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個人事業主が加入する社会保険はどれ?

保険の種類や加入方法、新たに従業員を雇う場合についても解説

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  • 個人事業主が加入する社会保険はどれ?保険の種類や加入方法、新たに従業員を雇う場合についても解説

個人事業主といっても、事業主本人が加入する社会保険、また従業員を雇用した場合の社会保険など、注意すべきポイントがいくつかあります。特に、企業が成長し、従業員を雇うようになると、正しい社会保険の理解が求められます。日本にはいくつかの社会保険制度があり、それぞれの特徴や加入方法をしっかり把握しておく必要があるでしょう。個人事業主は、自身と従業員の福利厚生を充実させるためにも、適切な社会保険の加入が欠かせません。

目次
この記事の監修

社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子

これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先350社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。

現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。

主な出演メディア
NHK「あさイチ」

中日新聞
船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」


社会保険労務士 小栗多喜子のプロフィール紹介はこちら
https://www.tokai-sr.jp/staff/oguri

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個人事業主が加入できる健康保険と介護保険

個人事業主が加入できる健康保険と介護保険を見ていきましょう。

個人事業主が加入できる社会保険はいくつかの種類があります。国民健康保険などが一般的ですが、条件によっては、国民健康保険組合に加入したり、配偶者などが加入する健康保険の被扶養者となる、個人事業主になる直前に勤務していた会社の健康保険を任意継続するといった、他の選択肢もあります。社会保険加入は、事業主自身の経済的安定にもつながります。また、個人事業主が従業員を雇う場合は、社会保険はもちろんのこと、労災保険や雇用保険への加入も必要です。これらの制度を利用することで、自身の事業を安定させ、従業員に安心を提供するための大切な基盤となります。

国民健康保険とその加入方法

国民健康保険は、自営業者やフリーランスの方が中心に加入する健康保険制度です。医療費の自己負担を軽減し、安心して医療を受けることを可能にするためには、必要な健康保険になります。加入するためには、居住地の自治体に申請を行う必要があります。手続きには本人確認のための身分証明書や印鑑、収入状況を証明する書類が必要で、保険料の計算方法は自治体によって異なりますが、前年の所得などに応じて決定されます。手続き後、一定の期間で加入が認可されると健康保険証が交付されます。入院や外来治療などの際に保険証を提示することで、定められた割合の医療費が補助されます。国民健康保険の制度は、自営業者が日常生活で医療を受けやすくするために重要な役割を果たしています。もしも手続きが遅れると、医療費が全額負担となってしまう可能性もあるため注意が必要です。

任意継続で加入する健康保険

会社を退職し個人事業主になった場合には、任意継続制度を利用することで、退職前に会社で加入していた健康保険に引き続き加入することができます。退職前の会社に継続して2か月以上勤めていた場合には、この制度が利用できます。健康保険の保障内容を途切れさせずに継続できるため、医療費負担の軽減が期待できます。任意継続を利用する場合には、退職日の翌日から20日以内に手続きを行う必要があります。また、退職前は、会社と折半であった保険料は全額自己負担であるため、収入の変動を考慮することが重要です。制度の利用により、安定した医療保障を確保することができるため、状況に応じた選択が求められます。

家族の扶養として加入できる健康保険

個人事業主が家族の扶養となって健康保険に加入するケースもあります。個人事業主自身の収入が扶養の要件に該当するような一定収入以下である場合、家族の扶養者として健康保険に加入することができます。扶養の範囲には、配偶者や子供、父母などが含まれます。家族の扶養に入ることで、保険料の負担はありません。ただし、家族が加入する健康保険によって、扶養者になる要件が異なる場合もありますので、確認することが重要です。

コンサルタント中村の経営視点のアドバイス

すでに個人事業主として事業を行っている方、これから開業を予定している方、事業の計画とあわせて大切なのが、社会保険に関することです。事業に力を注ぐためにも、生活を支える社会保険に関する理解と手続きは欠かせません。

個人事業主が加入する年金制度とは

個人事業主が加入する年金制度について詳しく見ていきましょう。

個人事業主は、国民年金に加入する必要があります。将来の生活に必要な資金を蓄える重要な手段です。年金の加入は、自身の老後の生活を支えるために不可欠であり、未加入のままでは将来的に不安が残ります。年金制度の理解は、経営を行う上でのリスクマネジメントの一環ともいえるため、正確な情報を集めて計画的に加入することが望まれます。

国民年金とその加入条件

国民年金は、20歳以上60歳未満のすべての国民が対象で加入しなければならない年金制度です。加入手続きは、居住地の役所で行う必要があり、必要書類としては本人確認書類と印鑑が求められます。また、未加入の場合は、将来的に年金受給の権利を失う可能性があるため、注意が必要です。国民年金の受給資格を持つことは、安心して老後を過ごすための大きなステップとなるでしょう。

高谷の経営視点のアドバイス

個人事業主の場合、忘れてならないのが国民年金の手続きです。将来の資産を準備するためには必ず手続きを行いましょう。また、国民年金基金やiDeCoなど、将来の年金にプラスする備えも検討することをおすすめします。

従業員を雇用する個人事業主と社会保険加入手続き

従業員を雇用する個人事業主と社会保険加入手続きについて見ていきましょう。

個人事業主が常時5人以上の従業員を雇用するときには、事業所として社会保険の加入手続きが必要です。事業運営において非常に重要な手続きです。従業員を雇用する際には、社会保険加入に関する正しい手続きを理解することが重要です。社会保険は、従業員に対して医療や年金の保障を提供する制度であり、事業主としての責任の一環でもあります。特に、労働者の福祉を守る目的から、法令に基づいた手続きを遵守する必要があります。加入する際には、従業員の雇用形態や人数による制度の違いにも注意すべきです。適切な社会保険に加入することで、企業の信頼性を高め、従業員の安心を確保することができます。

従業員を5人以上雇用するには社会保険の適用

個人事業主が常時5人以上の従業員を雇う場合には、社会保険の適用事業所となります。健康保険、厚生年金保険、介護保険の手続きが求められます。個人事業主や従業員の意思は関係なく、該当すれば強制適用事業所ということになります。必要な手続きを確実に行うことが大切です。具体的には、健康保険・厚生年金保険の新規適用申請を行ったり、従業員の情報を年金事務所に届けたりする必要があります。これにより、従業員は十分な保障を受けることができ、企業にとっても信頼性向上の手段となります。社会保険の加入手続きは複雑な場合もありますが、適正な手続きを経て安心な職場環境を整えることが肝要です。

一方、従業員数が少なく強制適用にならない事業所であっても、希望する場合に社会保険に加入できる制度もあります。この場合は任意適用と言い、従業員の過半数以上の同意があれば、適用事業所とすることが可能です。手続きには、任意適用申請書と合わせて、従業員の同意書や情報が必要となります。任意適用が認められると、健康保険の保障を受けることができ、従業員の医療費負担を軽減することにつながります。厚生年金保険については、将来の年金受給に影響します。したがって、経営者にとって、要件や手続きの詳細を把握しておくことは欠かせません。

従業員を1人でも雇ったら加入必須なのは労働保険

個人事業主が新たに従業員を1人でも雇った際に、必ず加入が求められるのが、労働保険である労災保険と雇用保険です。労災保険は、従業員が業務中に負った傷害や疾病に対して給付を行う制度で、雇用保険は失業時の生活を支えるための手当を提供します。この二つの保険への加入は、従業員を雇用する以上、法律により義務づけられています。特に雇用保険は、長期間働く従業員に対しての求人維持や労働市場の安定保障を目的としています。法人化を考えた際にも、これらの保険は必要不可欠と言えるでしょう。労働保険の加入は、事業所を運営する上での必須要件であり、未加入の場合には法的な罰則を受ける可能性もあるため、注意が必要です。従業員を安心して雇用するためには、労働保険に早急に加入することが求められます。

厚生年金保険への加入条件と手続き

個人事業主は、基本的に厚生年金保険に加入することができません。国民年金に加入することになります。個人事業所が法人化した場合には、事業主であっても厚生年金に加入可能です。

厚生年金保険は、従業員を雇用し一定の要件を満たす場合に、適用事業所として加入する年金制度です。従業員の人数が5人以上の場合、法的に加入が義務づけられていますし、従業員が少ない事業所であっても、従業員の過半数の同意があれば加入が可能です。手続きにおいては、加入申込書を年金事務所に提出し、従業員の情報を登録することが求められます。年金制度を通じた保障は、企業の信頼性を高めるうえで重要な要素となります。

小栗の経営視点のアドバイス

個人事業主として1人で事業をスタートしても、事業が成長していくにつれ、従業員を雇用するようになるでしょう。従業員を1人雇うということは、それだけ事業主の責任も大きくなるものです。とくに健康保険や厚生年金保険などは、専門的な知識と理解も必要になりますので、従業員の採用予定のある場合は、早めに社労士にご相談を。

確定申告と社会保険

確定申告と社会保険について解説します。

確定申告は、自身の所得や経費を報告し、税金を清算するための重要な手続きです。個人事業主は、毎年行うこの申告の際に、社会保険料として支払った保険料について社会保険料控除の申告を行います。所得を適切に計算することができ、節税にも役立つことがあります。さらに、社会保険の支払いがあることで、将来の年金や医療保障が得られるため、確定申告はもはや税務手続きだけでなく、生活設計全般に影響を与える重要な行為です。

個人事業主の社会保険と確定申告はどうなる?

個人事業主は、確定申告を行う際に支払ってきた社会保険料をしっかり把握する必要があります。個人事業主は基本的に国民健康保険や国民年金などに加入することになりますが、従業員の社会保険料と異なり、個人事業主の社会保険料は、事業経費として計上することはできません。ただし、確定申告の際には社会保険料控除として、所得控除をすることになります。このため、確定申告において保険料を正確に記載することが重要です。確定申告では、書類の準備や必要な情報の確認を怠らないように注意が必要です。

まとめ

個人事業主は、社会保険への加入や確定申告において、会社で働く従業員と異なる重要な手続きが多数存在します。とくに社会保険は、個人事業主自身や従業員の健康や老後の保障を提供するため、適切な知識と手続きが必要です。また従業員を雇用する場合、労働保険の加入が義務付けられていますし、5人以上の従業員を抱えると健康保険や厚生年金への加入も求められます。

社会保険についての正確な理解と制度の利用で、将来的なリスクを軽減し、安定した経営を支えることが期待できるでしょう。個人事業主として成功するためには、これらの知識を身につけて安心感を持ってビジネスを展開することが求められます。社会保険の加入や手続きについては、社会保険労務士にご相談ください。

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