借金の返済が進まないと、利息が膨らみますます返済が苦しくなってしまいます。
借金の返済を進めるには、まず現状を把握し、計画的に元本を減らしていくのが重要です。
本記事では、借金が増えてきて返済が苦しくなっている、いくら借りているかよく分からないと悩んでいる人に向けて、借金返済のコツを5つ解説します。
借金の返済をする上で悪手となるNG行動や、どうしても返済が厳しい場合の対処法も紹介。
借金問題の相談先も紹介するので、借金のストレスから解放されたい人はご覧ください。
借金返済をするには収支の把握から始めよう
借金返済の第一歩は、収支の把握です。
具体的なコツを実践する準備として、以下を行いましょう。
- 借入先と借入金額・返済額・金利を洗い出す
- 支出を細かい項目ごとに分類し、毎月いくら使っているのかを把握する
- 新たな借り入れをストップする
特に重要なのが、支出の把握です。
借金返済の原則は、できるだけ余剰資金を作って返済に回すことです。
そのためには毎月いくら使っているを把握し、削れる支出を明らかにしなければなりません。
例えば「食事代」と一括りにするのではなく、自炊用の買い物と外食に分ける、外食の中でも飲み会は交際費として別で計算するのも一案です。
他には、サブスク代はサービスごとの料金に分けて記録しましょう。
細かく支出を洗い出してみると、意外とお金を使っている項目があるのに気づくはずです。
現状を把握して初めて、借金返済の方針を立てられます。
借金を返済する5つのコツ!完済に向けてできることから地道に始めよう
現状を把握したら、以下の5つを実践しながら借金の返済を進めましょう。
- 固定費を減らす
- 副業で収入を増やす
- 繰上返済をする
- 優先順位を付けて返済する
- 借り換えローン・おまとめローンを使う
上記は余剰資金を作る方法や返済を早める方法、返済負担を減らす方法などいくつかの切り口に分かれています。
自分にできるものから、無理のない範囲で実践しましょう。
毎月発生する固定費を削る
支出を減らす際には、毎月発生する固定費を削れないか考えるのが効果的です。
削りやすい固定費の例として、以下が挙げられます。
- 通信費(携帯・Wi-Fi)
- 民間保険
- サブスクサービス(音楽・動画)
- ジム代
例えば携帯電話代は、格安SIMに切り替えるだけで月に数千円を節約できます。
使っていないサブスクサービスの月額料金は、無駄な出費の代表例です。
解約に抵抗があるなら、ダウングレードしてみたり、一度解約してみて、やはり必要であれば再契約したりといった方法を試してみましょう。
固定費ではありませんが、外食を減らして自炊に切り替えるのも重要です。
上記の出費を減らすだけで、月に10,000円前後の余裕を生み出せます。
副業を始めて返済のための資金を増やす
出ていくお金を減らすだけでなく、副業で収入を増やすアプローチもあります。
借金を早く返すためには、初期投資が少なく、比較的早くお金が入る次のような副業がおすすめです。
- せどり
- フードデリバリー
- 単発バイト
- フリマアプリで不用品を売る
上記はいずれもすきま時間にできて、お金が入ってくるまでのスパンも短いものばかりです。
一方YouTubeやアフィリエイトは、当たれば大きな収入が期待できるものの、収益が発生するまでの期間が長く、必ず収益化できる保証もありません。
スキル不要でできる副業として、ポイ活やアンケートモニターも人気ですが、単価が低いため借金返済の足しにするには心もとないです。
借金返済という目的を見失わず、自分にできるものから始めましょう。
臨時収入があったタイミングで繰り上げ返済をする
繰上返済(臨時返済・任意返済)は、借金を早く完済する最も有効な方法です。
繰上返済を行うメリットは、以下の通りです。
- 返済期間が短縮される
- 支払う利息が減る
繰上返済で支払ったお金は、すべて元金に充当されます。
利息は元本に対して毎日発生するので、早く・多く返済するほど効果が大きくなります。
ただし繰上返済を行っても、通常の返済(約定返済)はスキップされないため、次の返済分のお金は残しておかなければなりません。
そのため繰上返済は、ボーナスや副業収入などの臨時収入が入ったときや、約定返済をしてもお金に余裕があるときに行うのがおすすめです。
優先順位を付けて効率的に返済を進める
返済する借金に優先順位を付けるのも、効率的に返済を進めるポイントです。
優先的に返済を進めるべき借金は、以下の3つです。
- 金利が高い借金
- 担保や家族を保証人とする借金
- 少額ですぐに返せる借金
金利が高い借金は、毎月の返済額に占める利息の割合が多いため、返済がなかなか進みません。
返済総額も高くなるため、繰上返済を利用しながら優先的に返済するべきです。
担保や家族を保証人としている借金は、返済が遅れてしまった場合のダメージが大きいです。
繰上返済もよいですが、少なくとも返済が遅れないようしっかりと管理しましょう。
少額の借金であれば、すぐに返済してしまった方が管理の手間も減り、精神的にも余裕が生まれます。
少額と感じる金額は人それぞれですが、数万円以内であれば繰上返済で一気に完済してしまうのもおすすめです。
借り換えローン・おまとめローンを活用して金利や管理の手間を減らす
借り換えローンやおまとめローンを使って、金利や管理の手間を減らす方法もあります。
借り換えローンとは、今よりも低い金利の金融機関に借金を移し替える金融商品で、おまとめローンは複数の借り入れを一本化できる商品です。
仕組みとしては、新しい金融機関から借りたお金で既存の借金を返済し、以降は新しい借入先に返済をします。
借り換えローンやおまとめローンを使うと、金利が下がって利息負担が減り、場合によっては月の返済額を減らせる可能性もあります。
おまとめローンなら、返済日も一本化され管理が楽になるのもメリットです。
ただし以下の点に注意が必要です。
- 利用前には審査がある
- 返済額を減らしすぎるとかえって返済総額が高くなる
- 追加の借り入れはできない
借り換え・おまとめローンも借金には変わりないため、審査があり必ず利用できるわけではありません。
加えて、金利が下がったからといって返済額を減らしすぎると、返済が長期化しかえって返済総額が高くなる可能性があります。
借り換え・おまとめローンは返済を目的とした商品なので、追加の借り入れができない点も覚えておきましょう。
借金の返済中にやってはいけないNG行動
以下の行動は、借金返済に悪影響を与える可能性があるNG行動です。
- リボ払いを使う
- クレジットカード払いに頼る
- 借金の返済のために借金をする
- ギャンブルや投機で一発当てようとする
- クレジットカードを現金化する
- 過度に節約する
上記の行動は、目前の返済を切り抜けるためのその場しのぎであり、根本的な解決策ではありません。
かえって状況を悪くする可能性もあるため、何が問題なのかも併せて解説します。
リボ払いを使って毎月の支払額を抑えようとする
毎月の支払額を抑えられるからといって、リボ払いに頼るのはNGです。
リボ払いの金利は15%前後と高く、返済額を低くしすぎると元金が減らず、返済の長期化や利息負担の増加につながります。
例えば10万円の買い物を利息15%のリボ払いで返済する場合、月の返済額を3,000円にすると完済までに約3年8ヶ月かかり、利息だけで32,000円の負担です。
追加で買い物をするとさらに返済期間と利息負担が大きくなり、いわゆる「リボ払い地獄」に陥る可能性があります。
一括で購入できない買い物は、自分の身の丈に合っていません。
借金を完済するまでは、収入以上の買い物をしない心がけが重要です。
クレジットカード払いに頼って支払いを先延ばしにする
クレジットカードは賢く使えば便利ですが、使い方に注意が必要です。
特に、支払いを先延ばしにする目的でクレジットカードを使っている人は要注意です。
支払いを先延ばしにしたいということは、家計が自転車操業になっている可能性があります。
クレジットカードは現金払いに比べ、お金を使っている実感を持ちにくいため、浪費癖のある人は現金払いの割合を増やすといった工夫が必要です。
とはいえクレジットカードには利用履歴が残り、支出の管理に便利な面もあるため、カード払い自体が悪いわけではありません。
クレジットカードを使う目的が、その場しのぎになっていないかを考えながら使いましょう。
借金の返済のために新たにお金を借りる
借金の返済のために新たな借金をするのは、根本的な解決になっていないばかりか、むしろ状況を悪化させかねません。
借金を借金で返すため借入残高は減らず、金利によってはさらに返済の負担が重くなります。
借金を借金で返済する場合、通常は別の金融機関から借りるため、借入件数も増え管理の負担も大きくなります。
さらに翌月には、新たな借金の返済も行わなければなりません。
お金を工面できなければ、また借金を重ねる負のスパイラルにはまり、やがて多重債務に陥ってしまいます。
取り返しのつかない状況となる可能性があるため、借金返済のための借金はやってはいけません。
ギャンブルや投機で一発当てようとする
借金返済の原資を、ギャンブルや株式・FXなどの投機でまかなおうとする考えは危険です。
確かに当たれば借金の返済もできますが、必ず当たる保証はなく、負ければさらに返済が苦しくなります。
負けが続いた場合、負け分を取り返さないと気が済まず、さらにギャンブルにのめり込んでしまう可能性があります。
これは「サンクコスト(埋没費用)」と呼ばれており、科学的に証明された人間の心理的傾向です。
逆に、もし勝てたとしても、最終的にはお金を失う可能性が高いです。
初めは「返済に必要な分儲けたら辞めよう」と思っていても、勝ったら気分がよくなり歯止めが利かなくなる人は多くいます。
つまり、負けるまで勝負をしてしまうのです。
もっとも、借金返済のためにギャンブルや投機をするとなると、勝たなければならないプレッシャーも大きく、冷静な判断が難しくなります。
娯楽で行うならまだしも、借金返済の手段としては悪手です。
クレジットカードを現金化してお金を捻出する
クレジットカードの現金化は、カード会社の利用規約で禁止されているためやってはいけません。
現金化の方法には、買取型とキャッシュバック型の2つがあります。
- 買取型:商品を購入し業者に転売し、現金を受け取る
- キャッシュバック型:商品やサービスを購入し、特典としてキャッシュバックを受ける
どちらも自分のクレジットカードを使うため、翌月には代金を支払う必要があります。
さらに現金化では手数料を引かれるケースがほとんどで、支払った代金の全額を受け取れるわけではありません。
結局は損をしており、さらに債務負担を増やす行為です。
クレジットカードを現金化すると、カードを強制解約させられるだけでなく、現金化の業者は悪質である可能性があり、犯罪に巻き込まれるリスクもあります。
現金化については、国の機関も注意喚起をしており、上記のスキームを持ちかけられても手を出してはいけません。
過度な節約に走ってストレスを溜める
借金返済のために節約は大切ですが、やりすぎには注意が必要です。
無理な節約は続かないだけでなく、体調を崩す可能性があるためです。
過度な節約の例としては、以下が挙げられます。
- 真夏・真冬なのにエアコンを使わない
- 食事の量や回数を減らして食費を切り詰める
これらの行動は、体調不良による医療費で結局節約にならなかったり、反動から暴飲暴食につながったりする可能性があります。
支出を減らす際は、無駄な出費と必要な出費の線引きが重要です。
借金はいくらからヤバいと思われる?
「借金は○○万円以上からヤバい」と一概にはいえません。
人それぞれ収入や生活水準が異なり、借金の金額だけでは判断できないためです。
しかし目安として、年収の1/3以上の借金があると「ヤバい」可能性があります。
年収の1/3とは、貸金業法の総量規制で、貸し付けの限度額として設定されている数字です。
消費者金融などの貸金業者は、すでに年収の1/3以上借りている人には新たに融資ができません。
これは利用者を多重債務から守るためですが、裏を返すと年収の1/3以上の借金があると多重債務に陥る可能性があります。
すでに年収の1/3以上の借金がある人は、本格的に返済計画を考えましょう。
【借入金額別】借金返済までの道のりをシミュレーション
以下の借入金額ごとに、借金返済までの道のりをシミュレーションしました。
- 50万円以下
- 50~100万円
- 100~200万円
完済までの道筋が見えれば、返済に向けてアクションを起こす気力が湧いてくるものです。
以下の内容を参考に、自分なりのアレンジも加えながら、できることから実践しましょう。
50万円以下の場合
借金の総額が50万円までの場合、月の返済額は15,000円以上、3~4年以内の完済を目指しましょう。
50万円までの借り入れの金利は、18%が一般的です。
以下は、金利18%で50万円を借りた際の返済シミュレーションです。
月の返済額 | 返済回数 | 返済期間 | 総支払額 | 支払利息 |
---|---|---|---|---|
10,000円 | 94回 | 約7年10ヶ月 | 940,000円 | 440,000円 |
15,000円 | 47回 | 約3年11ヶ月 | 705,000円 | 205,000円 |
20,000円 | 32回 | 約2年8ヶ月 | 640,000円 | 140,000円 |
30,000円 | 20回 | 約1年8ヶ月 | 600,000円 | 100,000円 |
月10,000円の返済では、完済までに8年弱かかり、利息を合わせると返済総額は約2倍になるため現実的ではありません。
最低でも15,000円、可能であれば20,000円以上捻出したいところです。
月20,000円であれば、節約や副業による収入で十分まかなえます。
50~100万円の場合
借入額が100万円のときは、上限金利が15%になります。
月の返済額は3万円以上、返済期間は2~4年が目標です。
金利15%で100万円を返済する際のシミュレーション結果は、以下の通りです。
月の返済額 | 返済回数 | 返済期間 | 総支払額 | 支払利息 |
---|---|---|---|---|
30,000円 | 44回 | 約3年8ヶ月 | 1,320,000円 | 320,000円 |
50,000円 | 24回 | 約2年 | 1,200,000円 | 200,000円 |
70,000円 | 16回 | 約1年4ヶ月 | 1,120,000円 | 120,000円 |
5万円程度であれば、節約や副業で工面できる範囲ではあるものの、月の収支によっては捻出が厳しい可能性もあるため、遅くても5年以内の完済を目指しましょう。
100万円近く借りている場合、年収は最低でも300万円以上ないと返済が難しい恐れがあります。
100~200万円の場合
借入額が200万円までの場合も、上限金利の15%が適用されます。
月の返済額は5万円以上、5年以内の完済が目安です。
200万円を金利15%で借りた際の返済シミュレーションは、以下の通りです。
月の返済額 | 返済回数 | 返済期間 | 総支払額 | 支払利息 |
---|---|---|---|---|
50,000円 | 56回 | 約4年8ヶ月 | 2,800,000円 | 800,000円 |
70,000円 | 36回 | 約3年 | 2,520,000円 | 520,000円 |
100,000円 | 24回 | 約2年 | 2,400,000円 | 400,000円 |
引っ越しで家賃を下げる工夫もありますが、自力で返済するには節約だけでは難しく、収入アップもほぼ必須です。
借金が200万円になると、支払利息も高額になりやすいため、任意整理による利息カットが視野に入ってきます。
借金返済がきついときは債務整理を検討しよう
借金の返済がきついと感じるなら、債務整理を選択肢として持っておきましょう。
債務整理とは、法律に則って債務の負担を軽減するための手続きで、以下の4つがあります。
- 任意整理
- 個人再生
- 自己破産
- 特定調停
債務整理を行うと、利息のカットや元本の軽減などができ、手続きの種類によって減額の効果やメリット・デメリットが異なります。
このうち特定調停を除いた3つについては、弁護士や司法書士の専門家に依頼するのがベターです。
なおどの債務整理を行ったとしても、信用情報機関には事故情報が記録されます。
手続き後5~10年はクレジットカードやローンの審査に通りにくくなる点は、すべての手続きに共通するデメリットです。
債務整理についてもっと詳しく知りたい人は、債務整理のおすすめ法律事務所ランキングの記事を参考にしてみてください。
任意整理は将来の利息をカットする手続き
任意整理とは債権者と交渉して主に将来の利息をカットしてもらう手続きです。
債務整理の中で唯一裁判所を通さない手続きで、債務整理を検討する際は任意整理で解決できないかを検討するのが一般的です。
任意整理後は、元本を原則3年(最長5年)かけて返済していきます。
利息を払いすぎている場合(過払い金)は、払いすぎた分元本に充当して借金を減額できる可能性もあります。
任意整理のメリット・デメリット
任意整理のメリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・財産の処分をしなくてよい ・周りにバレにくい ・専門家費用が安い |
・他の手続きより借金の減額効果が少ない |
任意整理の大きなメリットは、生活への影響を少なく抑えられる点です。
財産を処分する必要もなく、専門家費用も債権者1社につき最低2~5万円で依頼できます。
借入残高が多くなるほど利息負担も重くなるので、利息がなくなるだけでも返済負担は軽くなります。
一方過払い金がない限り元本は減らせないため、他の債務整理と比べると効果は小さめです。
利息カットだけでは返済が難しい場合は、個人再生や自己破産の検討が必要です。
任意整理に向いている人
以下に当てはまる人は、任意整理に向いています。
- 収入があり、利息がなければ返済できる見込みがある
- 財産を処分したくない
- 周りにバレたくない・迷惑をかけたくない
任意整理は現在の生活を変えずに借金問題を解決したい人におすすめです。
任意整理は当事者間の合意で進める手続きなので、郵便物などで周りにバレる心配も不要です。
合意した通りに返済を進めていれば、保証人に請求もいかず、家族に保証人がいる人にも向いています。
元本の返済は必要なため、安定した収入は求められますが、働いて収入のある人なら問題ありません。
個人再生は借金を最大1/10に減らせる
個人再生は借金を1/5から最大1/10まで減らせる手続きです。
借金を大幅に減額しつつも住宅は残せるなどの特徴があり、イメージとしては任意整理と自己破産の中間に位置します。
任意整理との違いは、裁判所を通して行う手続きである点と、元本を減らせる点です。
裁判所に借金の返済に関する「再生計画」を提出し、認可を受ければ計画案に沿って減額後の借金の返済を進めます。
任意再生よりも減額効果は大きいものの、制限も大きくなるので、以下で詳しく見ていきましょう。
個人再生のメリット・デメリット
個人再生のメリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・借金を最大1/10に減額できる ・住宅を残せる ・ローン完済後であれば車も残せる |
・100万円以下の借金では使う意味がない ・専門家費用が高い ・保証人に迷惑がかかる可能性がある |
個人再生で減額できる幅は、住宅ローンを除いた借金の額によって決まっています。
住宅ローンを除いた債務が100万円~5,000万円の人が利用でき、減額後の債務は100~500万円です。
減額効果は借金が3,000万円超~5,000万円以下の場合に最大となり、1/10に圧縮されます。
住宅ローン特則を利用すると、住宅を処分せず手続きを進められる点が、自己破産と比較した際のメリットです。
ただし債務が100万円未満の場合は、減額効果がないため任意整理をする方が合理的です。
加えて減額した分の借金は、保証人に請求がいく可能性があります。
家族に保証人がいると、迷惑をかけてしまう恐れがあるので、慎重な検討が必要です。
個人再生に向いている人
個人再生に向いている人は、以下の通りです。
- 任意整理では解決が難しい
- 借金が100万円以上ある
- 家族に保証人がいない
借金が100万円以上あり、任意整理では完済が難しい人は、個人再生を検討しましょう。
ただし借金がおおむね100~200万円の場合、任意整理とどちらが減額効果があるのか際どいため、弁護士や司法書士に相談するのがおすすめです。
個人再生で減額された分の借金は、保証人に請求がいく可能性はありますが、家族に保証人がいなければ心配はありません。
借金を大きく減らしたいものの、家を手放したくない人には、自己破産ではなく個人再生が向いています。
自己破産をするとすべての借金の返済を免除できる
自己破産はすべての借金を免除してもらう手続きです。
債務整理の中でも有名であり「借金が帳消しになる」とインパクトのある制度なだけに、デメリットについて誤解も多くあります。
例えば、巷でいわれる以下の噂はすべて誤解です。
- 年金が受け取れなくなる
- 会社にバレる・解雇される
- ローンや賃貸の審査に一生通らない
以下で自己破産のメリットやデメリットを正しく理解し、冷静な判断をするための参考にしてください。
自己破産のメリット・デメリット
自己破産のメリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・借金がすべて免除される ・生活に必要な家財を残せる |
・家や車・保険などは処分・解約される ・税金や罰金などは免除されない |
自己破産は生活再建を目的とした制度のため、生活に必要な家財や現金は残せるなど再スタートを切るための配慮があります。
自己破産が必要になる状況は、借金返済がかなり苦しい状態です。
減額ではなく、借金がリセットされるのは、精神的にも大きな安心につながります。
ただし家や車、生命保険などお金に換えられる財産は処分しなければなりません。
加えて税金や罰金・養育費などは自己破産の対象外とされており、引き続き支払う義務は残ります。
自己破産に向いている人
自己破産に向いている人は、以下の通りです。
- 減額しても借金を返せる見込みがない
- 持ち家や車がない
- 生活保護を受けている人
自己破産ができる要件の一つは、返済が不能である点です。
返済不能かどうかは様々な要素を加味して判断され、収入に対してあまりにも借金が大きすぎる、収支が釣り合っていないケースが該当します。
自己破産のデメリットに財産の処分がありますが、逆にいうと処分する財産がなければこの点はデメリットではなくなります。
生活保護を受けている人は、法テラスで自己破産を行うと費用が無料になる点にも注目です。
生活保護を受けており、手続きの費用が捻出できないと思っていた人は、法テラスに相談しましょう。
特定調停は難易度は高いが費用が安い
特定調停とは裁判所の仲介のもと、利息の減免や分割払いについて債権者と交渉する手続きです。
他3つの債務整理と異なり、弁護士や司法書士に依頼せず債務者自身が直接手続きを行うケースが多いのが特徴です。
減額効果や手続きの内容、対象の債権者を選べる点で任意整理と似ていますが、裁判所を通す点で違いがあります。
手続きや交渉は非公開の場で行われるため、周りにバレる心配はありません。
特定調停のメリット・デメリット
特定調停のメリットとデメリットは、以下の通りです。
メリット | デメリット |
---|---|
・費用が安い ・法律に詳しくなくてもできる |
・成功率が低い |
特定調停は1件あたり500~1,000円で申し立てができ、債務整理の中では費用負担が最も少ない手続きです。
交渉の際は裁判所が選任した調停委員が間に入り、中立的な立場から進行や債権者への説得を行ってくれるため、自分が法律に詳しくなくても大きな問題となりません。
反面、令和6年の司法統計によると、特定調停の成功率は約15.7%であり、満足のいく結果に終わらない可能性があります。
専門家に依頼して任意整理を行うか、費用を安く抑えて特定調停を行うかは、慎重な判断が必要です。
参照:裁判所|令和6年 司法統計年報 第78表 調停既済事件数―事件の種類及び終局区分別
特定調停に向いている人
以下に当てはまる人は、特定調停に向いています。
- とにかく費用を抑えたい
- 元本をおおむね3年以内に返済できる見込み
特定調停でできるのは主に利息のカットのため、ある程度の収入があり元本を返せる見込みがあるのが前提です。
条件としては、任意整理ができる程度の経済力が求められます。
任意整理を専門家に依頼すると、数万円の費用がかかりますが、特定調停なら複数件申し立てても多くても数千円程度の負担で済みます。
どうしても専門家費用を捻出できない人は、特定調停で解決を図りましょう。
借金の返済が不能になるとどうなる?考えられるリスクとデメリットを紹介
借金が返済できないと、以下3つのリスクやデメリットがあります。
- 利息や遅延損害金が膨れ上がる
- 信用情報に傷が付く
- 財産を差し押さえられる
借金の返済が滞ることによって発生するメリットはありません。
事態が悪化する前に、返済や債務整理などの対策を打ちましょう。
ここからはリスクとデメリットについて詳しく解説していきます。
返済が遅れるほど利息や遅延損害金が膨れ上がる
借金の利息は毎日発生するため、返すのが遅れるほど膨れ上がります。
例えば金利18%で50万円を借りて、2年間全く返済しなかったときの利息は18万円です。
もし月3万円のペースで返済していれば、約1年8ヶ月で完済でき、利息負担は約10万円で済みます。
さらに、返済が遅れると翌日から遅延損害金が発生します。
消費者金融の遅延損害金の相場は20%で、利息よりも高く設定されているため、さらに返済負担が重くなる仕組みです。
利息と遅延損害金は重複して発生しませんが、延滞状態が続くと残金の一括返済を求められる可能性もあるので、早急に手を打たなければなりません。
信用に延滞の情報が記録されて傷が付く
借金の返済が滞ると、信用情報に延滞の旨が記録され、いわゆる「傷が付く」状態になります。
信用情報に傷が付くと、新たにローンやクレジットカードの審査に通りにくくなり、日常生活において不便が生じます。
債務整理をしても同じく事故情報が記録されますが、違いは事故情報が記録される期間です。
事故情報は、その状態が解消されてから一定期間が経つと削除される仕組みです。
返済が滞っている場合、延滞状態が解消されて初めてカウントがスタートするため、返済をしない限り記録は残り続けます。
債務整理の場合は、行った時点から5年から10年待てば削除されます。
そのため早く延滞状態を解消するか、債務整理を行わないと、いつまでも信用情報に傷が付いたままになってしまうのです。
この意味でも、返済が遅れている状態を放置するメリットはありません。
最悪の場合は給料や財産などが差し押さえられる
借金の返済が遅れると、最悪の場合財産を差し押さえられる可能性があります。
差し押さえがされるまでの流れは以下の通りです。
- 債権者から督促が届く
- 債権者が裁判を起こす
- 裁判で強制執行が認められると、差し押さえが実行される
いきなり差し押さえが実行されるわけではなく、債権者も初めは督促によって穏便に解決を図ります。
しかし督促を無視し続けると、債権者は裁判を起こし、強制的にお金を回収するので、ここまでくるのは深刻な状況だと理解しなければなりません。
給料や預貯金は差し押さえられる財産の代表例で、特に給料が差し押さえられると勤務先にもバレてしまいます。
同じ財産処分でも、例えば自己破産は会社にバレずに行うことも可能です。
借金を放置するよりは、債務整理によって早く解決を図る方がメリットがあります。
借金の返済がきついと感じたときの相談先
借金の返済がきついと思ったときは、以下の機関に相談できます。
- 多重債務相談窓口
- 弁護士・司法書士
- 法テラス
上記の機関は、借金で悩む人の味方に立ち、親身に相談に乗ってくれます。
漠然とした悩みであっても、1人で抱え込まず、まずは専門家に相談するのがおすすめです。
それぞれの機関で相談できる内容や、どのような人に向いているかを解説します。
多重債務相談窓口は借金の相談ができる公的な窓口
多重債務相談窓口は、政府が用意する借金問題の総合的な相談窓口です。
電話をすると、相談内容に合わせて債務整理の概要説明や弁護士会、法テラスなど問題を解決してくれる機関の紹介をしてくれます。
事例として、以下の相談が寄せられています。
- リボ払いの返済負担軽減のため、おまとめローンを考えている
- 債務整理の費用が払えず悩んでいる
- ギャンブルによる借金で生活に困っている
「自分が考えている解決策が有効か」といった具体的な相談から、「借金の返済で生活がままならない」といった漠然とした相談まで、内容は様々です。
いきなり弁護士に相談するのは気が引ける、誰に相談すればよいか分からない人は、まずは多重債務相談窓口にかけあってみましょう。
弁護士や司法書士は債務整理を考えている人に適している
債務整理を考えている人は、弁護士や司法書士に相談しましょう。
債務整理に強い事務所なら、自分に合った債務整理や返済計画を提案してくれるだけでなく、その場で依頼をすれば受任通知による督促の停止も可能です。
自分のお金使いや、計画性のない借金について厳しく指摘されるか心配に思う人もいるかもしれませんが、叱られることはありません。
むしろ弁護士や司法書士は依頼者に寄り添ってくれる上、守秘義務により秘密は守ってもらえるので、安心して相談できます。
弁護士と司法書士どちらに依頼しても仕事内容に大きな差はありませんが、以下の点で違いがあります。
- 司法書士には1社140万円を超える案件を依頼できない
- 費用は司法書士の方が安い傾向
費用面を重視する人は、司法書士に依頼するのがおすすめです。
法テラスは無料で借金に関する法律の相談ができる国の機関
法テラスは、国が用意した法的トラブルの相談窓口です。
電話相談は何度でも無料で、法律の説明や弁護士や司法書士その他適切な相談窓口の紹介をしてくれます。
具体的な法律相談は3回まで無料ででき、そのまま債務整理の依頼も可能です。
経済的に余裕がない人は、一定の要件を満たせば弁護士費用の立て替えや分割払いにも対応しています。
債務整理を考えているものの、費用面が心配な人は、法テラスに相談しましょう。
借金の返済でよくある質問
借金の返済でよくある以下の質問に回答します。
- 借金を返済すると税金を安くできる?
- 借金の返済で税金や社会保険料が払えないときはどうすればいい?
- 借金の時効を成立させるのは可能?
債務整理を行っても税金を支払う義務は残るため、税金や社会保険料の支払いは常に考えておく必要があります。
借金にも時効はありますが、金融機関は時効成立阻止の対策を打つため、期待しない方が賢明です。
借金を返済すると税金を安くできる?
以下に当てはまる人は、借金を返済すると税金の負担が軽くなる可能性があります。
- 個人事業主
- 20万円を超える副業収入がある会社員
- 不動産収入を得るための借金がある
上記に当てはまる人は、支払った利息の部分に限り経費計上が可能です。
その結果、所得が減って税金が安くなる可能性があります。
ただし経費計上できるのは事業のために借りたお金の利息であり、プライベートな借り入れは経費にできません。
副業収入がない、または20万円以下の会社員は、借金返済による節税はできないと思っておきましょう。
借金の返済で税金や社会保険料が払えないときはどうすればいい?
借金の返済が重く、税金や社会保険料が払えないときは、役所に相談しましょう。
国民健康保険や国民年金は、支払い減免や免除の制度があります。
例えば国民年金には支払いの免除制度があり、収入が一定以下であれば保険料の支払いが免除されます。
申請の上免除された場合は、免除中も保険料の納付済期間に計上され、免除が原因で年金を受け取れなくなることはありません。
さらに国民年金保険料は国庫から半分拠出されているので、免除期間中も保険料を半分は支払った扱いにしてもらえます。
ただし無断で支払いを怠ると未納期間となり、納付済期間にも計上されなければ保険料も全額未納扱いです。
税金や社会保険料は自己破産をしても支払いの義務は残るので、踏み倒すのではなく役所に相談しましょう。
借金の時効を成立させるのは可能?
借金の時効を成立させるのは、ほとんど不可能です。
確かに民法には「消滅時効」の規定があり、債権者が最長10年間権利を行使しなければ借金の返済義務がなくなります。
しかし以下の場合は、時効のカウントがストップ(完成猶予)またはリセット(更新)されます。
- 債権者が取り立て行為を行った
- 債権者が裁判の手続きを起こした
- 債務者が借金の一部を返済した
- 「支払いを待ってほしい」「返しますから」など、債務者が借金の存在を認める発言をした
金融機関は時効の成立を阻止するべく、取り立てや裁判手続き、または借金の一部の返済を求めるなどの対策を打つケースがほとんどです。
借金の時効完成はレアケースであると理解し、どうしても納得のいかない債務がある場合は弁護士に相談しましょう。