具体的なケースは社会保険労務士に確認されることをお勧めします。
Q2. freeeで随時改定の対象者が自動表示されないのはなぜですか?
A. 給与データの入力漏れや、固定的賃金の変更が正しく登録されていない可能性があります。給与明細・賃金台帳のデータを確認し、必要に応じて修正してください。それでも解決しない場合はfreeeサポートまたは社会保険労務士にご相談ください。
Q3. 月額変更届の提出先はどこですか?
A. 事業所の所在地を管轄する年金事務所(または健康保険組合)です。freeeから電子申請する場合は、e-Gov経由で自動的に送付されます。
手続きが不安な方はとうかいへ
月額変更届(随時改定)は、対象者の判断や申請タイミングの見極めが難しく、ミスが生じると保険料の過不足につながります。
社会保険労務士法人とうかい(愛知県・名古屋市周辺)では、freeeを活用した給与計算代行・社会保険手続き代行サービスを提供しています。随時改定の対象者チェックから電子申請まで、専門家が一括してサポートいたします。
「随時改定の対象者がわからない」「freeeの操作に不安がある」という方は、ぜひとうかいへお気軽にご相談ください。



