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コラム

freeeの給与計算で社会保険料・雇用保険料がずれる原因と対処法

freeeで給与計算を行っていると、「計算された社会保険料が実際の控除額と合わない」「雇用保険料の金額がおかしい」という事態が起こることがあります。こうした「ずれ」は放置すると過控除・過少控除につながり、従業員とのトラブルや行政への申告誤りを招きます。

社会保険料・雇用保険料がずれる主な原因は以下の5つです。

  1. 標準報酬月額の設定ミス(算定基礎届・月額変更届の反映漏れ)
  2. 保険料率の更新忘れ(年度切替時の設定変更漏れ)
  3. 入社日・退職日の設定ミス(日割り計算の誤り、二重徴収)
  4. 産休・育休中の免除処理漏れ
  5. freeeの保険料テーブルと実際の等級のズレ

本記事では、それぞれの原因と具体的な対処法を解説します。

社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子

これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先450社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。

現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。

主な出演メディア

  • NHK「あさイチ」
  • 中日新聞
  • 船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」

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原因①:標準報酬月額の設定ミス(算定・月変の反映漏れ)

原因の概要

社会保険料は「標準報酬月額」に保険料率を掛けて計算されます。この標準報酬月額は、毎年4月〜6月の給与をもとに行う「算定基礎届」と、給与が大きく変動した際の「月額変更届(月変)」によって更新されます。

freeeでこれらの届出内容が正しく反映されていないと、古い等級のまま計算が続いてしまい、ずれが生じます。

よくある具体例

  • 算定基礎届を日本年金機構へ提出したが、freeeの従業員情報に新しい等級を登録し忘れた
  • 月変の要件(報酬月額が2等級以上変動)を満たしているのに届出・反映を忘れた

対処法

  1. freeeの従業員情報または給与設定画面を開き、「標準報酬月額」または「社会保険等級」の設定を確認します
  2. 日本年金機構から送付された「標準報酬月額決定通知書」と照合します
  3. 等級が異なる場合は、正しい等級に更新し、反映月を確認します
  4. 過去に誤った等級で控除していた場合は、差額の調整が必要です。対応方法は社労士にご相談ください

原因②:保険料率の更新忘れ(年度切替時)

原因の概要

健康保険料率・介護保険料率は毎年3月分(4月納付分)に、雇用保険料率は毎年4月1日に改定されます。freeeのシステムが自動で保険料率を更新する場合もありますが、設定によっては手動での更新が必要なケースがあります。

年度切替のタイミングで保険料率が古いままになっていると、計算結果がずれます。

よくある具体例

  • 健康保険組合(協会けんぽ以外)に加入しており、料率を手動管理しているが更新を失念した
  • 雇用保険料率の改定(労働者負担分)に合わせてfreeeの設定を変更し忘れた

対処法

  1. freeeの保険料率設定画面を開き、現在適用されている保険料率を確認します
  2. 協会けんぽの場合、毎年3月に公表される都道府県別保険料率と照合します
  3. 雇用保険の場合、厚生労働省が公表する当該年度の雇用保険料率(労働者負担分)と照合します
  4. 誤った料率で計算していた月がある場合は、差額を翌月以降の給与で調整します

原因③:入社日・退職日の設定ミス(日割り計算の誤り)

原因の概要

社会保険料は「月末時点で被保険者資格がある月の分」を翌月に控除するルールです(月末退職の場合は2ヶ月分控除など)。また、雇用保険料は支払い賃金に料率をかけて計算するため、入社月・退社月の給与支給額の設定が正確でないとずれが生じます。

よくある具体例

  • 月途中入社で入社日の登録ミスがあり、保険料の徴収開始月がずれた
  • 月末退職と月末前日退職を混同し、退職月の社会保険料を控除すべきかどうか誤った
  • 退職者の最終給与で社会保険料を二重に差し引いていた

対処法

  1. freeeの従業員情報で入社日・退職日が正確に登録されているか確認します
  2. 退職者については「月末退職(末日退職)」と「月末前日以前の退職」で社会保険料の取り扱いが異なることを確認します
    • 月末退職:退職月も被保険者期間に含まれるため、退職月分の保険料も徴収が必要
    • 月末前日以前退職:退職月は被保険者期間外となるため、前月分のみ徴収
  3. 誤りが判明した場合は、過去月の給与を修正するか差額を翌月調整します

原因④:産休・育休中の免除処理漏れ

原因の概要

産前産後休業(産休)および育児休業(育休)中は、事業主が申請することで社会保険料(健康保険料・厚生年金保険料)が本人・会社の双方で免除されます。この申請をしていない、またはfreeeへの反映が漏れていると、免除されるべき保険料が控除され続けます。

よくある具体例

  • 産休・育休に入ったのに、日本年金機構への「産前産後休業取得者申出書」「育児休業等取得者申出書」を提出し忘れた
  • 申請は済んでいるがfreeeの給与設定に反映されておらず、保険料が控除されたまま
  • 育休から職場復帰後も免除設定が残ったままになっていた

対処法

  1. freeeの従業員情報または給与設定で、産休・育休中の社会保険料免除が正しく設定されているか確認します
  2. 免除が適用されていない場合は、申請状況を確認したうえで設定を修正します
  3. 過去に誤って控除していた場合は、保険料の還付手続きが必要になります。具体的な対応は社労士にご相談ください

対処法まとめ:各原因の修正ポイント

原因確認箇所対処の優先度
標準報酬月額のズレ従業員の等級設定高(毎年7〜9月に要確認)
保険料率の更新忘れ保険料率設定画面高(毎年3〜4月に要確認)
入退社日の設定ミス従業員の入社日・退職日中〜高(入退社のたびに確認)
産休・育休の免除漏れ従業員の社会保険料設定高(対象者が発生次第確認)
保険料テーブルのズレfreeeのバージョン・設定中(年度切替後に確認)

社労士への相談が必要なケース

以下のような場合は、freeeの操作だけでは解決が難しく、社労士への相談をおすすめします。

  • 過去に複数月にわたって誤った保険料を控除していた(差額調整の方法が不明)
  • 算定基礎届・月額変更届の届出自体を誤っていた(日本年金機構への修正申請が必要)
  • 産休・育休の免除申請が未提出で、保険料の還付を受けたい
  • 退職者への保険料過徴収があり、返還対応が必要

これらのケースは、行政機関への申請や修正が伴うため、専門家のサポートが欠かせません。

よくある質問(FAQ)

Q1. freeeで計算される社会保険料と給与明細の金額が毎月少しずつ違うのはなぜですか?

健康保険料・厚生年金保険料は標準報酬月額に基づく固定額ですが、雇用保険料は「その月の支払賃金総額×料率」で算出されるため、月によって支給額が異なると雇用保険料も変わります。残業代や各種手当の有無によって毎月変動するのは正常な動作です。

Q2. 算定基礎届を提出したのにfreeeに反映されていない場合はどうすればよいですか?

算定基礎届は日本年金機構への提出と、freeeへの等級更新が別作業となります。通知書が届いたタイミングでfreeeの従業員情報を更新する運用ルールを社内で決めておくことをおすすめします。

Q3. 月額変更届(月変)の対象かどうかをfreeeで確認できますか?

freeeの給与計算データをもとに月変の要件(継続した3ヶ月の報酬平均が2等級以上変動)に該当するかどうかを確認できる機能がある場合があります。不明な場合は社労士にご相談ください。

Q4. 保険料のずれに気づいたのが数ヶ月後だった場合、さかのぼって修正できますか?

給与計算のさかのぼり修正はfreeeの設定変更だけでなく、場合によっては日本年金機構への訂正申請や従業員への差額精算も必要になります。誤りの期間・金額・原因によって対応方法が異なるため、早めに社労士へご相談ください。

保険料のずれでお困りならとうかいへ

「毎月の給与計算のたびに保険料の確認に時間がかかる」「freeeの設定が正しいか不安」という担当者様は、社会保険労務士法人とうかいにご相談ください。

freeeと連携した給与計算代行・社会保険手続き代行サービスを提供しており、保険料率の更新管理から算定基礎届・月変の対応まで、専門家がサポートします。愛知県(名古屋市周辺)を中心に対応しています。手続きが不安な方はとうかいへ、まずはお気軽にお問い合わせください。

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