2024年12月2日をもって、現行の健康保険証の新規発行が停止されます。 この保険証廃止に伴い、今後はマイナンバーカードを保険証として利用する「マイナ保険証」が基本となります。
この記事では、今持っている保険証がいつまで使えるのか、マイナ保険証の具体的な作り方、そしてマイナンバーカードを持っていない場合の対処法まで、制度変更に関する疑問を分かりやすく解説します。
この記事の監修
社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子
これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先450社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。
現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。
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2024年12月2日から健康保険証の新規発行が廃止になります
政府の方針により、2024年12月2日以降は健康保険証の新規発行が廃止されます。 これは、新しく会社に入社したり、国民健康保険に加入したりする場合でも、紙やカード形式の保険証は原則として発行されなくなることを意味します。
この日を境に、医療保険の資格確認はマイナンバーカードを主体とする仕組みへ移行します。 ただし、現在使用している保険証が即座に無効になるわけではありません。

今持っている紙の健康保険証はいつまで使える?有効期限を解説
従来の健康保険証は、マイナ保険証への移行に伴い、2025年12月1日ですべて満了となりました。ただし、窓口での混乱を避けるための政府の暫定措置により、2026年7月末までは、期限切れの保険証を持参した場合でも医療機関で資格確認ができれば、引き続き従来通りの自己負担(3割など)で受診が可能となっています。
この暫定措置は2026年7月末までとされており、それ以上の延長は現時点では検討されていないとされています。
なぜ従来の健康保険証は廃止されるのか?制度変更の背景
従来の健康保険証が廃止される背景には、政府が推進するデジタル社会の実現と行政手続きの効率化があります。 マイナンバーカードに健康保険証の機能を集約することで、オンラインでの確実な本人確認と資格確認が可能になります。
これにより、医療機関の事務コスト削減や、転職・引越しに伴う保険証切り替えの手間軽減が期待されます。 また、個人の医療情報を正確に連携させ、より質の高い医療サービスの提供を目指す医療DXの推進も大きな目的の一つです。
マイナンバーカードを健康保険証として利用するための登録方法
マイナ保険証の利用には、新しいカードが送られてくるわけではなく、現在お持ちのマイナンバーカードに健康保険証の情報を紐づける「利用登録」が必要です。 この登録手続きは一度行えば完了し、以降はマイナンバーカードを医療機関や薬局の窓口で提示することで保険証として使えます。
登録方法は複数あり、自宅で完結するものから、外出先で手軽に済ませられるものまで用意されています。
【スマホ・PCで完結】マイナポータルから登録する手順
スマートフォンやパソコンを使えば、自宅からマイナ保険証の利用登録ができます。 手続きには、マイナンバーカード、利用者証明用電子証明書の暗証番号(4桁)、そしてカードを読み取れるスマートフォンまたはICカードリーダーライタを接続したパソコンが必要です。
まず「マイナポータル」のアプリまたはウェブサイトにアクセスし、「健康保険証としての利用申込み」を選択します。 画面の案内に従ってマイナンバーカードを読み取り、暗証番号を入力してログイン後、利用規約に同意すれば登録は完了します。
【お近くのATMで簡単】セブン銀行ATMで登録する方法
全国のセブン銀行ATMでも、マイナ保険証の利用登録を手軽に行えます。 必要なものはマイナンバーカードと、カード受け取り時に設定した利用者証明用電子証明書の暗証番号(4桁)のみです。 ATMの画面で「マイナンバーカードでの手続き」を選択し、次に「健康保険証利用の申込み」を選びます。 カード挿入口にマイナンバーカードをセットし、画面の指示に従って暗証番号を入力します。
最後に内容を確認して申し込みを確定させれば、数分で手続きが完了します。
【病院に行ったついでに】医療機関や薬局の窓口で登録する流れ
顔認証付きカードリーダーが設置されている医療機関や薬局の窓口でも、受診の際にその場で利用登録が可能です。 手続きにはマイナンバーカードが必要です。 受付に設置されたカードリーダーの画面で「利用申込」を選択し、マイナンバーカードを所定の場所に置きます。
本人確認は、画面の案内に従って顔認証を行うか、利用者証明用電子証明書の暗証番号(4桁)を入力することで完了します。 初めて利用する医療機関でも、診察前に登録を済ませることができます。

経営視点のアドバイス
マイナ保険証は手持ちのカードに紐づける利用登録が必要です。登録はマイナポータル、セブン銀行ATMのほか、医療機関窓口のカードリーダーに置いて顔認証か4桁の暗証番号を入力するだけで完了します。
マイナンバーカードを持っていない場合の2つの対処法
健康保険証の新規発行停止にあたり、マイナンバーカードを持っていない場合は、今後のために対応を考える必要があります。 主な対処法は2つあり、一つはマイナンバーカード自体の交付を申請することです。 もう一つは、カードを取得しない場合に交付される「資格確認書」を利用する方法です。
これは従来の保険証に代わる新しい保険証の役割を担うもので、どちらの方法を選択するかによって手続きや利用方法が異なります。
対処法①:まずはマイナンバーカードの交付を申請する
マイナ保険証を利用するためには、まずマイナンバーカードの交付申請が必要です。 申請は、スマートフォン、パソコン、郵送、または対応する証明写真機から行えます。 申請には、通知カードと共に送付された「個人番号カード交付申請書」と顔写真データ(または写真)が必要です。
申請書を紛失した場合は、お住まいの市区町村窓口で再発行できます。 申請後、約1〜2ヶ月で交付通知書が届くので、本人確認書類などの必要書類を持参して指定の窓口でカードを受け取ります。
対処法②:保険診療が受けられる「資格確認書」を利用する
マイナンバーカードを取得していない方や利用登録をしていない方でも、健康保険を利用して医療機関を受診することは可能です。 従来の健康保険証の失効に伴い、マイナンバーカードを健康保険証として利用登録していない方には、申請不要で順次「資格確認書」が交付されています。
マイナンバーカードを紛失・更新中の方や、新規加入者など特定のケースでは、加入している健康保険組合や協会けんぽ等へ申請を行うことで資格確認書が交付されます。
マイナ保険証を利用する4つのメリット
マイナ保険証への移行は、単に紙の保険証が置き換わるだけでなく、利用者にとって多くの具体的なメリットがあります。 これまでの保険証ではできなかった手続きの簡素化や、医療費負担の軽減、さらには自分自身の健康管理に役立つ機能も備わっています。
ここでは、マイナ保険証を利用することで得られる主な4つのメリットについて解説します。 これらの利点を理解することで、安心して新しい制度へ移行できます。

メリットについて解説します。
メリット①:高額な医療費の一時的な自己負担が不要になる
マイナ保険証を利用すると、高額療養費制度における手続きが大幅に簡素化されます。 従来、医療費が高額になる場合、事前に「限度額適用認定証」を申請し、窓口で提示する必要がありました。
しかし、マイナ保険証を使えば、この認定証がなくても窓口での支払いが自動的に自己負担限度額までとなります。 これにより、急な入院や手術などで高額な医療費が発生した際に、一時的に全額を立て替える経済的な負担がなくなります。
メリット②:転職や引越し後も保険証をスムーズに利用できる
転職や退職、引越しによって加入する健康保険が変わった際、これまでは新しい保険証が手元に届くまでに時間がかかり、その間は一時的に全額自己負担となるケースがありました。
マイナ保険証の場合、マイナンバーカード自体はそのまま継続して使用できます。 新しい保険情報がシステム上で更新されれば、カードを提示するだけで保険資格が確認できるため、保険証の切り替え期間を気にすることなく、切れ目なく医療サービスを受けることが可能です。
メリット③:過去の薬剤情報や健診結果を医師と共有できる
マイナポータルを通じて、本人が同意すれば、過去に処方された薬剤情報や特定健診の結果などを医師や薬剤師と共有できます。 これにより、重複投薬や飲み合わせの悪い薬の処方を防ぎ、より安全で質の高い医療を受けられるようになります。
また、旅行先や初めてかかる医療機関でも、自身の正確な健康・医療情報を伝えることができるため、緊急時でも適切な診断や治療につながりやすくなります。 お薬手帳がなくても正確な情報が伝わるのが利点です。
メリット④:医療費控除の確定申告が簡単になる
マイナ保険証を利用すると、確定申告における医療費控除の手続きが非常に簡単になります。 マイナポータルを通じて1年間の医療費通知情報を一括で取得し、e-Tax(国税電子申告・納税システム)と連携させることで、申告書へ自動入力が可能です。
これまでのように、医療機関や薬局の領収書を1枚ずつ集めて合計金額を計算し、手入力する手間が不要になります。 これにより、申告作業にかかる時間と労力を大幅に削減できます。
マイナ保険証に関する実用的な疑問を解消
マイナ保険証への移行にあたり、その利便性や仕組みだけでなく、日常で起こりうるトラブルへの対処法についても知っておくことが重要です。 例えば、重要なマイナンバーカードを紛失してしまった場合や、設定した暗証番号を忘れてしまった際の対応など、実用的な疑問は尽きません。
ここでは、そうした万が一の事態に備え、安心してマイナ保険証を使い続けるための具体的な対処法を解説します。

マイナンバーカードを紛失した場合はどうすればいい?
マイナンバーカードを紛失した際は、まず不正利用を防ぐためにカード機能の一時停止手続きを行います。 「マイナンバー総合フリーダイヤル(0120-95-0178)」へ連絡すれば、24時間365日いつでも機能を止めることが可能です。
同時に、最寄りの警察署や交番に遺失届を提出してください。 カードの再発行は、お住まいの市区町村の窓口で手続きを行います。 再発行までの期間に医療機関を受診する場合は、加入している健康保険の保険者に連絡し、「資格確認書」の交付を依頼します。
登録時に設定した暗証番号を忘れてしまった時の対応
マイナ保険証の利用登録や医療機関での本人確認時に使用する「利用者証明用電子証明書」の暗証番号(数字4桁)を忘れた場合、または連続で3回間違えてロックがかかった場合は、再設定の手続きが必要です。 再設定の手続きは、本人がマイナンバーカードを持参の上、お住まいの市区町村の窓口で行うことができます。
また、署名用電子証明書の暗証番号が分かる場合は、スマートフォンアプリとコンビニのマルチコピー機でも再設定が可能です。 なお、顔認証付きカードリーダーが設置されている医療機関では、顔認証で本人確認ができるため、暗証番号を入力せずに利用することも可能です。
自分の子どもや家族の分も代理で登録できる?
マイナ保険証の利用登録は、原則として本人が行う必要があります。 ただし、15歳未満の子どもや成年被後見人については、法定代理人(親権者など)が代理で手続きを行うことが可能です。
マイナポータルから代理人名義のスマートフォンなどを使って登録できます。 成人している家族の場合は、代理での登録は認められておらず、本人が自身のスマートフォンやセブン銀行ATM、医療機関の窓口などで手続きを行う必要があります。
マイナ保険証に関するよくある質問
マイナ保険証への移行については、多くの方がさまざまな疑問や不安を抱いています。 例えば、マイナンバーカードの取得やマイナ保険証への切り替えは任意であり、罰則はありません。また、最も懸念される個人情報の安全性は確保されているのか、といった点です。
ここでは、特に問い合わせの多い質問を取り上げ、それぞれについて簡潔に回答します。 制度の基本を正しく理解し、安心して利用するための参考にしてください。
マイナ保険証に切り替えない場合の罰則はありますか?
マイナ保険証への切り替えをしなかったことによる直接的な罰則やペナルティは、現在の制度ではありません。
マイナ保険証の登録をしなくても、従来の保険証に代わる「資格確認書」が交付されるため、保険診療は受けられます。 ただし、医療機関によっては、マイナ保険証を利用した場合よりも窓口での自己負担額が若干高くなる可能性があります。
マイナンバーカードと健康保険証の一体化は義務ですか?
マイナンバーカードの取得は国民の任意であり、健康保険証との一体化も法的な義務ではありません。
政府はデジタル社会の基盤としてマイナンバーカードの普及を推進していますが、カードを持つことや保険証として利用することを強制するものではありません。 カードを持たない選択をした人には、保険診療を受けるための「資格確認書」が交付されます。
マイナ保険証を使うと個人情報が漏れる危険性はありませんか?
マイナンバーカードのICチップ内には、病歴や薬剤情報、特定健診の結果といったプライバシー性の高い医療情報は一切記録されていません。
これらの情報は医療機関などが安全に管理しています。 また、医療情報を連携する際にはマイナンバー(個人番号)そのものではなく、別の符号を用いるなど、個人情報保護のための対策が厳重に講じられています。
まとめ
2024年12月2日から健康保険証の新規発行は停止されますが、現在お持ちの保険証は最長で2025年12月1日まで有効です。 マイナ保険証への移行は、スマートフォンやセブン銀行ATM、医療機関の窓口で簡単に行えます。
マイナンバーカードを持っていない場合は、カードの交付を申請するか、自動的に交付される「資格確認書」を利用することで、引き続き保険診療を受けられます。
マイナ保険証には、医療費の負担軽減や手続きの簡素化といったメリットがあります。



