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コラム

給与計算は採用か外注か|費用と体制の比較ポイント

結論(この記事で分かること) 給与計算担当を採用するか外注するかは、月々の金額だけでなく、費用の構成要素・属人化リスク・法改正への対応力・休職や退職時の継続性を並べて比較すると判断しやすくなります。社員が増えて1人の担当者に経理・給与・労務が集中している会社では、社内に窓口担当を置き、計算と手続きを外部に任せる「併用」も有力な選択肢です。

社員が増えてきた段階で、「給与計算の専任者を1人採用するか、外部に任せるか」は多くの会社が迷うテーマです。この記事では、社会保険・労務管理の専門家である社会保険労務士法人とうかいが、採用と外注を比較するポイント、判断の目安、併用という選択肢を解説します。

社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子

これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先450社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。

現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。

主な出演メディア

  • NHK「あさイチ」
  • 中日新聞
  • 船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」

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結論:比較は「総費用」と「止まらない体制」の2軸で行う

採用と外注は、見えやすい費用だけでなく、担当者が不在でも給与計算と手続きが止まらないかで比較することが大切です。どちらが優れているかは、会社の規模・成長段階・社内に残したいノウハウによって変わります。

採用の場合、給与に加えて会社負担の社会保険料がかかります。健康保険料・厚生年金保険料は、被保険者と事業主がそれぞれ半額を負担すると定められています(健康保険法161条1項、厚生年金保険法82条1項)。雇用保険料などの労働保険料にも事業主負担分があります(労働保険徴収法31条)。

このセクションのポイント

  • 「総費用」と「担当者不在でも止まらない体制」の2軸で比較する
  • 採用では給与のほか会社負担の社会保険料・労働保険料がかかる
  • 正解は会社の規模や成長段階によって変わる

採用と外注の比較ポイント

費用や体制は何が違う?

主な比較項目は次のとおりです。金額は会社や委託範囲で異なるため、構成要素で比べましょう。

比較項目担当者を採用する外注する
費用の構成要素給与、会社負担の社会保険料・労働保険料、採用費、教育、給与計算システム委託料、社内の窓口工数(勤怠の締め・資料の受け渡し)
属人化リスク1人に集中すると手順が本人しか分からなくなりやすい委託先の手順で処理されるが、社内に手順が残りにくい
法改正への対応力担当者の学習・情報収集に左右される委託先が改正情報を把握して反映する体制か確認が必要
情報管理社内の権限管理・保管ルールで管理する委託先の安全管理体制を確認し、監督する必要がある
休職・退職時の継続性代わりの担当者の確保・引き継ぎが課題になる委託先の体制で継続しやすい
社内のノウハウ蓄積蓄積しやすい蓄積しにくい

外注するときに注意することは?

外注する場合は、委託先の情報管理体制を確認することが欠かせません。従業員の個人データの取扱いを委託する会社は、委託先に対して必要かつ適切な監督を行う義務があります(個人情報保護法25条)。なお、社会保険・労働保険の届出書類の作成や提出の代行を、報酬を得て業として行えるのは、原則として社会保険労務士・社会保険労務士法人です(社会保険労務士法27条)。社労士には業務上知り得た秘密を守る義務も課されています(同法21条)。

どちらが向いているかの目安は?

判断の目安は次のとおりです。

  • 採用が向いている:給与体系や手当が複雑で、社内で細かな判断を日常的に行いたい会社。将来的に人事労務の部門を育てたい会社
  • 外注が向いている:担当者が1人で経理・給与・労務を兼務している会社。社員数の増加に合わせて手続きを早く整えたい会社
  • 併用が向いている:勤怠の締めや社員からの問い合わせは社内で受け、計算と社会保険・雇用保険の手続きは外部に任せたい会社

このセクションのポイント

  • 費用は金額ではなく構成要素で比較する
  • 外注では委託先の監督(個人情報保護法25条)と社労士資格の有無を確認する
  • 兼務で負担が集中している会社は、外注や併用を検討する価値がある

社会保険労務士法人とうかいからのアドバイス

人員が急に増えた時期は、1人の担当者に業務が集中しがちです。今日から次の3点に取り組みましょう。

  1. 業務を書き出す:給与計算、入退社の手続き、年度更新・算定基礎届など、担当者が抱えている業務と期限を一覧にする
  2. 社内に残す業務を決める:勤怠の締め、社員対応など、社内でしかできない業務を切り分ける
  3. 担当者不在時の代わりを決める:採用・外注のどちらでも、手順書と代わりの担当者を用意しておく

このセクションのポイント

  • まず担当者が抱えている業務と期限を一覧にする
  • 社内に残す業務と外部に任せる業務を切り分ける
  • どちらを選んでも担当者不在時の備えを用意する

よくある質問(FAQ)

Q1. 給与計算の担当者を採用すると、給与以外にどんな費用がかかりますか?

会社負担の社会保険料・労働保険料、採用費、教育、給与計算システムなどがかかります。健康保険料・厚生年金保険料は被保険者と事業主が半額ずつ負担します。

Q2. 給与計算だけを外注し、社会保険の手続きは社内で行えますか?

はい、可能です。ただし、給与と手続きの情報を別々に管理すると確認の手間が増えるため、入退社や標準報酬月額の変更の情報を誰がどう共有するかを決めておきましょう。

Q3. 外注すると社内に何も残らなくなりませんか?

委託範囲によります。社内に窓口担当を置く併用型にすれば、勤怠の締めや社員対応の経験を社内に残しつつ、計算と手続きの負担を外部に任せられます。

Q4. 外注先に従業員の個人情報を渡しても大丈夫ですか?

はい、委託自体は可能です。ただし、委託する会社には委託先を監督する義務があるため(個人情報保護法25条)、安全管理の体制や契約内容を確認してから委託しましょう。

まとめ

給与計算担当の採用と外注は、費用の構成要素、属人化リスク、法改正への対応力、情報管理、継続性で比較すると判断しやすくなります。兼務で負担が集中している会社は、社内窓口と外注の併用も検討しましょう。社会保険労務士法人とうかいでは、給与計算と社会保険・労働保険の手続きの体制づくりについてご相談を承っていますので、お問い合わせフォームよりお気軽にご連絡ください。

監修:社会保険労務士法人とうかい

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