IT業(情報通信産業)の社労士選び。
IT業界特有のトラブルやテレワークなど
新しい働き方に対応できる社労士選びのヒントをご紹介します。

社労士選びシリーズの第3弾、『IT業界の社労士選び』です。

IT業界も領域により働き方は様々ですが、経営者様や人事労務の方の抱える課題やお悩みには、共通する部分も多いでしょう。慢性的な人材不足、長時間残業、メンタル不調者に加え、最近ではテレワークなどの多様な働き方ニーズへの法的対応など、IT業界のスピードに合わせながら、常に最新の法律知識をキャッチするのは、至難の技ではないでしょうか。

今回は、業界特有の労務対応に詳しい社会保険労務士選びのヒントを解説していきます。

IT業(情報通信産業)とは?

今や私たちの生活に欠かせないIT。IT業界の労務課題を一緒に解決していきましょう。

IT業(情報通信業)の領域はとても広い業界で、GAFAと呼ばれる世界の巨大企業から、小規模のゲームコンテンツを制作する企業まで実に規模も内容も実に様々です。また必要とされる技術やサービスも進化のスピードが速く、より複雑化している業界ともいえるでしょう。まずは、IT業界の大きな特徴をみておきます。

インターネット・Web業界

ネットワーク構築、Webサイト制作、インターネット広告をはじめ、インターネットを活用して様々なサービスを提供する業界です。企業のWebサイト制作やリスティング広告を行うサービスや検索エンジン、FacebookのようなSNSサービスを行うサービスに代表されるように、企業向け「BtoB」サービスや個人向け「BtoC」サービスなど、裾野が広く、また技術進歩が早い業界です。企業などでDX化が推進されるなか、今後も需要増加が続く業界でしょう。

ソフトウェア業界

ソフトウェアは、WindowsやMac、Unix、Linux、スマートフォンで利用されるAndroidやiOS といったオペレーティングシステム(OS)上で利用するソフトウェア(アプリケーション)の設計・開発にかかわる業界です。クライアントの課題要望に対してソフトウェアを開発する「BtoB」企業と、個人ユーザ向けにパッケージソフトウェアを開発する「BtoC」企業などがあります。AIやIoT、Fintech、セキュリティなど、技術革新とあわせて、進化していく業界です。

ハードウェア業界

ハードウェア業界は、PC、スマホ、家電やゲーム機などハード製品を製造する業界。大枠では製造業でもあるわけですが、「組み込みエンジニア」と呼ばれるエンジニアが、ハードウェアを制御するシステムを開発します。IoT分野などでインターネットとつながるようになった今、高度な組み込みシステムが要求されるようになっています。

情報処理サービス業界

いわゆる「システムインテグレータ(Sier)」と呼ばれる情報処理サービス。主にクライアント企業が利用する情報システムの企画・開発・設計・運用を行います。自治体などの公共システム、金融機関のような社会インフラを担う大規模システムをはじめ、会社ごとの基幹業務システムなど、幅広い分野に渡ります。

 

ピラミッド構造のIT業界。特徴とトレンド

IT業界にとりわけ多くみられる労務管理上の諸問題について解説します

建設業界に例えられるピラミッド構造ですが、IT業界もピラミッド構造で運営されるケースが多くあります。

Sierを例にとると、クライアント企業から直接仕事を請け負う企業は、元請けあるいは一次請け企業と呼ばれます。小さな開発案件であれば、システム開発を行い、納品します。一方、大型案件ともなると、クライアント企業の要望をヒアリングし、要件定義など上流工程までは行いますが、システムの開発、運用テストなどは二次請け企業、三次請け企業が行なっていきます。これがIT業界がピラミッド構造だと言われる所以です。元請けのITベンダーを頂点としたピラミッド構造となっているのです。当然、下流工程にいけばいくほど、待遇格差を生んだり、利益が出にくいといったことになりかねません。とくにエンジニアの慢性的な人材不足から、下請け企業から、人材を調達するケースが多くあります。しかし、下請け企業も自社の人材が不足していて要望に応えられず、さらなる下請け企業から人材を調達します。そうして、ピラミッド構造がどんどん多重化していくのです。

このような事業構造を背景に、具体的に発生することの多いケースをみていきましょう。

IT業界は契約形態もいろいろ。知らないうちに偽装請負になっていたケースも。

IT業界は多重構造のピラミッド型でしごとが行われることが多いため、エンジニアが社外に常駐したり、客先で業務にあたることも多くなります。契約形態も複数ありますが、大きくわけて「請負契約」、「準委任(SES)契約」、「派遣契約」の3種類です。これらの契約形態によって、従業員の労働時間の管理内容なども異なってきます。

請負契約

請負契約は、「業務受注者が、委託された業務を完成させることを約束し、業務発注者は完成された仕事の結果に対して報酬を支払う契約」のこと。そのため、仕事を受けた企業が「仕事の完成責任」を負うものです。そのため、仕事を依頼した企業は、実際に仕事を行う人に対して、仕事の指揮命令はできません。仕事を受けた企業の従業員は、自身の会社の指揮命令のもと労働時間を管理されるわけです。

準委任(SES)契約

準委任契約は、一定の期間において、定められた業務の処理を行う契約です。システムの運用や保守などでよく用いられます。請負契約と似ていますが、仕事の完成責任は負いません。ただ、仕事の指揮命令は、仕事を受けた企業になりますので、こちらも仕事を受けた企業の従業員は、自身の会社の指揮命令のもと労働時間を管理されます。

派遣契約

派遣契約は、請負契約や準委任契約とは違い、業務の完遂や遂行が目的ではなく、派遣先の労働者として業務を行うことを目的としている契約です。請負契約と準委任契約と違うのは、仕事の指揮命令は、仕事を依頼する側(=派遣先)ということ、労働時間管理も派遣先が行うことになります。ただし、給与の支払いや有給休暇の付与は派遣元事業者となります。

このさまざまな契約形態ですが、業務の目的や内容に沿った契約を適用しないと「偽装請負」のペナルティを科されかねません。とくに客先常駐などで仕事をする場合、作業時間を客先に合わせることが一般的なため、実態は客先の指揮命令のもと労働時間が管理されているといったケースも少なくありません。最近では偽装請負へのチェックは厳しくなっており、たとえ「請負契約」であっても、客先による指揮命令があった場合には、偽装請負とみなされ、発注側・受注側ともにペナルティを受ける可能性があります。

裁量労働できない?システムエンジニアの専門業務型裁量労働制。

IT業界のシステムエンジニアに適用されることの多い「専門業務型裁量労働制」。導入している企業も多いのではないでしょうか? でも、この裁量労働制が問題となるケースも少なくありません。そもそも会社が裁量労働制を正しく理解しておらず、本来であれば裁量労働が適用できない仕事内容にも関わらず、裁量労働制を適用して、残業手当が未払いであるといったケースもあるのです。多重下請け構造や分業などによって、裁量労働の対象とならないシステムエンジニアが大勢いるのが事実だと思います。

専門業務型裁量労働制が対象となる業務は「情報処理システムの分析または設計の業務」とされています。

具体的には、

① ニーズの把握、ユーザーの業務分析等に基づいた最適な業務処理方法の決定およびその方法に適合する機種の選定

② 入出力設計、処理手順の設計等アプリケーション・システムの設計、機械構成の細部の決定、ソフトウェアの決定等

③ システム稼働後のシステムの評価、問題点の発見、その解決のための改善等の業務

これら対象業務にはプログラムの設計・作成を行うプログラミングの業務は含まれません。プログラマであるにもかかわらず、裁量労働制を適用しているといったケースもあります。

納期が厳しく長時間労働。メンタル不調や過労死も。

IT業界で頻繁にトラブルになったり、議論にあがるのが、長時間労働の問題です。

ピラミッド構造の下層になればなるほど、納期は厳しくなっていきます。人材リソースも限られている中、開発納期が逼迫していたり、システムトラブルが発生すれば、深夜まで残業することも珍しくありません。ピラミッド構造の下層になっていく企業ほど、そのしわ寄せの影響を被るのです。長時間労働が続けば、従業員のメンタル不調を引き起こしたり、最悪なケースになれば、過労死を招きかねません。残業代が未払いになっていたり、サービス残業を強要したりといった劣悪な環境に陥りやすい状態が続きがちです。企業の人事労務管理の問題も大きいですが、「IT業界の構造の課題」として、IT業界全体の改善も必要な問題です。

IT業界ならではの強み。テレワークなどのワークスタイル

テレワークやリモートワークなど新しい働き方が、新型コロナウイルス感染拡大による緊急事態宣言の影響で、半ば強制的に多くの企業でテレワークが導入されはじめました。

とくにIT業界では、もともとテレワークに適している職種が多いことに加え、クラウド環境の整備が進んでいることもあり、特段の労力なく、受け入れられているようです。しかしテレワークが導入できるからといって、前述の長時間労働や裁量労働の問題がクリアになるわけではありません。テレワークだからこその労務管理も必要になってくるでしょう。とはいえ、テレワークの導入で日本に限らず世界に目を向けて人材採用が可能になります。人材不足に悩む企業にとっても、テレワークは有効な人材確保手段になりうるかもしれません。加えて、テレワーク導入により、オフィス賃料などの固定費削減が、人件費に転換できる可能性も秘めています。より良い人材の確保や離職率の低下にもつながるのではないでしょうか。

IPO(株式公開)が多い業界。これからも増加傾向。

事業資金の調達や会社の信用度向上のために、IPO(株式公開)を行う企業が増えています。コロナ禍の影響で、一時IPOを延期・中止する企業もありましたが、再びIPOを狙う企業も増えつつあります。とくに今後も成長が見込まれるIT業界では、5Gなどの技術導入に伴って、さらに増えていくことが見込まれています。

IT業界に強い社会保険労務士の特徴とは?

IT人材の争奪戦。勝ち残る企業は、従業員の労務管理を重視しています。

ここまでみてきたように、IT業界は独特な産業構造や慣習に加え、雇用形態や働き方が多様です。また、IPOなどを予定している企業にとっては、人事労務に関するコンプライアンスは年々厳しく審査される傾向があります。そうしたIT企業が抱える非常に複雑な人事労務の問題に対応するには、IT業界に精通する社会保険労務士選びが重要になってくるのです。

IT業界の慣習などに詳しい

年々、市場規模が膨らむIT業界。頼りになる社労士は、IT業界の多重構造や業界独特の慣習などに詳しいことがポイントです。システムエンジニアやプログラマーだけでなく、ディレクター、プロジェクトマネージャー、コンテンツクリエイターなどと職種も多岐に渡るので、それぞれの特性や業界用語などにも知見のある社労士を選択すべきです。

裁量労働制、フレックス、テレワークなどの労働時間制や働き方に詳しい

長時間労働が起こりがちなIT業界は、労働時間管理の深い知見が求められます。専門業務型裁量労働制やフレックスタイム制はもちろんのこと、テレワークなどの働き方と労働法令との関係など、コンプライアンスを重視しつつ、柔軟性ある新しい働き方への課題解決を支援してもらえる社労士を選びたいところです。

Chatwork、SlackなどITツールを使いこなすことができる

IT業界で求めるスピード感、効率性に対応するためには、ITツールを使いこなせることは必須ではないでしょうか。労務相談をインタラクティブに行えるChatworkやSlack、Zoomなどを利用しながら、対応してくれる社労士を選びましょう。

労務DD(デューデリジェンス)ができる

IPOが活況なIT業界。最近のIPO上場申請を予定している企業にとっては、人事労務に関するコンプライアンスが担保されているかどうかは、非常に大きなハードルです。適法に運用されていなければ、改善の必要がありますが、人事労務に関する事項は、是正にも時間がかかるものが多く、最優先で手をうたなければならない事項です。未払い残業代などの債務がないか、規程類が適法に運用されているかなど、現状の問題・課題・リスクなどの洗い出すなどの労務DDを行ってくれる社労士が適任でしょう。

まとめ

各種ITツールを利用しながら、スピード感ある対応を行いますぜひご相談ください

最近では、下請け構造脱却を掲げるIT企業も増えつつありますが、まだまだ道半ばの企業も多いと思います。

従業員の労務管理に関する課題やリスクに頭を悩ませている経営者や人事労務担当者も多いでしょう。さらにIPOを目指す会社にとっては、上場審査のクリアは、今後の経営に直結する重大かつ優先度の高い事項です。リスクの診断から規定の整備、構築、運用までトータルにサポートしてくれる社労士選びをご相談ください。

私たち社会保険労務士法人とうかいは早くからオンライン対応に取り組んできたこともあり、ChatworkやZOOMなどのITツールの扱いにも長け、多くのIT企業の皆様にご支持いただいております。

無料相談を実施していますので、弊社のサービスのやり方などをご体験いただければと存じます。

よろしくお願いします。

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