結論(この記事で分かること) 社労士事務所の労務セキュリティ体制を見極めるには、個人情報保護法に基づく安全管理措置(組織的・人的・物理的・技術的)、マイナンバー(特定個人情報)の取扱いルール、社会保険労務士法第21条が定める守秘義務の3つを確認することが基本です。特定の認証の有無だけでなく、これらの法令に基づく体制を具体的に説明できるかを基準にしましょう。
社労士事務所には従業員の氏名・給与・マイナンバーなど機密性の高い個人情報を預けることになります。この記事では、社会保険労務士法人とうかいが、労務のセキュリティ体制を確認する際の法律上の基準を解説します。
この記事の監修
社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子
これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先450社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。
現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。
主な出演メディア
- NHK「あさイチ」
- 中日新聞
- 船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」
社会保険労務士 小栗多喜子のプロフィール紹介はこちら
https://www.tokai-sr.jp/staff/oguri/
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結論:確認すべきは「法律上の義務」とその実施体制
社労士事務所が取り扱う従業員情報は、個人情報保護法上の「個人情報」に該当し、社労士事務所は同法が定める「個人情報取扱事業者」として安全管理措置を講じる義務を負います。個人情報保護委員会のガイドライン(通則編)では、安全管理措置の内容として、組織的安全管理措置、人的安全管理措置、物理的安全管理措置、技術的安全管理措置の4分類が示されています。

さらに、マイナンバー(特定個人情報)については、個人情報保護委員会「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」により、通常の個人情報よりも厳格な安全管理措置が求められます。加えて、社会保険労務士法第21条は、社会保険労務士業務に関して知り得た秘密を、正当な理由なく漏らし、又は盗用してはならないと定めており、社労士業務を行わなくなった後も同様の義務が続きます。
このセクションのポイント
- 個人情報保護法上、社労士事務所は安全管理措置を講じる義務を負う
- 安全管理措置は組織的・人的・物理的・技術的の4分類で構成される
- マイナンバーは個人情報より厳格な取扱いルールが別途定められている
社労士事務所のセキュリティ体制を確認する4つのチェックポイント
チェック1:安全管理措置の内容を具体的に説明できるか?
「しっかり管理しています」といった抽象的な説明ではなく、組織的・人的・物理的・技術的の4分類に沿って、具体的な取り組みを説明できるかを確認しましょう。

チェック2:マイナンバーの取扱区域とアクセス権限が限定されているか?
マイナンバーを取り扱う担当者・業務範囲を限定し、アクセス権限を管理しているかは、特定個人情報ガイドラインが求める基本的な対応です。
チェック3:委託先・再委託先の管理体制があるか?
個人情報保護法は、委託先に安全管理措置を遵守させるよう委託元に監督義務を課しています。社労士事務所自身が再委託する場合、その管理体制も確認しましょう。

チェック4:社労士法上の守秘義務を法人として徹底しているか?
社会保険労務士法第21条の守秘義務は社労士個人に課される義務ですが、法人として全従業者に同様の意識を徹底しているかも確認材料になります。
このセクションのポイント
- 4分類の安全管理措置を具体的に説明できるかを見る
- マイナンバーの取扱区域・アクセス権限の限定状況を確認する
- 委託先管理体制と、法人としての守秘義務の徹底状況も確認する
社会保険労務士法人とうかいからのアドバイス
社労士事務所のセキュリティ体制を確認する際は、次の3点を質問することをおすすめします。
- 安全管理措置を説明してもらう:4分類に沿って具体的な取り組みを確認します
- マイナンバーの取扱範囲を確認する:担当者・業務範囲が限定されているかを確認します
- 漏えい時の対応フローを確認する:発生時の報告・対応手順を確認します

社会保険労務士法人とうかいは、社会保険労務士法第21条に基づく守秘義務のもと、名古屋本社・東京神田事務所を拠点に、全国500社以上の企業の人事・給与情報を取り扱っています。 → 労務相談・顧問契約のご案内:https://www.tokai-sr.jp/service/
このセクションのポイント
- 質問に具体的に回答できるかで実態を見極める
- 情報漏えい時の対応フローも契約前に確認する
よくある質問(FAQ)
Q1. 社労士事務所は個人情報保護法の対象になりますか?
はい、なります。社労士事務所は個人情報データベース等を事業に用いる「個人情報取扱事業者」に該当し、安全管理措置を講じる義務を負います。
Q2. マイナンバーを扱う社労士事務所に確認すべきことは何ですか?
マイナンバーを取り扱う担当者・業務範囲が限定されているか、アクセス権限が管理されているかを確認しましょう。個人情報保護委員会の特定個人情報ガイドラインが基準になります。

Q3. 社労士の守秘義務はどの法律に定められていますか?
社会保険労務士法第21条です。業務上知り得た秘密を正当な理由なく漏らし、又は盗用してはならないと定められており、社労士でなくなった後も適用されます。

Q4. セキュリティ体制がしっかりしている社労士法人をどう見極めればよいですか?
安全管理措置の内容を具体的に説明できるか、マイナンバーの取扱いやアクセス権限を限定しているかなど、法律に基づく基準で質問することが有効です。
まとめ
社労士事務所のセキュリティ体制は、特定の認証の有無ではなく、個人情報保護法・マイナンバー法・社会保険労務士法という法律上の義務をどこまで具体的な体制として実施しているかで見極めることが重要です。自社の情報管理体制について相談したい方は、社会保険労務士法人とうかいまでお気軽にご相談ください。

監修:社会保険労務士法人とうかい 2011年開業・2015年法人化。名古屋本社・東京神田事務所を拠点に、顧問先500社以上の人事労務を全国フルリモートで支援。社労士事務所TOP100(2023年)選出、2026年サステナグロースカンパニーアワード「ライジングスター賞」受賞。
参考資料
- 個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」(別添 講ずべき安全管理措置の内容):https://www.ppc.go.jp/personalinfo/legal/guidelines_tsusoku/
- 個人情報保護委員会「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン(事業者編)」:https://www.ppc.go.jp/legal/policy/my_number_guideline_jigyosha/
- 社会保険労務士法 第21条(秘密を守る義務)、社会保険労務士法の一部を改正する法律(平成14年法律第116号):https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/15520021127116.htm



