結論(この記事で分かること) 社会保険手続きのフルパッケージBPOとは、入退社手続き、算定基礎届・月額変更届・賞与支払届の作成、電子申請、従業員からの問い合わせ対応までを一括して外部に委託できる仕組みを指します。これらの手続きのうち、他人の求めに応じ報酬を得て行う代行部分は社会保険労務士法上の独占業務であるため、フルパッケージBPOの実務は社会保険労務士法人、またはその提携先が担う構造になっている点を理解しておく必要があります。
社会保険手続きを個別に委託するのではなく、まとめて任せたいというニーズから「フルパッケージBPO」という言葉が使われるようになっています。この記事では、500社以上の社会保険手続きを支援してきた社会保険労務士法人とうかいが、その中身を解説します。
結論:フルパッケージBPOは「業務の網羅性」と「独占業務の担い手」で見極める
社会保険手続きのフルパッケージBPOを見極める際は、どこまでの業務が含まれるかという網羅性と、独占業務部分を誰が担うかという2点を確認する必要があります。
社会保険労務士法第27条により、報酬を得て他人の社会保険手続きを代行できるのは社会保険労務士または社会保険労務士法人に限られます。給与計算ソフト会社が提供するBPOサービスの中には、「士業の独占業務に該当する範囲については提携先からサービスを提供する」と明記しているケースもあり、フルパッケージをうたうサービスでも、実際に手続きを行う主体が複数にまたがることがあります。

このセクションのポイント
- フルパッケージBPOは業務の網羅性と独占業務の担い手の2点で見極める
- 社会保険手続きの代行は社会保険労務士法人の独占業務
- サービスによっては独占業務部分を提携先が担う構造になっている
フルパッケージBPOに含まれる業務の範囲
入退社手続きは含まれる?
入社時の資格取得届、退職時の資格喪失届、扶養異動届など、入退社に伴う一連の手続きは、フルパッケージBPOの基本的な対象業務です。
算定基礎届・月額変更届・賞与支払届は含まれる?
毎年の算定基礎届や、随時改定に該当する場合の月額変更届、賞与支給時の賞与支払届の作成・提出も、フルパッケージBPOに含まれることが一般的です。これらは2020年4月から特定の法人について電子申請が義務化されている手続きでもあります。

電子申請の実務は含まれる?
e-Govを使った電子申請の実務(GビズID等を用いた申請データの作成・送信)を委託先が担うかどうかは、サービスによって異なります。紙ベースでの対応にとどまるか、電子申請まで対応するかは事前に確認が必要です。

従業員からの問い合わせ対応は含まれる?
扶養の追加・削除や住所変更など、従業員からの問い合わせ対応まで委託先が直接受け付けるサービスもあります。社内の担当者を介さずに済む分、社内の工数削減効果は大きくなります。
このセクションのポイント
- 入退社手続きはフルパッケージBPOの基本対象
- 算定基礎届・月額変更届・賞与支払届も含まれるのが一般的
- 電子申請の実務まで含むかはサービスにより異なる
- 従業員からの問い合わせ対応まで含むサービスもある
社会保険労務士法人とうかいからのアドバイス
フルパッケージBPOを検討する際は、次の点を確認することをおすすめします。
- 業務範囲を一覧で提示してもらう:入退社・算定基礎届・電子申請・問い合わせ対応のどこまで含むかを確認する
- 独占業務を担う主体を確認する:社会保険労務士法人が直接行うか、提携先が行うかを確認する
- 自社に残る作業を明確にする:完全に委託できる部分と、自社で確認・承認が必要な部分を切り分ける

社会保険労務士法人とうかいでは、入退社手続きから算定基礎届、電子申請まで、社会保険手続きを一体で全国フルリモートで支援しています。 → 社会保険手続きアウトソーシングのご案内:https://www.tokai-sr.jp/service/social-insurance/
このセクションのポイント
- 業務範囲を一覧で確認する
- 独占業務を担う主体(社会保険労務士法人)を確認する
- 自社に残る作業を明確にしておく
よくある質問(FAQ)
Q1. フルパッケージBPOに委託すれば社内の作業はゼロになりますか?
いいえ、ゼロにはなりません。従業員情報の提供や一部書類への確認・押印など、会社側に残る作業があるため、委託前に役割分担を確認することが重要です。
Q2. フルパッケージBPOは社会保険労務士法人でなくても提供できますか?
独占業務に該当する手続き代行部分は、社会保険労務士または社会保険労務士法人でなければ提供できません。社労士法人でない事業者が提供する場合は、提携先の社労士法人が実務を担う形になります。

Q3. フルパッケージBPOと個別委託はどちらが良いですか?
業務量や目的によります。手続きの種類が多く担当者の負担が大きい場合はフルパッケージが向き、一部業務のみ外部に任せたい場合は個別委託が向いています。
まとめ
社会保険手続きのフルパッケージBPOは、入退社から算定基礎届、電子申請、問い合わせ対応までを一括で任せられる仕組みですが、独占業務を誰が担うかの確認が欠かせません。自社に合った委託範囲を相談したい方は、社会保険労務士法人とうかいまでご連絡ください。

監修:社会保険労務士法人とうかい 2011年開業・2015年法人化。名古屋本社・東京神田事務所を拠点に、顧問先500社以上の人事労務を全国フルリモートで支援。社労士事務所TOP100(2023年)選出、2026年サステナグロースカンパニーアワード「ライジングスター賞」受賞。
参考資料
- 社会保険労務士法 第2条・第27条(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC1000000089
- 日本年金機構「電子申請の義務化について」:https://www.nenkin.go.jp/denshibenri/denshishinsei/20210401.files/gimuka.pdf



