結論(この記事で分かること) 就業規則の作成費用に公的な統一相場はありません。一方で、常時10人以上の労働者を使用する事業場には、労働基準法第89条により就業規則を作成し、労働者代表の意見書(同法第90条)を添えて所轄の労働基準監督署長に届け出る法的義務があります。費用は新規作成か改定か、関連規程の数、事業場数などで決まるため、自社の条件を整理したうえで複数の事務所に同条件で見積りを依頼することが確実な進め方です。
「就業規則を作りたいが費用の目安が分からない」という相談は、従業員が増えてきた企業からよく寄せられます。この記事では、500社以上の企業の就業規則整備を支援してきた社会保険労務士法人とうかいが、作成・届出義務の内容と、費用の決まり方を解説します。
この記事の監修
社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子
これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先450社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。
現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。
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- NHK「あさイチ」
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結論:就業規則の作成・届出は「常時10人以上」で法的義務になる
就業規則とは、労働条件や職場規律について使用者が定める職場のルールです。労働基準法第89条により、常時10人以上の労働者を使用する使用者は、始業・終業の時刻、賃金、退職に関する事項などを定めた就業規則を作成し、所轄の労働基準監督署長に届け出る義務があります。ここでいう「労働者」には、職業の種類を問わず、パート・アルバイトなど雇用形態にかかわらず使用される者が含まれます。
就業規則を作成・変更する際は、労働基準法第90条に基づき、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は過半数を代表する者)の意見を聴き、その意見を記した書面(意見書)を添えて届け出なければなりません。常時10人未満の事業場には作成・届出の法的義務はありませんが、任意に作成すること自体は可能です。

このセクションのポイント
- 常時10人以上の労働者を使用する事業場は就業規則の作成・届出が法的義務(労基法89条)
- 届出には労働者代表の意見書の添付が必要(労基法90条)
- 10人未満の事業場は作成・届出の法的義務はない(任意作成は可能)
就業規則作成の費用はどう決まる?
新規作成か、改定かで費用は変わる?
就業規則を一から作成する場合と、既存の規則を見直す場合とでは、必要な工数が異なります。新規作成は労働条件の整理やヒアリングから始まるため、既存規則の部分的な改定より対応範囲が広くなる傾向があります。
関連規程の数で費用は変わる?
就業規則本体に加えて、賃金規程、育児・介護休業規程、ハラスメント防止規程などの関連規程を同時に整備するかどうかで、必要な作業量が変わります。
事業場数で費用は変わる?
就業規則の届出は事業場ごとに必要です。拠点が複数ある企業は、本社の規則をベースにしつつ、事業場ごとの実態(労働時間制度の違いなど)を確認する工数が増えるため、拠点数が多いほど対応範囲が広がります。
費用の公的な基準はある?
ありません。社労士の報酬基準は2002年(平成14年)の社会保険労務士法改正で会則の記載事項から削除され、現在は各事務所が自由に金額を設定しています。インターネット上で見かける「就業規則作成◯万円」という数字は、個別の事務所やサービスが提示する目安であり、全国共通の公的な相場ではない点に注意が必要です。
このセクションのポイント
- 新規作成と改定では必要な工数が異なる
- 関連規程(賃金規程、育児・介護休業規程など)の作成数が費用に影響する
- 公的な統一相場はなく、金額は各事務所の自由設定
社会保険労務士法人とうかいからのアドバイス
就業規則の作成を依頼する際は、次の3点を整理すると見積りが比較しやすくなります。
- 対象となる事業場数・労働者数を整理する:事業場ごとに異なる労働時間制度や雇用形態の有無を洗い出す
- 同時に整備したい関連規程を明確にする:賃金規程、育児・介護休業規程、ハラスメント防止規程などの要否を決める
- 見積りの対応範囲を確認する:労働者代表の意見書の取得支援から労働基準監督署への届出代行までが含まれるかを確認する

社会保険労務士法人とうかいは、従業員100名以上の中堅企業を中心に、就業規則の新規作成・改定・届出代行を全国フルリモートで対応しています。
→ 就業規則作成のご案内:https://www.tokai-sr.jp/service/labor-regulations/
このセクションのポイント
- 事業場数・労働者数・雇用形態をまず整理する
- 同時に整備したい関連規程を明確にしておく
- 意見書取得から届出代行までの対応範囲を見積り時に確認する
よくある質問(FAQ)
Q1. 従業員が10人未満でも就業規則は必要ですか?
法律上の作成・届出義務はありませんが、任意に作成し職場のルールを明文化すること自体は可能です。労務トラブルの予防の観点から、10人未満でも作成を検討する企業もあります。
Q2. 就業規則の届出先はどこですか?
事業場の所在地を管轄する労働基準監督署長です。事業場が複数ある場合は、原則として事業場ごとに届け出る必要があります。
Q3. 意見書とは何ですか?
就業規則の作成・変更時に、事業場の労働者の過半数で組織する労働組合(ない場合は過半数を代表する者)の意見を記した書面です。労働基準法第90条に基づき、届出の際に添付が必要です。
Q4. 就業規則作成の費用相場はいくらですか?
公的な統一相場はありません。新規作成か改定か、関連規程の作成数、事業場数などによって費用が変わるため、自社の条件を整理したうえで複数の事務所に同条件で見積りを依頼することをおすすめします。
まとめ
就業規則の作成・届出は常時10人以上の労働者を使用する事業場の法的義務であり、費用には公的な統一相場がないため、自社の条件を整理した見積り比較が欠かせません。就業規則の新規作成・見直しを検討している方は、社会保険労務士法人とうかいまでお気軽にご相談ください。

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監修:社会保険労務士法人とうかい 2011年開業・2015年法人化。名古屋本社・東京神田事務所を拠点に、顧問先500社以上の人事労務を全国フルリモートで支援。社労士事務所TOP100(2023年)選出、2026年サステナグロースカンパニーアワード「ライジングスター賞」受賞。
参考資料
- 労働基準法 第89条・第90条(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/322AC0000000049
- 参議院「社会保険労務士法の一部を改正する法律案」議案要旨(平成14年法律第116号):https://www.sangiin.go.jp/japanese/joho1/kousei/gian/155/meisai/m15505154043.html
