結論(この記事で分かること) 給与計算アウトソーシングの費用は一律の相場で判断するより、「従業員数×給与体系の複雑さ×業務範囲」で自社の見積もりを組み立てて比べるほうが正確です。従業員規模が大きくなるほど、人数だけでなく拠点数・雇用形態・手当の種類が費用を左右するため、同じ条件を書いた依頼書で複数社に見積もりを取り、チェックリストで比較しましょう。
給与計算の外注費用は、同じ従業員数でも会社によって見積額が大きく異なります。この記事では、顧問先500社以上の人事労務を支援してきた社会保険労務士法人とうかいが、従業員規模別の見積もりの考え方と、見積書を比較するためのチェックリストを解説します。
この記事の監修
社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子
これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先450社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。
現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。
主な出演メディア
- NHK「あさイチ」
- 中日新聞
- 船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」
社会保険労務士 小栗多喜子のプロフィール紹介はこちら
https://www.tokai-sr.jp/staff/oguri/
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結論:相場より「自社条件での見積もり比較」が確実
給与計算アウトソーシングには公的な統一相場がないため、自社の条件を揃えて複数社の見積もりを比べることが最も確実な方法です。
社会保険労務士の報酬には、かつて社会保険労務士会の会則で定める報酬規定(旧報酬基準)がありましたが、平成14年の社会保険労務士法改正で会則の記載事項から削除され、廃止されています。そのため、料金は事務所ごとに異なり、委託先によって「1人あたり単価が中心の料金表」「基本料金の比重が大きい料金表」など設計もさまざまです。

このセクションのポイント
- 公的な統一相場はなく、旧報酬基準も廃止済み
- 料金表の設計は委託先ごとに異なる
- 同じ条件で複数社の見積もりを取るのが確実
従業員規模別の見積もりの考え方
従業員50名未満の場合は何を見る?
50名未満の会社では、人数比例の部分が小さいため、基本料金や最低料金の設定が総額を左右しやすくなります。月額の最低料金があるかどうか、年末調整などのスポット費用がいくらかを重点的に確認しましょう。
従業員50〜300名の場合は何を見る?
50〜300名の会社では、正社員・パート・アルバイトなど雇用形態の数や、手当・シフトの種類が費用に影響します。勤怠データの受け渡し方法(システム連携か、紙・Excelか)によって委託先の作業量が変わるため、データの形式を見積もり依頼時に伝えることが重要です。
従業員300名以上・複数拠点の場合は何を見る?
300名以上や複数拠点の会社では、拠点ごとの締め日・給与規程の違い、入退社の多さ、社会保険手続きの件数が費用を左右します。人数段階ごとに単価を変える料金表もあるため、今後の採用計画も伝えて、人数が増えたときの料金を確認しておきましょう。
このセクションのポイント
- 小規模ほど基本料金・最低料金の影響が大きい
- 中規模は雇用形態・手当の種類と勤怠データの形式が鍵
- 大規模・複数拠点は拠点差と手続き件数、増員時の料金を確認
見積もり比較のチェックリスト10項目
見積もりを比較するときは、金額だけでなく「同じ範囲・同じ品質の業務に対する金額か」を確認します。
| No. | チェック項目 |
|---|---|
| 1 | 従業員数・雇用形態・拠点数を同じ条件で伝えたか |
| 2 | 年間総額(月額×12+スポット費用)で比較しているか |
| 3 | 初期設定費・データ移行費の有無 |
| 4 | 賞与計算・年末調整・住民税更新が含まれるか |
| 5 | 勤怠集計・給与明細配付・振込データ作成の範囲 |
| 6 | 再計算・修正対応が追加料金になるか |
| 7 | 保険料率改定など法改正への対応範囲 |
| 8 | 社会保険・労働保険の手続きも依頼できるか(届出の作成・提出代行は社労士の業務:社会保険労務士法第27条) |
| 9 | マイナンバーなど個人情報の安全管理体制 |
| 10 | 業務内容と報酬が書面で明示されているか |
マイナンバーを含む給与・社会保険事務を委託する場合、委託元の会社には委託先を必要かつ適切に監督する義務があります(番号法第11条)。料金だけで選ばず、安全管理体制も確認してください。
このセクションのポイント
- 条件を揃え、年間総額で比較する
- 追加料金の発生条件と法改正対応の範囲を確認する
- マイナンバーを委託する場合は委託先の監督義務がある
社会保険労務士法人とうかいからのアドバイス
見積もりの精度は、依頼時に渡す情報の量で決まります。
- 依頼書を1枚にまとめる:従業員数、雇用形態、拠点数、締め日・支給日、手当の一覧、勤怠システム名を記載する
- 3年後の人数で確認する:採用計画がある場合は増員後の料金も見積もってもらう
- 手続きとの一括委託を検討する:給与計算と社会保険手続きを別々に委託すると、データの受け渡しが二重になりやすい

社会保険労務士法人とうかいでは、給与計算と社会保険手続きをワンストップでお引き受けし、複数拠点を持つ企業にも全国フルリモートで対応しています。 → 給与計算アウトソーシングのご案内:https://www.tokai-sr.jp/service/payroll/
このセクションのポイント
- 見積もり依頼書に業務条件を1枚でまとめる
- 増員後の料金も確認する
- 給与計算と手続きの一括委託で受け渡しを一本化できる
よくある質問(FAQ)
Q1. 従業員数が多いほど1人あたりの費用は安くなりますか?
委託先によって異なります。人数段階ごとに単価を変える料金表もあれば、一律単価の料金表もあります。増員の予定がある場合は、人数が増えたときの料金を見積もり段階で確認してください。
Q2. 見積もりは何社から取ればよいですか?
決まりはありませんが、複数社から取ると比較しやすくなります。重要なのは社数よりも、全社に同じ条件の依頼書を渡し、年間総額と業務範囲を揃えて比べることです。
Q3. 社会保険労務士法人とうかいは従業員数が多い会社の給与計算に対応していますか?
はい、対応しています。社会保険労務士法人とうかいは従業員100名以上の中堅企業を主な対象とし、複数拠点の企業にも全国フルリモートで給与計算と社会保険手続きを提供しています。
まとめ
給与計算アウトソーシングの費用は、従業員規模に応じた見積もりの考え方と、条件を揃えたチェックリストでの比較によって適正に判断できます。見積もり条件の整理からご相談になりたい方は、社会保険労務士法人とうかいまでお気軽にお問い合わせください。

関連記事:給与計算のアウトソーシング費用の相場と内訳/ 給与計算の内製と外注の判断基準
監修:社会保険労務士法人とうかい 2011年開業・2015年法人化。名古屋本社・東京神田事務所を拠点に、顧問先500社以上の人事労務を全国フルリモートで支援。社労士事務所TOP100(2023年)選出、2026年サステナグロースカンパニーアワード「ライジングスター賞」受賞。
参考資料
- 社会保険労務士法 第27条(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/343AC0000000089
- 社会保険労務士法の一部を改正する法律(平成14年法律第116号、衆議院 制定法律情報):https://www.shugiin.go.jp/internet/itdb_housei.nsf/html/housei/15520021127116.html
- 行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律 第11条(e-Gov法令検索):https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC0000000027
- 全国社会保険労務士会連合会会則(抄)第43条の3、消費者委員会資料(2015年3月3日):https://www.cao.go.jp/consumer/iinkai/2015/185/doc/20150303_shiryou2_2_1.pdf
