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この順番で書類を準備すれば大丈夫。
6月12日発表の上限額引き上げ対応。
雇用調整助成金の申請書類の書き方について社労士が解説します。

新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴い、多くの企業が休業を実施しています。
休業をし、休業手当を支払うことにより、その補填として国から助成されるのが、雇用調整助成金ですが、申請方法が簡単になったとはいえ、初心者にはまだまだ難しいのも事実です。2020年6月12日拡充の雇用調整助成金の申請書類のか書き方について、社会保険労務士が解説します。
※助成金の申請は、労働局と事業主との個別の契約行為と解されます。ここでは一般的な書類の書き方を解説します。記事の内容の信ぴょう性については万全を期しますが、この記事に記載されていることと労働局の見解が異なる場合や、個別の契約においての特例などについて責任を負うものではありません。また、当記事の内容を参考にしたことでで企業などが損害を被ったとしてもいかなる責任を当社が負うものではありませんので、ご理解ください。
また、雇用調整助成金の内容に関しては別記事をご確認ください。

「新型コロナウイルスで要件緩和!雇用調整助成金について社労士が解説します。」はこちらへ
この記事の監修

社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子

これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先350社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。

現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。

主な出演メディア
NHK「あさイチ」

中日新聞
船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」


社会保険労務士 小栗多喜子のプロフィール紹介はこちら
https://www.tokai-sr.jp/staff/oguri

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雇用調整助成金の支給申請に必要な書類を準備しましょう。

社会保険労務士の小栗です。
申請書類は大きく分けると4種類あります。小規模事業主で雇用保険被保険者用と雇用保険被保険者以外用、それ以外の事業主で雇用保険被保険者用と雇用保険被保険者以外用です。

「雇用調整助成金」の申請のためには、まず、厚生労働省が準備している様式をダウンロードすることが必要です。
変更のたびに、様式も変更されていますので、厚生労働省のホームページに行き、最新のものをダウンロードしましょう。

6月12日補正予算成立後に発表になったものが最新の様式集になります。(2020年6月13日現在)

また様式は大きく分けて2種類あります。概ね20名以下の事業主用と、それ以外用です。

自社がどちらに該当するかを確認してダウンロードしましょう。

雇用調整助成金と緊急雇用安定助成金

雇用調整助成金の様式ダウンロードページでは、緊急雇用安定助成金の様式もダウンロードできます。緊急雇用安定助成金とは、雇用保険被保険者以外のための助成金です。

本来、助成金は雇用保険被保険者のための制度ですが、新型コロナウイルス感染症感染拡大の影響が大きいため、雇用保険被保険者以外の方の休業に対しても助成金が支給されます。

ただし、助成金がでるでないにかかわらず、休業手当の支払いは必要です。雇用保険の被保険者かそうではないか、正社員かそうではないかにかかわらず、使用者の責めに帰すべき事由での休業にはすべからず休業手当の支払いが必要です。
労働基準法違反となりますので、必ずお支払いください。

雇用調整助成金おおむね20名以下の事業主とそれ以外

雇用調整助成金、緊急雇用助成金の申請方法はおおむね20名以下の事業主とそれ以外とで大きく異なります。

おおむね20名以下の事業主の場合、マニュアルが厚生労働省から公表されていますので、それに従い作成ください。

本ページでは、雇用調整助成金のおおむね20名以下の事業主の以外の場合の書き方を解説していきます。

コンサルタント中村の経営視点のアドバイス

結局、おおむね20名以下の事業所とは何名の事業所が該当するのか?該当するのはどういった従業員なのか?よく聞かれる質問です。

カウントは雇用保険に加入している従業員数ではなく、全従業員数です。
問合せたところ、不安な場合は個別にハローワークに確認してほしいとのことでした。
なかなか境目が難しいところですが、20名以下の事業所であれば問題ないと思われます。
小規模の場合と中小企業の場合で、助成額の計算方法が変わってきますので、ご注意ください。

必要書類チェックリスト
様式以外の必要書類の準備

様式をダウンロードしたら、次は、様式以外に必要な書類を集めます。
必要な書類は通常の労務管理が行われているのであれば、事業所に備え付けられていることが多いとは思いますが、もしないのであれば専門家に相談ください。

書式名 備考 厚生労働省でのダウンロード
様式新特第6号
支給要件確認申立書・役員等一覧
計画届に役員名簿を添付した場合、別紙の役員等一覧は不要
様式特第9号または12号
休業・教育訓練実績一覧表
自動計算機能付き様式
様式特第8号または11号
助成額算定書
自動計算機能付き様式
様式特第7号または10号
(休業等)支給申請書
自動計算機能付き様式 ※所得税徴収高計算書を用いる場合は 当該計算書を添付

様式特第4号
雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書
【添付書類】
生産指標の低下が確認できる書類
「売上」等がわかる既存書類の写しも可
(売上簿、営業収入簿、会計システムの帳簿、客数のデータ、客室等の稼働率など)
△(添付書類の準備必要)
休業協定書
労働組合等との確約書等でも代替可
【添付書類】
(労働組合がある場合)組合員名簿
(労働組合がない場合)労働者代表選任書※
※実績一覧表(様式特第9号又は12号)の署名または記名・押印があれば省略可
労働局がひな形は提供
事業所の規模を確認する書類 既存の労働者名簿及び役員名簿で可
※中小企業の人数要件を見たしている場合、資本額を示す書類は不要
×
労働・休日の実績に関する書類 出勤簿、タイムカードの写しなど
(手書きのシフト表などでも可)
(必要に応じ、就業規則または労働条件通知書の写しなど)
×
休業手当・賃金の実績に関する書類 賃金台帳の写しなど(給与明細の写しなどでも可)
(必要に応じ、給与規定または労働条件通知書の写しなど)
×

各書類に関しては、この後解説していきます。
まずは、必要書類の全体像とない書類を確認してください。

休業協定書

休業協定書を用意します。
休業協定書は休業に関して、休業手当の支払い方や、休業の期間などを従業員代表と協定する書類です。
労働局より、ひな形が提供されていますので、そちらをダウンロードして、自社用にカスタマイズして使用するのがいいと思います。

助成金にとって必要な書類でもありますが、労使のトラブル防止のためにも非常に重要な書類です。今回新型コロナウイルス感染症感染拡大に伴って緊急で休業に入った企業もあると思いますが、本来は休業に入る前は必ず、休業協定書を締結すべきです。

様式新特第6号
支給要件確認申立書・役員等一覧

支給要件確認申立書は、事業主が助成金を支給しても問題ないかを確認する書式です。
質問に回答するかたちですので、正直に回答していきましょう。

回答に悩むことはほとんどないと思います。
モデル回答としては、
左欄4 → いいえ
左欄5 → 回答しない
左欄6~10 → いいえ
左欄11~15 → はい
左欄16 → はい
左欄17 → 回答しない
左欄18 → 解雇を行っていれば いいえ 解雇を行っていれば はい

となります。上記はモデル回答となりますので、必ずよく読んで回答ください。回答によって助成金を受給できなくなりますので、ご注意ください。

様式特第9号または12号
休業・教育訓練実績一覧表

労務支援チームの大矢です。
非常に記入しにくい様式ですが、頑張って記入しましょう。

様式新特第9号休業・教育訓練実績一覧表は、休業の実績を記入する様式です。
1枚に10名の従業員を記載することができます。氏名、雇用保険被保険者番号、月間所定労働日数、うち、全日休業、短時間休業、教育訓練実施日を順番に記載していきます。

よくある質問としては、所定労働時間が8時間の事業所で6時間で契約しているパートさんが6時間休業した場合、どう記載するのか?ということをよく聞かれます。この場合は、全日休業に該当します(6時間中6時間)あくまでも短時間休業は該当する従業員が時短勤務を行った場合に使用しますので、ご注意ください。

また、6時間勤務の方が4時間勤務となり、2時間の短時間休業を行った場合は⑤欄に「2」を記載します。

様式に記載することで自動的に計算されますが、人数が多い場合、協定を行った労働者代表の方の署名捺印を何枚ももらうことになってしまいます。ですが、こちらの様式の最終貢にのみ署名捺印をもらうことで代用できますので、最終貢に署名捺印をもらってください。
※事業主の記名押印も同様です。

様式特第8号または11号
助成額算定書

コンサルタントの中村です。
計算方法で受給額が変わります。

様式新特第8号助成額算定書は助成金の金額を決定する様式です。
この様式での計算方法が助成金の金額を決定しますので、重要な書類と言えます。
今回、雇用調整助成金の特例で、助成額の算定方法が大きく2種類になりました。2種類の方法のいずれを使用しても問題はありませんが、計算方法により、助成額が異なることに注意が必要です。

また、上限が15,000円、中小企業で解雇をしていなければ10/10支給されるというニュースから、「休業手当の10/10(上限15,000円)」と勘違いされている事業主の方が多いように思いますが、そうではありません。あくまでも、この計算方法により計算した計算結果に対しての10/10(上限15,000円)です。
※おおむね20名以下の小規模事業主の場合は休業手当を使用します。

給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書を使用する場合

おそらくこちらの方が基本の計算方法になると思われますので、こちらから記載します。
手元に、初回の判定基礎期間の初日が属する年度(4月1日~3月31日)と前年度の給与所得・退職所得等の所得税徴収高計算書をご用意ください。通常、昨年の4月~休業を開始した月までの期間です。すべてご用意ください。

下図の①欄を様式新特8号の(1)欄賃金総額に転記します。
また、②欄を様式新特8号の(2)欄1か月の人員欄に転記します。
※俸給・給料等欄です。
その後、その月の所定労働日数を(3)欄に入力します。
※平均賃金欄(4)に数字が自動的に反映されます。

助成金の算定には、上記で用意した月のいずれを使用してもいいことになっていますので、すべて計算を行い、もっとも高い月を使用するのがいいでしょう。

労働保険料確定保険料申告書を使用する場合

労働保険料計算書をご用意ください。
その中の賃金総額を(1)欄に転記します。
また、1年間の平均の雇用保険被保険者数も記載されていると思いますので、そちらも(2)欄に転記します。
最後に(3)欄に年間の所定労働日数を記入すれば、(4)欄に平均賃金額が反映します。

休業手当の支払い率

労使協定書で定めた、休業手当の支払い率を記入します。
全日と短時間で違う場合は、それぞれ記入します。
雇用形態ごとに違う手当の支払い率を設定している場合は、低いほうの支払い率が適用となります。また、教育訓練に関しては原則として休業手当の支払い率は100%となります。

月間休業延べ日数

様式9号から転記をします。

様式特第7号または10号
(休業等)支給申請書

雇用調整助成金支給申請書は支給の申請を行う書類です。
ここまでに作成した書類の転記を行うことが多い書類です。

順番に記入していけば特に難しい書類ではありません。
ただし、社会保険労務士に提出代行等を依頼する場合は、添付書類として連絡先についての書類を添付しましょう。
通常、事務担当者へ連絡がいきますので、問合せ等を社会保険労務士に代行してもらいたい場合は、追加書類が必要です。

コンサルタント中村の経営視点のアドバイス

判定基礎期間は給与締めを同じです。判定基礎期間は月初から月末までを設定するのではなく、給与締めの期間を設定します。

様式特第4号
雇用調整事業所の事業活動の状況に関する申出書

雇用調整助成金新型コロナウイルス感染症感染拡大特例は新型コロナウイルス感染症感染拡大によって売上が減少していなければ申請することはできません。
判定期間と対象月を比較して、売上が5%以上落ちている必要があります。ただし、比較できる月は特例の拡大である程度の自由度があります。
また比較できる指標としても受注高などを使用することができますので、該当する月の算出した書類を添付して提出しましょう。

事業所の規模を確認する書類

事業所の規模を確認する書類は基本的には労働者名簿です。
労働者の一覧がわかれば問題ありません。
もちろん、労働者名簿としての要件である履歴などが確認できたほうが望ましいことは言うまでもありませんが、今回の助成金における書類ではそこまでの記載を求めていません。

自社で管理している従業員一覧を提出しましょう。

労働休日の実績に関する書類

労務支援チームの高谷です。
勤務予定と実績が比較してわかるようになっていることが望ましいです。

労働・休日の実績に関する書類は、自社の勤怠管理で使用しているソフトから出力しましょう。
ここでのポイントは勤務の予定と実績がわかることです。
所定労働日数は会社によって違いますし、休日も会社によって違います。会社によっては人によっても違います。自社の勤怠から考えると休みはいつも一緒だとしても出勤簿だけではいつが休日かわからないのです。

出勤予定を明示しつつ、それに対して休業したのか、出勤したのかがわかる必要があります。

今回、休業手当の支払いが100%の企業であれば、給与明細に休業手当の項目を作成しなくてもよいことになっています。その分、何日の休業に対して休業手当を支払ったのかがわかりにくくなっていることがあります。

各個人で、休業の時間数や日数がわかるようにしておきましょう。

休業手当・賃金の実績に関する書類

休業手当・賃金の実績に関する書類は賃金台帳や給与明細の写しです。
休業手当の支払いが日額の100%の場合は休業手当を分けて、明示する必要はありませんが、休業手当の支払いが100%ではない場合は、欠勤控除を行い、休業した分の控除を行ったうえで、休業手当を支払うほうが望ましいといえるでしょう。

例)所定労働日数20日 基本給20万 休業手当の支払率80% 
10日間休業
基本給 200,000円
欠勤控除 -100,000円
休業手当 80,000円
合計 180,000円

このように休業手当をいくら支払ったのか賃金台帳や給与明細上でわかるようにしておく必要があるのです。

追加で休業手当を支払った場合は、その支払いの明細も添付して提出しましょう。

チェック

社会保険労務士の小栗です。
申請前にチェックをしましょう。

一通り申請書類を準備したら、チェックを行いましょう。
チェックは大きく2つのチェックがあります。
・書類の不備がないかどうかのチェック
・書類同士の整合性が取れているかのチェック
この2種類の視点で書類をチェックしてから提出を行いましょう。

書類の不備がないかどうかのチェック

押印忘れなど、今一度チェックをしてください。必ず押印しなければならないわけではありませんが、捨印を押印してあると労働局に提出後に修正を行うことができることがありますので、希望に応じて押印しておくといいでしょう。

また、申請書類は両面印刷で出力しますので、裏面の記載事項がもれていたり、提出日の記載がないこともよくありますので、ご確認ください。

書類同士の整合性が取れているかのチェック

勤怠では10日間休業を行っているのに、賃金台帳では8日分しか休業手当が支払われていない…様式9号には6日休業したことになっているが、実際は10日休業しているなど…一つひとつの書類は合っていても、連動している書類の整合性がとれていないことがあります。給与計算が間違っている場合などもあります。

事実に相違がないように、各書類の整合性をお確かめください。

まとめ

コンサルタントの中村です。
雇用調整助成金のお問合せは私にお任せください。

いかがでしたでしょうか。

順番に申請書類について解説を行ってきましたが、不明点が残った方もいらっしゃるのではないでしょうか?

こちらのサイトは順次解説を追加していく予定ですが、お急ぎの場合など、直接問合せいただいても構いません。

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雇用調整助成金に関して当社のスタンスは、基本は自社で申請を行っていただき、弊社は申請支援のアドバイスを行います。完全に申請を代行したいという場合は提出代行を承りますが、その場合は成功報酬をいただきます。顧問先限定のサービスですので、ご理解ください。

雇用調整助成金だけではなく、総合的な人事労務の支援を受けたい方はご検討ください。

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