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スポットワークで労災が起きたらどうする?

労災保険の補償範囲と給付申請方法を解説

人手不足に悩む企業が多い中、利用が増えつつあるのがスポットワークです。とても便利な働き方ではありますが、トラブルも顕在化してきました。スポットワークや短期のアルバイトを行う際には、労災が発生することも考えられます。労災保険の制度があるため、万が一の際にどのように対応すればよいのかを理解しておくことが重要です。労働者を守るための制度をうまく利用することで、より安心して働くことが可能となります。

目次
  1. 労災とは何か知っておこう
    1. 労災(労働災害)の定義
    2. 労災保険とはどんなものか
  2. 【企業向け】労災発生時の対応フロー
    1. STEP1:現場での初期対応(被災者の救護と二次災害の防止)
    2. STEP2:事故状況の把握と関係者への連絡
    3. STEP3:労災保険の給付手続きをサポート
    4. STEP4:労働基準監督署への報告(労働者死傷病報告)
    5. STEP5:再発防止策の策定と実施
  3. 【企業向け】知っておくべき企業の法的義務と注意点
    1. 労災申請への協力義務
    2. 安全配慮義務違反による損害賠償責任
    3. 労災隠しのリスクと罰則
    4. 労災認定に意見がある場合の対応
  4. スポットワーク中に注意すべきこと
    1. 飲食店でのよくある事故とその対策・注意点
    2. コンビニ・スーパーでのよくある事故とその対策・注意点
    3. 運搬・軽作業でのよくある事故とその対策・注意点
  5. 労災が起きてしまったらどうするか。補償される災害とは
    1. 飲食店での火傷
    2. 配送センターでの腰痛
    3. デリバリー中の事故
    4. トイレへ行く際の転倒
  6. 労災保険の給付申請方法と手順
    1. 病院での受診と健康保険証を使わないこと
    2. 診断書や証明書の重要性
    3. 会社からの証明
    4. 労働基準監督署への書類提出
    5. 給付金の振り込み
  7. 労災に関するよくある質問
    1. 会社が労災を認めなかったらどうするか
    2. 申請期限について
    3. 給付金額について
      1. 休業(補償)等給付の具体例
      2. 傷病(補償)等年金の具体例
  8. まとめ
この記事の監修

社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子

これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先350社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。

現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。

主な出演メディア
NHK「あさイチ」

中日新聞
船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」


社会保険労務士 小栗多喜子のプロフィール紹介はこちら
https://www.tokai-sr.jp/staff/oguri

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労災とは何か知っておこう

労災とは何か?詳しく解説します。

労災(労働災害)とは、業務中や通勤中に発生する事故や病気のことを指しています。これは労働者が働いている間に起こる様々なトラブルをカバーするための制度です。短期で働くスポットワークの場合、配達作業や工場作業などの仕事も多く、事故のリスクは一般的に高いため、労災について理解することが不可欠です。事前に知識を持っておけば、緊急時にも適切な対応ができるでしょう。

労災(労働災害)とは、業務中や通勤中に発生する事故や病気のことを指しています。これは労働者が働いている間に起こる様々なトラブルをカバーするための制度です。短期で働くスポットワークの場合、配達作業や工場作業などの仕事も多く、事故のリスクは一般的に高いため、労災について理解することが不可欠です。事前に知識を持っておけば、緊急時にも適切な対応ができるでしょう。

労災(労働災害)の定義

労働災害は、業務の開始から終了まで、あるいは通勤途中に発生したけがや病気のことを指します。例えば、飲食店での調理中に刃物で切ってけがをしたり、運搬作業中に荷物に足を挟まれたりするケースが挙げられます。これらは基本的に労災(労働災害)として認定されます。

労災保険とはどんなものか

労災保険は、業務中や通勤中に発生した事故や病気に対して、労災と認定されるとさまざまな補償を受けることになります。保険給付として支給されることになります。多くの企業では、すべての従業員を対象にこの労災保険が適用されます。具体的には、治療費や休業手当が支給され、労働者が安心して療養に専念できる環境が整います。

高谷の経営視点のアドバイス

簡単に応募できるとあって、スキマ時間や短期・短時間で働くスポットワークが増えています。新しい働き方が増える一方で、配達中のけがなどのトラブルも増えつつあります。仕事を依頼する側、働き手側、ともに知っておかなければならない労災のこと。社労士がアドバイスします。

【企業向け】労災発生時の対応フロー

労災発生時に企業が行うべき対応を見ていきましょう。

スポットワーカーを含む従業員が業務中に労働災害に遭った場合、企業は迅速かつ的確な対応を求められます。その対応は、単に被災者の救護に留まらず、行政への報告義務や再発防止策の策定など多岐にわたります。

ここでは、労災発生直後の初期対応から、事故状況の把握、労災保険手続きの支援、労働基準監督署への報告、そして将来の事故を防ぐための対策立案まで、企業が取るべき一連の行動を5つのステップに分けて具体的に解説します。

これらのフローを遵守することが、法的責任を果たす上で不可欠です。

STEP1:現場での初期対応(被災者の救護と二次災害の防止)

労働災害が発生した際、企業が何よりも優先すべきは被災した従業員の救護です。

直ちに作業を停止させ、負傷の程度に応じて救急車を手配したり、応急手当を行ったりするなど、人命救助を最優先に行動します。

それと同時に、二次災害の発生を防ぐための措置を講じることが極めて重要になります。

具体的には、事故の原因となった機械の電源を落とす、危険物を安全な場所へ移動させる、他の従業員を現場から避難させ立ち入り禁止区域を設定するなど、さらなる被害の拡大を防ぐための安全確保策を速やかに実施します。

これらの初動対応は、企業の危機管理能力を示す重要な局面となります。

STEP2:事故状況の把握と関係者への連絡

被災者の救護と現場の安全が確保された後、企業は速やかに事故の正確な状況を把握する必要があります。

災害が発生した日時、場所、被災者の氏名、どのような状況で何が起きたのかを、「5W1H(いつ、どこで、誰が、何を、なぜ、どのように)」の観点で整理し、客観的な事実を記録します。

現場にいた目撃者からの聞き取りや、スマートフォンなどで現場の状況を写真に撮っておくことも有効です。

把握した情報は、被災者の家族はもちろん、社内の役員や人事労務担当者といった関係各所へ迅速に共有します。

この段階で収集された正確な情報が、後の労災保険手続きや労働基準監督署への報告の基礎となります。

STEP3:労災保険の給付手続きをサポート

労働者が労災保険の給付を受けるためには、所定の請求書を作成し、労働基準監督署へ提出する手続きが必要です。

企業には、被災した労働者がこの手続きを円滑に進められるよう、積極的に協力する義務があります。具体的には、労災保険制度の概要や利用できる給付の種類、申請手続きの流れなどを本人や家族に丁寧に説明し、必要な書類の準備をサポートします。

特に、請求書には事業主が災害の発生状況などを証明する欄があり、企業はこの記載を求められた場合、速やかに事実に基づいて記入し、記名・押印しなければなりません。

被災者が治療に専念できる環境を整えることも企業の重要な役割です。

STEP4:労働基準監督署への報告(労働者死傷病報告)

労働者が労働災害によって死亡した場合、または4日以上休業した場合には、企業は「労働者死傷病報告」を所轄の労働基準監督署長へ提出する法的な義務を負います。

この報告は労働安全衛生法に基づくもので、提出を怠ったり、虚偽の報告を行ったりした場合は「労災隠し」と見なされ、50万円以下の罰金が科される可能性があります。

提出期限は、休業日数が4日以上にわたる場合は「遅滞なく」、死亡または休業4日未満の場合は、発生した四半期(1~3月期など)の末日の翌月末までと定められています。

企業のコンプライアンス遵守の観点からも、期限内に正確な内容で報告書を提出することが不可欠です。

STEP5:再発防止策の策定と実施

労働災害への対応は、事故後の処理だけで完結しません。なぜ事故が起きたのか、その根本的な原因を究明し、同様の災害を二度と起こさないための再発防止策を策定し、実行することが企業の重要な責務です。

原因分析では、機械の不具合や作業環境といった物理的な側面だけでなく、作業手順や安全教育、管理体制といった人的・組織的な側面からも多角的に検証します。

その上で、危険箇所の改善、安全な作業マニュアルの見直しと周知徹底、従業員への安全教育の強化といった具体的な対策を立案し、職場全体で実行に移します。

これらの取り組みを継続することが、安全な職場環境の構築につながります。

【企業向け】知っておくべき企業の法的義務と注意点

企業の法的義務と注意点について解説します。

労働災害が発生した際、企業は被災者への配慮ある対応と同時に、法律によって定められた複数の義務を履行しなければなりません。

これらの法的義務を正しく理解し、遵守することは、企業の信頼を維持し、さらなる法的リスクを回避するために不可欠です。

本章では、労災申請への協力義務や、労働者の安全を確保する安全配慮義務、そして「労災隠し」がもたらす重大なリスクについて解説します。

また、企業の認識と行政の判断が異なる場合の対応方法についても触れていきます。

労災申請への協力義務

企業は、労働者が労災保険給付を申請する際に、必要な協力をする義務を負います。

労働者災害補償保険法施行規則第23条では、事業主は、労働者が保険給付を受けるために必要な証明を求めてきた場合、速やかにそれに応じなければならないと定められています。

これは、労災保険の請求書に設けられている「事業主証明」欄への記名・押印を指します。

たとえ企業側がその災害を労災とは考えていない場合でも、証明自体を拒否することはできません。

証明を拒む行為は法令違反にあたる可能性があり、労働者の正当な権利行使を妨げることになります。

もし災害の発生状況について企業として意見がある場合は、証明を拒否するのではなく、別途意見書を労働基準監督署に提出するという形で対応します。

安全配慮義務違反による損害賠償責任

企業は、労働契約法第5条に基づき、労働者が安全で健康に働けるよう配慮する「安全配慮義務」を負っています。

労災事故が発生した原因が、企業の安全管理体制の不備や危険な作業環境の放置など、この安全配慮義務違反にあると判断された場合、企業は大きなリスクを背負うことになります。

具体的には、労災保険から給付される治療費や休業補償とは別に、被災した労働者から慰謝料などを含む損害賠償を請求される可能性があります。

労災保険では精神的苦痛に対する慰謝料はカバーされないため、民事訴訟に発展するケースも少なくありません。

日頃から危険予知活動や安全教育を徹底し、義務を履行することが、結果的に企業を守ることにもなります。

労災隠しのリスクと罰則

「労災隠し」とは、企業が意図的に労働災害の発生を隠蔽し、労働基準監督署への労働者死傷病報告を行わない、または虚偽の内容で報告する行為です。

保険料率の上昇を恐れたり、企業のイメージダウンを懸念したりして行われることがあります。

被災労働者に労災保険ではなく健康保険を使うよう指示するのも典型的な手口です。

この行為は労働安全衛生法違反の犯罪であり、発覚すれば50万円以下の罰金が科せられます。

さらに、罰則だけでなく、企業の社会的信用は大きく失墜し、公共事業の指名停止処分を受けるなど、事業活動そのものに深刻なダメージを与える可能性があります。

労災が発生した際は、正直に報告することが唯一の正しい対応です。

労災認定に意見がある場合の対応

発生した災害が、企業の認識では業務に起因するものではない、あるいは通勤経路から逸脱した際の事故であるなど、労災認定の妥当性に疑問を持つケースも想定されます。

しかし、このような場合であっても、労働者から求められた事業主証明を一方的に拒否することはできません。

企業が取るべき適切な対応は、まず労働者の申請手続きには協力した上で、労働基準監督署に対して企業の意見を申し立てることです。

具体的には、事故の状況に関する企業の調査結果や見解をまとめた意見書を作成し、提出します。

最終的に労災に該当するかどうかを判断するのは労働基準監督署であり、企業は客観的な事実に基づいて主張を行い、その判断を待つという姿勢が求められます。

スポットワーク中に注意すべきこと

スポットワーク中に注意すべきことを見ていきましょう。

スポットワークに従事する際には、安全対策が非常に重要です。スポットワークという特徴柄、単発や短期間での業務であり、慣れない環境や新しい業務内容に直面することが多いものです。その分、事故のリスクも高まります。業務に応じた注意点を確認することで、事故を未然に防ぎ、安心して働くことが可能です。職場で発生しやすい事故には、それぞれ特徴があり、適切な対策を取ることでリスクを減少させることができます。事前に労災保険の補償内容を理解し、万が一の事故に備えておくことも大切です。

飲食店でのよくある事故とその対策・注意点

飲食店で働く際は、特に注意が必要です。厨房内では包丁や熱い鍋を扱うため、火傷や切傷が頻発します。常に注意を払い、作業手順を確認しながら作業することが大切です。例えば、食材を切る際は、指を切らないように安全な「猫の手」の持ち方を意識することが重要です。口頭での指示だけでなく、実際の動作を見て学ぶことも有効な方法です。さらに、濡れた床や散乱した道具による転倒事故も避けるため、こまめな清掃も重要です。自分のみならず、同僚やお客様の安全も守ることに繋がります。

コンビニ・スーパーでのよくある事故とその対策・注意点

コンビニやスーパーでは、品出しの際に階段を使用することが多く、転倒・転落事故が発生することがあります。特に脚立を使う作業では、もう少しで届くからと無理な体勢を取ることで事故につながることが見受けられます。安全な使用方法を理解し、必要に応じて同僚に助けを求めることが勧められます。また、陳列棚から商品を取り出す際にも、周りに注意を払い、怪我を防ぐ工夫が大切だと考えられます。

運搬・軽作業でのよくある事故とその対策・注意点

運搬や軽作業を行う際には、重い物を持ち上げることが多く、腰痛や膝痛などの労災リスクが増加します。正しい持ち上げ方を身に付けておくことが必要です。荷物を持つ前に、体を低く保ちつつ、膝を曲げて持ち上げるテクニックを実践しましょう。作業中は常に周囲の状況を把握し、他の作業者や製品との接触を避ける意識も重要です。

コンサルタント中村の経営視点のアドバイス

単発や短期の仕事の場合、簡単に応募し始められることもあり、労災のことまで考えていなかったということも多いでしょう。ただ、単発・短期の仕事だからこそ、慣れない仕事で事故が発生したり、ケガをしてしまうことも多いものです。仕事をする前に、しっかり労災のこと、理解しておきませんか?

労災が起きてしまったらどうするか。
補償される災害とは

労災が起きてしまったらどうするか、補償される災害について解説します。

労災(労働災害)が発生した場合、まずは冷静に状況を確認し、自身の安全を最優先に考える必要があります。受傷した場合は、直ちに医療機関で治療を受けることが重要です。医師の診断と治療を受けることで、適切に労災保険の手続きを進めることが可能になります。また、事業主にも速やかに報告し、必要な書類を準備する流れを作ることが大切です。

労災保険の適用を受けるためには、具体的にどのような出来事が補償されるのかを充分に理解しておくことが必要です。事故の種類によっては、補償が受けられない場合もあるため、注意深く確認する必要があります。

飲食店での火傷

飲食店での業務中、調理過程で火傷を負った場合も労災保険が適用されます。温かい鍋や熱い油を扱うため、火傷のリスクが高い環境です。怪我をした際には、まず適切な処置を行い、その後に状況を報告します。こうした記録を残しておくことが重要で、保険の適用に対する証拠になります。

配送センターでの腰痛

配送センターで重い荷物を持ち上げたり運搬したりしていると、腰痛を引き起こすことがあります。これは労災保険の補償対象となります。急な動作や不適切な持ち上げ方が原因で怪我をした場合、治療を受けることが重要です。明確な記録を残しておくことで、今後の手続きがスムーズになります。

デリバリー中の事故

デリバリーの業務中に交通事故に遭った場合も、労災保険の適用が受けられるケースです。特に業務時間内に発生した事故は、保険の対象となります。目撃者の証言や、事故場所の詳細な記録を残しておくことが後々の手続きに役立つため、注意が必要です。

トイレへ行く際の転倒

トイレに行く途中で転倒した場合も、労災保険の対象になります。この行為が業務の一環として認識されるため、安全対策が必要です。周りの状況を確認し、慎重に行動することが求められます。万が一怪我をした場合、医療行為を受けた後に必要な手続きを進める流れを考えておく必要があります。

労災保険の給付申請方法と手順

労災保険の給付申請方法と手順を見ていきましょう。

労災保険の給付申請を行うためには、滞りなく進めるためのいくつかのステップに分かれています。最初のステップとして、事故や病気の発生直後に病院での受診が挙げられます。医療機関で適切な治療を受け、その結果をもとに必要な書類を準備することがポイントです。そうすることで、スムーズに給付申請のプロセスに入ることができます。

病院での受診と健康保険証を使わないこと

事故が発生した後は、まず適切な病院で受診しましょう。できれば、労災病院や労災指定病院での受診がスムーズです。医師による診察を受け、治療を施してもらい、自身の健康状態を確認します。ここで注意したいのが、労災で医療機関を受診される場合には健康保険証を利用せず、労災である旨を申し出ましょう。労災保険は専用の手続きが必要で、一般的な医療保険とは異なるため、注意が必要です。診療を受ける際に、労災保険であることをしっかりと伝えた上で、必要な手続きを進めます。適切な処置を受けるだけでなく、診療内容も詳細に記録されるため、後々の申請手続きにおいても役立ちます。受診時に医師に症状をしっかりと伝え、正確な診断を受けることも忘れないようにしましょう。

診断書や証明書の重要性

仕事中にケガや事故が発生し、医療機関を受診したら診断書や証明書を発行してもらいましょう。労災保険の申請において、診断書は非常に重要です。医療機関から発行されたこれらの書類が、補償を受けるための証拠となります。しっかりと保管しておくことが重要です。

会社からの証明

仕事中にケガや事故が発生し、医療機関を受診したら、会社への報告も必要です。労災保険の給付を受けるためには、会社が労災の証明をする必要があります。この証明書は、事故や病気が業務中に発生したことを示す重要な書類です。労災保険の適用を受けるためには、この証明書が必要不可欠であり、申請をスムーズに進めるためにも早めに頼んでおくとよいでしょう。

証明書を取得する際は、必要な情報が正確に記載されているかどうかを確認することが大切です。そのため、会社の担当者としっかりとコミュニケーションを取り、スムーズに手続きが行えるよう努めましょう。

労働基準監督署への書類提出

医療機関で発行された診断書を添え、必要な書類が揃ったら、速やかに労働基準監督署に対して申請手続きを行います。提出時には、事前に書類の内容を再確認し、不備がないか確認することが重要です。労基署に出向いた場合には職員がその場で書類の内容を確認してくれるため、必要に応じて説明を加えることも考慮しましょう。提出後は、進行状況を追跡するための連絡先を確認しておくと安心です。

まずは適切な書類を整え、申請の流れを把握しておくことが大切です。

給付金の振り込み

労働基準監督署に請求書類の提出が完了すれば、労災認定の判断がされます。労災保険の給付が認定されれば、給付金の振り込み手続きに進むことになります。また、振り込みの時期については、請求書類を提出してすぐに振り込まれるわけではありません。事前に何日程度が目安となるのか確認しておくと、精神的に余裕を持つことができるでしょう。

振り込まれる際には、確認のための通知が届く場合があります。これにより、安心して受給を待つことが可能です。全ての手続きが適切に実施されているかを確認し、自身の権利をしっかりと守るよう努めることが大切です。

小栗の経営視点のアドバイス

労災は、あくまで雇う側・雇われる側といった雇用契約が前提になります。スポットワークの場合、雇用主とワーカーの認識の違いも多くあります。単発・短期であっても仕事の契約がどのようなものであるか、あらかじめ確認すべきでしょう。

労災に関するよくある質問

労災に関するよくある質問にお答えしていきます。

労災保険については、様々なケースがあるため、疑問や質問があることも多いでしょう。特に、労災に関する具体的なケースが問題になった場合、その対応方法が気になるものです。特に労災を受けた際の手続きや給付内容に関する質問は多く寄せられています。これらの理解を深めることで、万が一の際に備えることができるでしょう。

会社が労災を認めなかったらどうするか

労災が発生したにもかかわらず、もしも会社がその事実を認めない場合、どうしたらよいのかと悩む場合もあるでしょう。まずは、会社側の労働条件や安全手順に関する文書を確認し、自身の主張の根拠を明確にしておくと良いでしょう。次に、労働基準監督署に相談することです。労災の認定は労働基準監督署が行うものですので、労災保険に関して適切なアドバイスを受けられ、必要な手続きを進めるための具体的な指示が得られます。適切な証拠を用意しておくことも重要です。

申請期限について

労災保険の申請には、補償の種類ごとに期限があります。労災が発生した日から一定期間内に申請手続きを行わなければなりません。例えば、労災が発生し、医療機関を受診した場合の療養(補償)等給付の場合には、治療費を払った日の翌日から2年以内に申請を行う必要があります。この期限を過ぎてしまうと、支払いを受けられなくなる可能性があるため、早めに行動することが求められます。

給付金額について

労災保険の給付金額は、その補償給付によって異なります。支給額は、受けた傷害の影響や治療の必要性、休業日数などを元に算出されます。具体的には、医療費や休業中の生活費補償が含まれ、これらの合計が最終的な支払額に反映されます。また、給付金の支払いについては、定期的に見直しが行われることもありますので、最新の情報を確認することが重要です。

休業(補償)等給付の具体例

休業補償は、労災によって働けなくなった際にもらえる給付です。この給付は、給付基礎日額を基に計算され、概ね1日につき給付基礎日額の80%程度相当が給付されます。通常の収入の一部を補填する形で支払われます。例えば、業務中に事故に遭い、長期の入院や療養が必要になった場合、休業補償は生活の安定を図るための重要な支えとなります。正確な支払額や期間については、契約内容や過去の収入に基づいて算出されます。

傷病(補償)等年金の具体例

傷病補償年金は、労災によって傷病が治っていない、かつ傷病等級1〜3級に該当する場合、障害の程度に応じて支給される給付です。重度の障害を残した場合などには、定期的に補償金が支給される仕組みになっています。この年金は、労災保険制度に基づいているため、必要な手続きをきちんと行っておくことが重要です。支払い額は、それまでの収入に基づいて決定されますが、具体的な内容については労働基準監督署での確認が可能です。

まとめ

労災保険に関する知識は、働く人々にとって非常に重要です。業務中に万が一の事故や病気が発生したとき、適切な対応を知っておくことで、必要な補償や給付をスムーズに受け取ることが可能になります。労災保険の申請手続きや、給付内容について理解を深めておけば、安心して業務に従事できるでしょう。また、労災が認められない場合の対処法や、申請期限についても把握しておけば、いざというときにも安心です。自分自身を守るための手続きや必要書類を理解し、迅速に行動することで、補償を受ける機会を逃さずに済むはずです。

最後に、労災保険に関する情報を定期的に確認し、最新の状況を把握しておくことが大切です。これにより、他の労働者とも情報を共有し、安全な働き方を実現するための一助とすることができるでしょう。

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