新型コロナウイルス感染症の勢いが止まらず、各方面での影響が発生しています。一刻も早い収束が期待されますが、万が一自社の従業員に新型コロナウイルス感染症の疑いがあったら…?企業として今できることは、しておくべきことはないのか?など、感染症への対策が求められています。
新型コロナウイルス中心に企業の感染症への対策をまとめました。
※本記事は医学的な見解を示す記事ではなく、企業の対応をまとめた記事です。医学的な見解を知りたい方は専門サイトをご確認ください
社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子
これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先350社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。
現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。
主な出演メディア
・NHK「あさイチ」
・中日新聞
・船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」
社会保険労務士 小栗多喜子のプロフィール紹介はこちら
https://www.tokai-sr.jp/staff/oguri
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新型コロナウイルスは日々感染が拡大しています。
既に大企業等では、時差出勤の励行やリモートワーク、対面での会議の禁止などの対策を発表し始めています。大企業で働くことも中小企業で働くことも従業員にとって関係ありません。自社が感染症に対してどのように考えているのかを情報発信することからすべての対策は始まります。下記のような視点から基本方針を策定するとよいでしょう。
・予防措置について
接客業などでは業務中のマスクの着用を許可するのか?
外出からの帰社時に手洗いや消毒等を行う時間、設備を設けるのか?
来客いただいたお客様にも予防措置をお願いするのか等、方針を発表しておきましょう。
方針は業種によって異なります。
例えば、海外からの観光客の接客をする場合は対策を強化する必要があるでしょう。
逆に、過度な対応は不安を煽ることになりかねません。企業の実情や考え方に合わせて予防措置を講じましょう。
・発熱時の対応
継続して高熱(37.5℃以上が4日間以上)が続くと感染の可能性が高くなります。
発熱・咳などの類似症状が発生している場合は出勤させずに、自宅での療養をすすめましょう。
37.5℃以上の発熱が4日間以上続く場合で、強いだるさ(倦怠感)や息苦しさ(呼吸困難)がある場合には最寄りの保健所などに設置される「帰国者・接触者相談センター」にお問い合わせいただき、会社に結果を報告してもらいましょう。
・訪問・来客など応対対応
お客様の来客、訪問に関する方針を盛り込んでおきましょう。
一部大手の企業では、感染症の拡大を防ぐため、不要不急の場合を除き、面談をすべてWEB会議などに変更しました。
面談そのものをリスケしたり、WEB会議に変更するなど対応を示しておきましょう。不必要な面談は避けましょう。
・移動外出時の制限
出勤時にマスクの着用など、対策を従業員に推奨しましょう。
・休業時の取扱いについて
発熱等で従業員が休んだ場合の取扱いについて明記しておきましょう。
年次有給休暇の取得を促進するのか?年次有給休暇を使わない場合は会社として休業手当を行うのか?休業手当は6割なのか?全額なのか?です。
・発熱時の出勤停止期間
新型コロナウイルスは潜伏期間が長いことも特徴のひとつです。
・テレワークについて
テレワークが可能な業種はテレワークも検討しましょう。部署などでテレワークで対応可能かを確認しておきましょう。
・問合せ窓口
一般的には総務や経営層が窓口になると思います。
従業員は不安に思いながら働いています。問合せ先が分かることで安心して働くことができます。
・感染が確認された場合の問合せ先
検査後に感染が確定した場合は、専門家に営業の継続含めて相談ください。
ひな形の使用に関しては専門家を相談しながら自社の状況に合わせて活用下さい。
ワード(Word)でのひな形ですので編集が可能です。
※使用に関してのトラブル等の責任は負いかねますのでご了承ください。
経営的な視点ではこのような事態が発生したときに、普段の業務の見直しが必要です。
コア業務であれば、取引先との納期や作業をしている従業員個人の能力に頼っていないかどうか?業務が属人化していれば見直しが必要です。
バックオフィス業務でも基本は同じです。納期と属人化していないか?の視点で見直しをしましょう。またマニュアルや指示書の場所、問合せ先が分かっているかも重要です。
例えば給与の担当者が発熱で休みに入った時に、給与の支払いができないというのは企業のリスク管理としてはお粗末としか言いようがありません。
アウトソーシングも含めて検討しておきましょう。
安全配慮義務とは、社員が安全で健康に働けるように配慮しなければならない会社の義務です。
新型コロナウイルス感染症は社員の健康を脅かす可能性があります。
その際の安全配慮義務とはどのようなことが求められるのでしょうか?
はじめての非常事態ですので、どこまでやれば義務を履行したことになるかは判断が難しいところですが、企業として従業員の安全や健康に配慮し、違反とならないようにしましょう。
厚生労働省によれば、新型コロナウイルス感染症に効果があると言われているのが、手洗いやうがいです。
https://www.mhlw.go.jp/content/10900000/000599643.pdf
会社で、手洗いやうがいを推奨することや人ごみの多い場所での業務を避けられないかどうかの検討を行う必要があります。出勤時や外出からの帰社時にアルコール消毒もいいと思います。
会社として予防策と講じておくといいでしょう。
従業員が新型コロナウイルス感染症にり患した場合、労災になるのかどうかは重要な問題です。
これは労災になるのか、そしてそれは安全配慮義務違反となるのかの2点がポイントになります。
簡単ですが、解説します。
厚生労働省では、労災の取り扱いについてQ&Aで回答をしています。
要約しますと、1.医療従事者など、感染のリスクが高い業務の場合は、原則として労災として扱われる。2.不特定多数と接触する業務(小売りやバスタクシーの運転手など)も同様に、感染経路が業務以外であることが明確でない場合は、基本的に労災となる。3.感染経路が不明の場合、個別の判断となる。
また、現在までの労災の認定状況を確認すると、幅広く労災と認定されていることがわかります。個別の事案ということになりますが、ひとまず安心できる材料ではないかと思います。
労災が認定されることと安全配慮義務違反として企業が責任を負うのかどうかは別の問題です。
労災と認定されていなければ当然のように安全配慮義務違反として問われることはないと思いますが、上記のように幅広く労災が認定されている状態で、企業がどの程度の措置を講じていれば安全配慮義務を全うしたことになるのかということです。
これは業種や職種によるのですが、少なくとも感染リスクが高い状況で何の対策もせず、勤務を継続させていたとすれば安全配慮義務違反に問われるでしょう。
もちろんできることとできないことがあり、新型コロナウイルス感染症に関しては不明点が多いため、どこまでやればいいのかわからないというのが現状だと思います。専門家に相談をしつつ対策をすすめるのがいいのではないかと思います。
雇用調整助成金とは、さまざまな事由により、工場などを休業させなければならないとき、休業補償や教育訓練などを行った場合に国から支援が受けられる制度です。休業手当や賃金の一部の助成を受けることができます。
上述の通り、雇用調整助成金はさまざまな事由により、工場などを休業させなければ雇用が維持できない場合の国からの支援です。今回、新型コロナウイルスの影響で中国からの観光客などが特に減っており、経済への影響も大きいことから、支給要件を緩和し支援を行います。
3月2日追記:新型コロナウイルス感染症の影響拡大に伴い、対象事業主の範囲の拡大が決定しました。
拡大後の対象事業主の範囲は、新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主です。
日本人観光客の減少の影響を受ける観光関連産業や、部品の調達・供給等の停滞の影響を受ける製造業なども幅広く特例措置の対象となります。
3月5日追記:3月4日に追加の要件緩和が発表されました。緊急事態宣言が発令された北海道に関しては助成額も拡充しています。
ただし、まだ案の状態ですので、ご注意ください。
今後、変更となる場合があります。
新型コロナウイルス感染症の影響は日に日に増しています。今後も随時追加緩和があると思われます。このページも随時更新しますのでご確認ください。
休業等の初日が、令和2年1月24日から令和2年7月23日までの場合に適用します。
① 休業等計画届の事後提出を可能とします。
通常、助成対象となる休業等を行うにあたり、事前に計画届の提出が必要ですが、令和2年1月24日以降に初回の休業等がある計画届については、令和2年5月31日までに提出すれば、休業等の前に提出されたものとします。
② 生産指標の確認対象期間を3か月から1か月に短縮します。
最近1か月の販売量、売上高等の事業活動を示す指標(生産指標)が、前年同期に比べ10%以上減少していれば、生産指標の要件を満たします。
(緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域)
※現時点では北海道のみ
⇒生産指標要件は満たすものとして扱う。③ 最近3か月の雇用指標が対前年比で増加していても助成対象とします。
通常、雇用保険被保険者及び受け入れている派遣労働者の雇用量を示す雇用指標の最近3か月の平均値が、前年同期比で一定程度増加している場合は助成対象となりませんが、その要件を撤廃します。
④ 事業所設置後1年未満の事業主についても助成対象とします。
令和2年1月24日時点で事業所設置後1年未満の事業主については、生産指標を令和元年12月の指標と比較し、中国(人)関係売上高等の割合を、事業所設置から初回の計画届前月までの実績で確認します。
➄1年以上のクーリング期間の撤廃
クリーニング期間とは、一度活用すると、次に活用するまでに1年以上空けないと使えない期間の事です。今回は撤廃されています。➅6か月以上の被保険者期間が撤廃
被保険者期間要件の撤廃されたので、被保険者期間が6か月未満の方も対象とすることができます。※厚生労働省ホームページより
[現行の対象事業主の範囲]
日本・中国間の人の往来の急減により影響を受ける事業主であって、中国(人)関係の売上高や客数、件数が全売上高等の一定割合(10%)以上である事業主
↓[拡大後の対象事業主の範囲]3月2日追記
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主
※これにより、日本人観光客の減少の影響を受ける観光関連産業や、部品の調達・供給等の停滞の影響を受ける製造業なども幅広く特例措置の対象となります。
※厚生労働省ホームページより
(緊急事態宣言を発出して活動の自粛を要請している地域)の場合
※現時点では北海道のみ
助成率 4/5(中小企業) 2/3(大企業)
非正規を含めた雇用者も対象
最寄りのハローワークもしくは労働局に、計画届を提出します。
計画届を提出前に休業に入っていたとしても、令和2年3月31日までに計画届を提出すれば、事前に提出されたものとして扱われます。ある程度の規模以上の休業を計画している場合は専門家に相談した方がいいでしょう。
厚生労働省では、2020年3月末、新型コロナウイルス感染症の経済的影響の拡大を受けて、雇用調整助成金の特例措置の拡大を決定しました。
方針として発表していますが、まず間違いないと思われます。
雇用調整助成金は事業主が休業手当の支払いを行った場合の事業主に対する補填となる助成金です。解雇を行わない場合は9/10が支給されます。先が見えないとされる新型コロナウイルス感染症の経済的影響ですが、一つの選択肢と考えるべき拡充となっています。
新型コロナウイルスの影響が深刻化を受け、2020年4月1日から6月30日までの期間が緊急対応機関と定められ、雇用調整助成金の更なる特例措置が実施されることになりました。
(1)対象となる事業主の拡大
新型コロナウイルス感染症の影響を受ける事業主(全業種)
(2)生産指標要件の緩和
1か月5%以上低下
(3)対象者の拡大
雇用保険被保険者でない労働者の休業も助成金の対象に含める
(4)助成率の引き上げ
4/5(中小)、2/3(大企業)
※解雇等を行わない場合は9/10(中小)、3/4(大企業)
(5)計画届
計画届の事後提出を認める(1月24日~6月30日まで)
(6)支給限度日数
1年100日、3年150日+上記対象期間
(7)その他
上記の拡充にあわせて、短時間一斉休業の要件緩和、残業相殺の停止、支給迅速化のため事務処理体制の強化、手続きの簡素化も行われる。
かねてより、要件緩和の案として発表のあった雇用調整助成金の追加の要件緩和が決定しました。
案からの大きな変更ポイントは
①教育訓練が自宅でのインターネット受講可
②教育訓練の助成額引き上げ
(1200円→中小企業2400円、大企業1800円)
③半日単位の教育訓練が可能
の3点です。
書類簡素化としては
④個別の委任状が不要
⑤計画一覧表が不要
となりました。 詳細は下記ご確認ください。
申請方法の詳細などはこれからですが、これにより多くの企業が助成金を申請できるようになると思います。弊社でも自社が申請できるように解説キットを作成しています。よろしければご予約ください。
1.雇用調整助成金の特例措置の追加実施について
今般の新型コロナウイルス感染症の影響により事業活動が急激に縮小する事業所が生じ、地域経済への影響が見込まれることから、厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症に伴う経済上の理由により事業活動の縮小を余儀なくされ、雇用調整を行わざるを得ない事業主に対して、令和2年2月14日、同月28日及び3月10日に雇用調整助成金に係る特例措置を講じています。
今般、これを拡充し、令和2年4月1日から同年6月30日までの間は、緊急対応期間として、上乗せの特例措置を講じます。
⑴緊急対応期間(令和2年4月1日~同年6月30日)の休業等の上乗せ特例
○休業又は教育訓練を実施した場合の助成率を大幅に引き上げます。
上記期間内において、休業又は教育訓練を実施した場合の助成率を、中小企業については2/3から4/5へ、大企業については1/2から2/3へ引き上げます。
さらに、事業主が解雇等を行わず、雇用を維持した場合、当該助成率を、中小企業については4/5から9/10へ、大企業については2/3から3/4へ引き上げます。
○教育訓練の加算額を大幅に引き上げます。
上記期間内において、教育訓練が必要な被保険者の方に対して教育訓練を実施した場合の加算額(対象被保険者1人1日当たり)を、中小企業については1,200円から2,400円へ、大企業については1,200円から1,800円に引き上げます。
○教育訓練の範囲を大幅に拡大します。
上記期間内において、自宅でのインターネット等を用いた教育訓練もできるようするなど教育訓練の範囲の拡大を行うとともに、教育訓練の受講日に教育訓練を受けた労働者を業務に就かせても良いこととします。 生産指標の確認は計画届の提出があった月の前月と対前年同月比で10%の減少が必要でしたが、上記期間内においては、これを5%の減少とします。
○支給限度日数にかかわらず活用できます。
上記期間内に実施した休業は、1年間に100日の支給限度日数とは別枠で利用できることとします。
○雇用保険の被保険者でない労働者も対象とします。
上記期間内において、雇用保険の被保険者ではない労働者も休業の対象に含めます。具体的には、週20時間未満の労働者(パート・アルバイト(学生も含む)等)などが対象となります。
⑵雇用調整助成金を活用しやすくするための運用面の特例
○事後提出が可能な期間を延長します。
既に休業を実施し、休業手当を支給している場合でも、令和2年5月31日までは、事後に計画届を提出することが可能となっていましたが、この期間を同年6月30日までに延長します。
○短時間休業を大幅に活用しやすくします。
短時間休業については、従来、事業所等の労働者が一斉に休業する必要がありましたが、事業所内の部門、店舗等施設ごとの休業も対象とするなど、活用しやすくします。
○休業規模の要件の緩和
対象労働者の所定労働日数に対する休業等の延日数の割合(休業規模要件)について、中小企業は1/20以上、大企業は1/15以上としていましたが、これを中小企業は1/40以上、大企業は1/30以上に緩和します。
○残業相殺制度を当面停止します。
支給対象となる休業等から時間外労働等の時間を相殺して支給すること(残業相殺)を当面停止します。
2.申請書類の大幅な簡素化について
新型コロナウイルス感染症に係る雇用調整助成金の特例措置に関する申請書類等については、大幅に簡素化し、事業主の申請手続きの負担を軽減するとともに、支給事務の迅速化を図ります。
具体的には、
・記載事項の半減(自動計算機能付き様式の導入や残業相殺の停止等)
・記載事項の簡略化(休業等の実績を日ごとではなく合計日数のみで可とする)・添付書類の削減などを行います。
また、出勤簿や給与台帳でなくても、手書きのシフト表や、給与明細のコピー等でも良いとするなど、事業所にある既存の書類を活用して、添付書類を提出することができるようにします。
私たち専門家である社会保険労務士ですら、度重なる制度改正によって混乱しているのが現状ですが、4月24日に支給要領などが更新されました。
今回の拡充内容は以下の通りです。
原則は、昨年よりも売上が5%低下していることが条件です。
ただ、昨年よりも売上が5%以上低下していない場合は、前々年と比較してもいいことになりました。これにより生産指標はほとんどすべての企業が当てはまることになります。実質的に影響を受けている場合であれば、各ハローワークも相談対応を行うとの情報もあります。
生産指標で雇用調整助成金が使えないとお悩みの方は管轄のハローワークに相談してみてはいかがでしょう。
従業員を休ませる場合は、休業の計画を届け出る必要があります。
本来は、申請をする度に計画届を提出する必要がありましたが、計画届については、初回だけ提出をすればいいことになりました。※解釈の問題で取り扱いが変わる可能性があります。
通常の申請を知っている私たち専門家からしても疑問の多い改正です。いったいどのような場合で2回目以降の申請が簡略化されるのか詳しいことが発表されていませんので、大丈夫だと思っていたら支給できなくなっていたということにならないように注意する必要があります。
助成金全般に言えることですが、労働法違反送検や労働保険料滞納事業主は、助成金を受給することができません。
今回の拡充により、労働法違反送検や労働保険料滞納事業主でも、助成金の受給の対象になりました。
厚生労働省は雇用調整助成金のガイドブック(簡易版)を公開しました。
正直、これだけを読んで申請できると思えませんが、以前雇用調整助成金を申請したことがある方や今回の拡充について詳しく知りたい方にとってはわかりやすくまとまっています。
はじめて雇用調整助成金を申請する方や詳しく雇用調整助成金について知りたい方は、厚生労働省の詳細版の雇用調整助成金ガイドブックや支給要領を確認して申請することをおススメします。
雇用調整助成金や緊急雇用安定助成金の問合せで労働局やハローワークがパンクしているという話を聞きます。要領が変更されても、どのように変更されたかは明示されず、新しい要領が発表いなるだけです。
今回もまだ確定ではないとのことですが、ここまで変更が繰り返され、予定も含めて発表されると政府は雇用調整助成金を支給したいのか支給したくないのかそれすらもわからなくなってきます。
多くの情報が出ていますので、このサイトもそうですが、インターネット上の情報を鵜呑みにするのではなく、専門家に相談することをおススメします。変更に関してはまだ確定ではありません。5月上旬に確定予定です。
今回の変更は下記の通りです。
中小企業が解雇等を行わず、雇用を維持し、賃金60%を超えて休業手当を支給する場合、60%を超える部分を特例的に10/10とする。
休業等要請を受けた中小企業が解雇等を行わず雇用を維持している場合は特例的に10/10となります。
今回の変更の詳細は下記厚生労働省画像を確認ください。
今回の変更で行政からの要請で休業を行った中小企業に対しての支援が行われているかのようにみえますが、上限額は1日1人当たり8,330円と変わりません。ほとんどの企業で休業手当に対して、助成率は10/10となりません。
休業手当の支給率は大切な経営判断です。助成金ありきで決断せず、専門家と相談することをおススメします。
雇用調整助成金に関して、誰がこれほどまでに変更に次ぐ変更があると予想したでしょうか?!またおそらくですが、8,330円という上限に対しては何も触れられていないため、今後更なる変更があることが予測されます。私たち専門家でも正直、何がどう変更されたのか、あの問合せはいつ確認したのか?すら思い出せないほどの変更の連続です。
まずはよくわかっている専門家に相談するのが一番だと思います。
今日は5月6日の雇用調整助成金の申請手続きの更なる簡素化についてお伝えします。ただし、こちらも前広に発表されているものですので確定ではないので注意が必要です。
1.小規模の事業主(概ね従業員20人以下)については、「実際の休業手当額」を用いて、助成額を算定できるようにします。
※ 「実際に支払った休業手当額」×「助成率」=「助成額」とします。
2.小規模の事業主以外の事業主についても、助成額を算定する際に用いる「平均賃金額」の算定方法を大幅に簡素化します。
(1) 「労働保険確定保険料申告書」だけでなく、「源泉所得税」の納付書を用いて1人当たり平均賃金を算定できることとします。
※ 源泉所得税の納付書における俸給、給料等の「支給額」及び「人員」の数を活用し、1人当たり平均賃金(「支給額」÷「人員」)を算出します。
(2) 「所定労働日数」を休業実施前の任意の1か月をもとに算定できることとします。
第2次補正予算が成立し、雇用調整助成金に関しても再度適用の拡大が行われました。おそらくこれで最後になると思われます。
変更を確認しておきましょう。
助成率は企業の規模や事業主が解雇等を行ったかどうかによって異なります。また今回の改正では、助成金額の算定方法により、助成金額変わる事にも注目です。いたずらに助成金額を引き上げるものは認められませんが、計算方法や申請様式によって結果が異なることに注意が必要です。
雇用調整助成金は1日当たり最大で8,330円の支給でした。
しかしこの金額は時間に直せば、1000円少しであり、東京都の最低賃金と近しいものがあります。そのため、事業主が休業手当の支払い率を下げる傾向にありました。
そうした批判を受け、新型コロナウイルス感染症感染拡大特例においては1日15,000円まで上限が引きあがっています。有効に活用しましょう。
新型コロナウイルス感染症感染拡大の経済への影響はこれからが本番とみるのが一般的でしょう。
それに伴い、緊急対応期間の延長も決まっています。緊急対応期間以降は休業制限が発生したり、計画申請が必要になったりと制約が非常に多くなります。緊急対応期間かどうではないかは本助成金の新型コロナウイルス感染症感染拡大特例においては本当に重要な意味があります。緊急対応期間は9月30日まで延長になりました。
支給申請は「支給対象期間」ごとに申請を行います。申請期限は支給対象期間の末日の翌日から2か月以内ですが、支給対象期間の初日が5月31日以前の休業の場合、申請期限は令和2年8月31日なります。
すでに休業が開始している場合は、8月31日を目指して申請しましょう。
本特例措置に伴い、助成金をすでに申請していた場合に、助成金額が減ってしまうことがないように、さかのぼって特例が適用されることになりました。
すでに支給決定がされている事業主に対して追加で支給が行われます。
1.支給申請はお済みで、まだ支給決定されていない事業主の方
→追加支給の手続きは「不要」です 。
・差額(追加支給分)も含めて支給します 。 ※審査の状況によっては、差額(追加支給分)を令和2年7月以降順次お支払いする場合があります。
2.すでに支給決定された事業主の方
→追加支給の手続きは「不要」です 。
・すでに支給した額との差額(追加支給分)は後日支給します 。 差額(追加支給分)は令和2年7月以降に順次お支払します 。
3.支給申請がお済みの事業主の方で、過去の休業手当を見直し(増額し)、従業員に対し、追加で休業手当の増額分を支給した事業主の方
→追加支給の手続きが「必要」です 。
・令和2年9月30日までに次の書類をご提出ください 。 「再申請書(様式)」、「支給要件確認申立書(様式)」、 「支給決定通知書の写し」、「増額した休業手当・ 賃金の額がわかる書類」 、 「休業させた日や時間がわかる書類(対象労働者を増やした場合)」
今回の特例に伴って、さかのぼって休業手当の支給を行った場合も助成金の対象となります。
過去に支払った休業手当の支払い率を引き上げることも対象となるのです。再申請を行えば対象となりますので検討してもよいでしょう。その場合、給与計算などのやり直しが必要となります。
また、以下の条件にも当てはまる必要があります。
・判定基礎期間中に令和2年4月1日以降の日を含む支給申請について既に支給決定を受けていること
・当該判定基礎期間中に対象労働者に支払う休業手当等について、遡って適用した休業等協定に基づき増額して労働者に支払っていること
・令和2年9月30日までに支給申請を行うこと
政府は新型コロナウイルス感染症を非常事態と捉えています。
そのため随時支援策を公表しています。その規模は5000億円を超えると言われています。最初に発表された雇用調整助成金だけではなく、さらに発表されています。今後も随時追加されると思いますので、都度チェックしましょう。
新型コロナウイルス感染症に係る小学校等の臨時休業等により影響を受ける労働者を支援するため、労働者を有給で休ませる企業に対し助成する仕組みを設ける予定との発表が厚生労働省からあり、助成金の概要が発表されています。
申請方法については未発表です。詳細は不明ですが、正規・非正規にかかわらず適用されることで対象の人数が非常に多くなり、その間の雇用の確保やキャッシュフローの悪化が予測されること等、企業経営者としては注目しておくべき助成金です。
3月11日追記 半日単位の取得や時間単位の有給休暇の取得でも助成金が支給されます。
また、雇用保険の被保険者であることを問わないことも発表されています。
子供の世話をする必要があるのであれば、親権者、未成年後見人、その他の者(里親、祖父母等)であっても子供を現に監護するものであれば対象となります。
申請方法が公表されていないので、今後、どのような書類が必要で、どのような調査が行われるのかが気になるところです。現実的にはすでに休みをとらせてしまっている状態だと思います。
今、この情報だけで、有給休暇を与えてしまったり、与えなかったりする約束をしてしまうとトラブルになりかねないように思います。
ただ、現実的には国がこれだけ公表している制度ですので、有給休暇を与えないという道はないのではないかと思います。結果として助成金の申請ができないということにならないようにしたいものです。
【事業主】
①または②の子の世話を行うことが必要となった労働者に対し、労働基準法上の年次有給休暇とは別途、有給(賃金全額支給(※))の休暇を取得させた事業主。
※ 就業規則の改定による新たな休暇制度の導入を必ずしも求めるものではありません。
①新型コロナウイルス感染拡大防止策として、臨時休業した小学校等(※)に通う子※小学校等:小学校、義務教育学校(小学校課程のみ)、特別支援学校(高校まで)、放課後児童クラブ、幼稚園、保育所、認定こども園等中学校以上は原則対象外
②風邪症状など新型コロナウイルスに感染したおそれのある、小学校等に通う子
【支給額】
休暇中に支払った賃金相当額×10/10※支給額は8,330円を日額上限とする。※大企業、中小企業ともに同様。
【適用日】
2020年2月27日~3月31日の間に取得した休暇
【注意点その他!】
タイムカード等にて、「特別の休暇」を取得したことがあきらかにできること。
就業規則等に特別休暇を規定することが望ましいが必須ではない。
新型コロナウイルス感染症対策として、新たにテレワークを導入し、または特別休暇の規程を整備した中小企業事業主を支援するため、すでに今年度の申請の受付を終了していた時間外労働改善助成金のテレワークコース、職場意識改善コースについて、特例的なコースを新たに設けるとともに速やかに申請受付を開始すると厚生労働省から発表がありました。こちらも申請方法は発表されていません。
新型コロナウイルスでテレワークの導入を検討された事業所も多いと思います。
この機会に導入してみてはいかがでしょうか?
【「時間外労働等改善助成金」新型コロナウイルス感染症対策のためのテレワークコース】
・対象事業主新型
コロナウイルス感染症対策としてテレワークを新規で導入する中小企業事業主
・助成対象の取組
テレワーク用通信機器の導入・運用・就業規則・労使協定等の作成・変更等
・助成対象
・テレワーク用通信機器の導入・運用費用
・就業規則・労使協定等の作成・変更費用
・労働者に対する研修等のコンサルティング費用
※パソコン、タブレット、スマートフォンの購入費用は対象外
・要件
事業実施期間中(令和2年2月17日〜5月31日)にテレワークを実施した労働者1人以上いること
・支給額
補助率:1/2(1企業当たりの上限額:100万円)
・期限
交付申請書提出期限:令和2年5月29日
【「時間外労働等改善助成金」職場意識改善特例コース】
・対象事業主
新型コロナウイルス感染症対策として休暇の取得促進に向けた環境整備に取り組む中小企業事業主
・対象となる施策
病気休暇制度や、お子さまの休校・休園に関する特別休暇制度を新たに整備し、従業員が安心して休める環境を整備する
・助成対象の取組
就業規則等の作成・変更・労務管理用機器等の購入・更新等
・要件
事業実施期間中(令和2年2月17日〜5月31日)に新型コロナウイルスの対応として労働者が利用できる特別休暇の規定を整備すること
・支給額
補助率:3/4※事業規模30名以下かつ労働能率の増進に資する設備・機器等の経費が30万円を超える場合は、4/5を助成(上限額:50万円)
・期限
交付申請書提出期限:令和2年3月13日(現在延長中)
経済産業省が新型コロナウイルス感染症の企業への影響を緩和するため支援策をまとめています。今後どのような影響がでるかわかりません。
チェックをしておきましょう。
新型コロナウイルスによる企業への影響を緩和するため支援策 20年2月末
①資金繰り支援
②新型コロナウイルス対策補助事業
③中小企業・小規模企業の相談窓口
④現地進出企業・現地情報及び相談窓口
⑤輸出入手続きの緩和等
⑥下請中小企業への配慮要請
※詳細は経済産業省ホームページをご確認ください。
https://www.meti.go.jp/covid-19/
農林水産省は新型コロナウイルス感染症の影響が特に大きい食品事業者に対して、支援策をまとめました。資金や助成金など知っておきたい情報です。以下まとめられている情報です。
3月4日時点
※詳細は農林水産省ホームページをご確認ください。
https://www.maff.go.jp/j/shokusan/saigai_r2-march.html
新型コロナウイルス感染症の影響で最も心配されるのが資金繰りです。一過性の売上ダウンですが、企業によってはかなりの影響があります。日本政策金融公庫に相談可能になっています。
旅館業、飲食店営業及び喫茶店営業の方限定ですが、資金の相談ができます。一度話を聞いてみてはいかがでしょうか?
ご利用いただける方
新型コロナウイルス感染症の発生により、一時的な業況悪化から資金繰りに支障を来しており、次のいずれにも該当する旅館業、飲食店営業及び喫茶店営業を営む方
(1)最近1ヵ月の売上高が前年または前々年の同期と比較して10%以上減少しており、かつ、今後も売上高の減少が見込まれること
(2)中長期的に業況が回復し、発展することが見込まれること資金のお使いみち
経営を安定させるために必要な運転資金
融資限度額
別枠1,000万円(旅館業を営む方は、別枠3,000万円)
融資期間(うち据置期間)
7年以内(2年以内)
利率
基準利率。ただし、振興計画の認定を受けた生活衛生同業組合の組合員の方については、特別利率C(基準利率-0.9%)
取扱期間
令和2年2月21日(金)から令和2年8月31日(月)まで
お申込みに必要な書類
ご利用にあたっては、「新型コロナウイルス感染症の発生による影響に関する確認資料」のほかに、振興計画の認定を受けた生活衛生同業組合の組合員の方については、生活衛生同業組合の長が発行する「振興事業に係る資金証明書」が必要となります。
※詳細は日本政策金融公庫ホームページをご確認ください。
https://www.jfc.go.jp/n/finance/saftynet/covid_19.html#yushi
こちらも資金繰りの支援策です。
セーフティネット保証4号とは、売上高等が減少している中小企業・小規模事業者の資金繰り支援措置として、信用保証協会が一般保証とは別枠で融資額の100%を保証する制度です。
本日2月29日時点では、まだ要請ですので、3月2日に官報で地域の指定が行われます。※おそらく47都道府県すべてが指定されると思います。
1.制度概要
自然災害等の突発的事由(噴火、地震、台風等)により経営の安定に支障を生じている中小企業者への資金供給の円滑化を図るため、災害救助法が適用された場合及び都道府県から要請があり国として指定する必要があると認める場合に、信用保証協会が通常の保証限度額とは別枠で借入債務の100%を保証する制度。
2.対象中小企業者
(イ)指定地域において1年間以上継続して事業を行っていること。
(ロ)災害の発生に起因して、当該災害の影響を受けた後、原則として最近1か月の売上高等が前年同月に比して20%以上減少しており、かつ、その後2か月を含む3か月間の売上高等が前年同期に比して20%以上減少することが見込まれること。(売上高等の減少について、市区町村長の認定が必要)3.内容(保証条件)
①対象資金:経営安定資金
②保証割合:100%保証
③保証限度額:一般保証とは別枠で2億8,000万円
※セーフティネット保証5号とは併用可だが、同じ枠になる
※詳細は経済産業省ホームページをご確認ください。
https://www.meti.go.jp/press/2019/02/20200228001/20200228001.html
経済産業省では、ミラサポplusに特設ページを開設し、新型コロナウイルス感染症の支援策をまとめて確認できるように情報を整理しました。
現在(4月3日)時点でとりあげられている支援策は下記の通りです。
(一部)
随時、更新されると思いますので、経済産業省系の情報はこちらをチェックしましょう。
ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金[特例](ものづくり補助金)
など
新型コロナウイルス感染症に伴い、労働保険料を一時に納付することにより、事業の継続などが危ぶまれる場合など、一定の要件に該当する場合、管轄の労働局に申請することで、1年以内の期間で換価の猶予が認められることがあります。
換価…財産の差押えや売却など
申請の手続き
提出する書類
① 「労働保険料等換価猶予申請書」又は 「労働保険料等納付猶予申請書」
② 「財産収支状況書」
※ 資産、負債、収支の状況などを記載してください。
※ 猶予を受けようとする金額が100万円を超える場合は、 「財産収支状況書」に代えて「財産目録」及び 「収支の明細書」を提出してください。
③ 担保の提供に関する書類
④ 災害などの事実を証する書類(納付の猶予の場合)※ 罹災証明書、医療費の領収書、廃業届、決算書など▼申請の期限
・ 換価の猶予:猶予を受けようとする労働保険料等の納期限から6か月以内
・ 納付の猶予:申請の期限はありませんが、猶予を受けようとする期間より前に申請してください。▼猶予の決定又は不承認
提出された書類の内容を審査した後、労働局から猶予の決定又は不承認を通知します。猶予が許可された場合は、労働局から送付される「猶予決定通知書」に記載された分割納付計画のとおりに納付する必要があります。
詳しくはこちらをご確認ください。
厚生労働省ホームページ
https://www.mhlw.go.jp/file/06-Seisakujouhou-11200000-Roudoukijunkyoku/2015040101.pdf
新型コロナウイルス感染症に関連して休業した場合における健康保険の傷病手当金の取り扱いについて、厚生労働省よりQ&Aが発表されました。
新型コロナウイルスに感染し欠勤した場合のほか、風邪症状等により自宅療養し医師の意見書を添付することができない場合にも傷病手当金の支給対象となりうると示されています。
一方で、事業所内で新型コロナウイルス感染症に感染した者が発生したこと等により、事業所全体が休業し労務を行っていない期間や、本人には自覚症状がないものの、家族が感染し濃厚接触者になった等の事由において、本人が休暇を取得した場合については、傷病手当金は支給されないことが明記されています。
Q&Aの詳細は以下をご確認ください。
厚生労働省傷病手当金Q&A
https://www.mhlw.go.jp/content/000604970.pdf
厚生労働省では、新型コロナウイルス感染症拡大防止のため、36協定や就業規則の届出などを電子申請で行うよう呼び掛けています。
以前より日本の行政手続きは煩雑で、電子化が遅れています。本来電子で行った方が利便性が高いのにも関わらず、なぜ普及が遅れているのでしょうか?
いくつか理由はありますが、そのひとつに、知られていないことがあります。労働基準法や最低賃金法に定められたことは労働基準監督署を訪問しなくとも申請できます。
3月は年間でも労働基準監督署への手続きが多く込み合う時期です。
この機会に電子申請の導入を検討してみてはいかがでしょうか?
弊社でも導入を支援させていただいております。ご相談ください。
厚生労働省ホームページ
https://roumu.com/pdf/nlb1213.pdf
新型コロナウイルスに対する最新情報は厚生労働省や中小企業庁の情報をチェックするのがいいでしょう。
特別なことなので、特にインターネットにはさまざまな情報が飛び交っています。正確な情報収集が求められます。
このような時に、まずアクセスすべきは政府からの情報発信です。
新型コロナウイルスについての情報は厚生労働省や中小企業庁から得ることができます。
労働関係の情報は厚生労働省から、経済的な支援の話は中小企業庁から得ることができます。
ご確認ください。
厚生労働省サイトhttps://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000164708_00001.html
2020年3月25日(水)での都知事記者会見において、新型コロナウイルスが感染爆発の重大局面であることやロックダウン(都市封鎖)の危険性があることが公表されました。実際にロックダウンされた場合、現状とは法律が異なるかもしれませんが、現行でいけばどうなるかを想定しておきましょう。(3月28日記載)※ロックダウン(都市封鎖)をどのように定義するかに拠りますが、緊急事態宣言が発令され外出禁止となった場合を想定しております。
現在、考えられる可能性として最も有力な都市封鎖は、外出の禁止です。3月末の週末も外出の自粛要請がされています。
事業の継続についてはライフラインに直結する事業(電気・ガス・水道・医療・食料品)は規制の対象外となることが想定されます。
しかしそれ以外の業種に関してはもちろん。ライフラインに直結するような業種であっても緊急での事業の休止に備えておく必要はあるでしょう。
事業主の責めに帰すべき事由となるかどうか?
事業を休止した場合、事業主の責任において、休止した場合には労働者に対して休業手当の支払いが必要です。ロックダウン(都市封鎖)は原則として事業主の責めに帰すべき事由には該当しないと考えられます。
そのため、労働者に対する休業手当の支払いの義務は発生しません。
しかし、労働者にも生活があると思いますので、有給休暇の取得をすすめるなどの柔軟な対応が必要となります。
休業に対しての支援というと雇用調整助成金が思い浮かびますが、現在の段階では、雇用調整助成金は法律上の休業手当の支払いが必要な場合のみ対象です。
つまり、行政の要請による休業は法的に休業手当を支払う必要がありませんので、雇用調整助成金の対象とはなりません。今後緩和の可能性も十分にありますが、残念ながら活用できません。
また、上記は、ロックダウン(都市封鎖)での休業が使用者の帰すべき事由に該当しないという前提ですのでご注意下さい。
経営の状態や労働者の生活、権利など総合的に考えて方針を決定しておくべきでしょう。
売上の補償はあるのか?
労働者対応を考えるうえでも、ロックアウト時の企業に対する補償があるのかどうかは重要な事項です。
政府や行政機関からの要請で休業を行った場合に売上に対する補償はあるのでしょうか?
非常に気になるところではありますが、今のところ支援策は発表されていません。
今後、検討されることが予想されますが、過去の緊急事態での政府の対応から考えるとおそらく「ない」のではないか?と考えられます。その事象を考え、今のうちから資金の確保を行っておくことが必要でしょう。
ロックダウン(都市封鎖)時の出勤させ罹患した場合の労災の判断についても正確なところはわかっていません。
政府や行政からの要請がどの程度かもわからないからです。
ただ、十分に考えられる事項としては、労災認定されうるということです。またその際、事業主の安全配慮義務が問われることも考えられます。政府など行政機関がロックダウン(都市封鎖)を要請するということは危険性が高いということです。事業継続の公共性(不要不急かどうか)にもよるところはあると思いますので、専門家や行政機関と相談しながら方針を決定することをおススメします。
1.自宅での勤務が可能かどうかの確認とハードの準備
ロックダウン(都市封鎖)となると、出勤ができなくなります。事務などのリモートでできる仕事は在宅勤務などを検討しておきましょう。Wi-Fiの準備やウェブ会議システム等、準備することはあります。
ロックダウン時に慌てても移動制限がかかっていますので、ノートパソコンの持ち帰りを許可するなどして、突然の対応に備えましょう。
2.連絡手段の確認
会社支給の携帯電話など連絡手段が確保してあればいいですが、普段、緊急での連絡がない社員は連絡先を確認しておきましょう。またオフィスにかかってくる電話の転送設定もあわせて確認しておきましょう。
3.仕事ができなくなった時の補償を検討し周知する
ロックダウン(都市封鎖)により、勤務が不可能となる業種も多いでしょう。
一般的にまずは有給休暇の取得をすすめると思いますが、有給休暇にも限りがあります。その際休業手当を支給するのか(都市封鎖による事業の休止が使用者の責めに帰すべき事由ではない場合)など事前に周知しておきましょう。
原則として、使用者の責めに帰すべき事由に該当しない場合は休業手当の支払いは必要ありません。
ですが、従業員の生活のことも考え、人材確保のために支払いを行う事業所も多いと思います。
緊急時こそ法人や経営者としての人間性が表れます。事業継続のために、今のうちに方針を周知しておくことをおすすめします。
4月7日(火)に安倍総理大臣が東京など7都府県を対象に緊急事態宣言をしました。7日の報道、情報収集の結果を簡単にまとめました。まだ、政府の細かい方針が決まっていませんので、詳しくは専門家にご確認いただければと思いますが、現在の当社の見解を解説させていただきます。(顧問先の方は個別にご相談ください)
緊急事態宣言とは、災害など国家の運営危機に対して、緊急事態のために政府が特別法を発動をすることの宣言です。緊急事態宣言をすることで、対象区域の知事が人が多く集まる場所や施設などの使用制限や休止を要請・指示できるようになります。
国民の外出自粛要請に法的根拠とオーバーシュート(爆発的患者急増)などで、医療提供体制が崩壊する事態を回避するために発令されると思われます。
緊急事態宣言が出た場合、法的根拠にもとづく外出自粛要請が出ることになります。ところが出勤自体(一部の業種ではなく全部)は自粛要請の対象から外れています。出勤自体は緊急事態宣言が出ても法的に可能となります。
休業手当を支払わなければならないか否かは、企業の休業が使用者の責めに帰すべき事由による休業(使用者である企業の都合や責任)か使用者の責に帰すべき事由に該当しない(不可抗力)かにより判断されます。
緊急事態宣言下においては休業要請の対象業種であり実際に休業要請があった場合は、使用者の責めに帰すべき事由に該当しない(不可抗力)と考えられ休業手当は原則不要となると考えられます。ただし、この不可抗力と認められるには単に営業停止だけでは足りず、在宅勤務などで業務させることも、他の業務に就くことも難しい状況であることが必要です。 不可抗力で休業手当の支払いが不要となった場合は、雇用調整助成金の対象になりません。従業員に休業補償を行う場合は、会社は休業手当として平均賃金の60%から100%の賃金を自社で負担して支払うことになります。新型コロナウイルス感染症の影響でこれからはどうなるかは分かりませんが、人手不足は深刻な経営課題となっています。特に、資格者などの人材は今後も確保は難しいでしょう。そのため、従業員の離職防止の観点から休業手当の支払いを検討することになります。(休業手当の支払いがない場合、その間の従業員の収入はなくなってしまいますので)今のうちに方針を決め、休業手当をいくら払うのかを決めておく必要があります。
※今回の場合、使用者の責めに帰すべき事由に該当しない場合でも雇用調整助成金の対象となるような要件緩和も考えられます。その場合もあわせて想定しておく必要があるでしょう。
【休業要請する業種】
大学や専修学校など教育施設、自動車教習所、学習塾、体育館、水泳場、ボウリング場、ゴルフ練習場、バッティング練習場、スポーツクラブ、劇場、映画館、ライブハウス、集会場、展示場、博物館、美術館、図書館、百貨店、マーケット、ショッピングモール、ホームセンター、理髪店、質屋、キャバレー、ナイトクラブ、バー、個室ビデオ店、ネットカフェ、漫画喫茶、カラオケボックス、パチンコ店、場外車券売り場、ゲームセンター
休業要請対象業種以外は法的に出勤可能なので客が少なく休業せざるを得なくなっても、休業は使用者の責めに帰すべき事由に該当すると考えられ休業手当を支払う必要があると解されます。
法的根拠にもとづく外出自粛要請で街から人が消えるとサービス業等は著しく顧客が減ります。そうなると間接的には休業要請を受けているような気がしますが、不可抗力による休業とは解釈されず、使用者の責めに帰すべき事由に該当し休業手当を払わなければならないと考えられます。
休業手当を支払う場合には雇用調整助成金の対象となりますので、まずは申請できるかどうかをチェックしておく必要があります。雇用調整助成金は前月売上の前年比が95%未満でなければ申請できません。その時にどのような緩和がなされているか分かりませんが、今のところ申請できるかどうかをチェックしておきましょう。 よくある質問として、ある店舗は落ち込んでいるが、ある店舗は好調である場合ですが、算定は店舗ごとではなく企業単位で行いますので注意が必要です。 また、雇用調整助成金で受給できる金額もシミュレーションしておきましょう。 雇用調整助成金の日額上限は8,330円です。また、自社が従業員に対して支払った金額ではなく、労働保険料の申告書から日額は算定されることも注意が必要です。
会社として平均賃金の何%(60%以上)は、離職防止をとるか事業の継続をとるかですので、経営状況それぞれで変わってくると思います。不確定要素は多いですが、シミュレーションしておくことで予想することはできます。先手先手で用意しておきましょう。
事業が継続されなくては、従業員の生活を守ることは絶対にできません。
事業の継続のためにまず考えるべきは資金の確保と経費削減です。詳しくはブログでお伝えさせていただいていますが、この緊急事態において決断できないことが最もリスクです。より多くの情報を集めしかるべきときに決断をするためにどれだけの事態を先に想定できるかが重要です。
場合によって、整理解雇という選択肢もあるでしょう。整理解雇も事業が厳しいからという理由で単純に認められるものではありません。つまりいきなりできないのです。
決断をするために、今準備をする。そうも言っていられない場合は、今決断できるだけの情報を集め、即断をする必要があるのではないかと考えます。この難局を一緒に乗り切りましょう!
弊社も社労士事務所としてできる限りの支援をさせていただく所存です。
年次有給休暇は原則として労働者の請求する時季に与えなければいけません。本人が希望すれば、年次有給休暇を消化することはできますが、一律の定めとして年次有給休暇を消化することは認められません。
休業手当の支払いに関しては労使で十分に話し合いをする必要があります。一般に、休業手当は賃金の6割を補償するものですが、新型コロナウイルスは指定感染症に指定されたため、新型コロナウイルスの場合は法的には休業手当を支払う必要はありません。
ですが、実務としては、高熱で従業員が休みを取得する場合には、休業手当か年次有給休暇を選択してもらう方がいいと思います。休みはじめでは新型コロナウイルスかどうかも分かりませんし、安心して休んでもらえる状態を会社が用意する方がいいでしょう。
小中学校の休校の要請があり、実際に休校を決定した学校も増えています。それに伴い、会社を休みたいという申請をする従業員もいると思います。
その場合の補償について、国からの補償の具体的な案内はありません。※現在検討中です。
なので通常の社会保険で対応することとなります。
まずは、年次有給休暇の消化を推奨するのが、妥当かと思います。年次有給休暇を消化しきってしまった場合、無給での欠勤となります。ただ、今の事態は非常時ですので、企業の対応が問われることも十分配慮すべきでしょう。
個別企業ごとに考えるべき事案ではありますが、特別有給休暇を考慮してもいいでしょう。
また、ご家族の状況等によりお休みと出勤ができる日程をご本人様に可能な限りでご調整頂き、お子様がいらっしゃらない皆様と含めて、全体をカバーするためのシフト検討等一部の方に負担が集中しないよう、配慮する必要があります。
労災が認められるかどうかは、業務遂行性と業務起因性が認められるかどうかが重要になります。業務遂行性とは、業務を行っていた、つまり仕事中だったということです。また業務起因性とは、その事故などの原因が業務によって起きたかどうかです。
つまり今回の場合、業務遂行性は認められると思いますが、業務起因性については議論の余地があり、状況次第だということになります。
業務起因性に関しては厚生労働省の下記サイトで解釈が発表されています。
https://jsite.mhlw.go.jp/fukushima-roudoukyoku/hourei_seido_tetsuzuki/rousai_hoken/hourei_seido/hosyo_gyousai.html
つまり、業務と発症原因との間及び発症原因と疾病との間に二重に有する因果関係を意味します。そして、それぞれの因果関係は単なる条件関係ないしは関与ではなく、業務が発症原因の形成に、また、発症原因が疾病形成にそれぞれ有力な役割を果たしたと医学的に認められることが必要となります。
業務の発生原因と新型コロナウイルス感染症の間に因果関係があると思われる場合は注意が必要です。
※医療機関などでの業務など。
企業としてはそのようなリスクがあることを理解しておくことが大切です。
安全配慮義務に違反するかどうかは、職場に罹患の可能性がどのくらいあるかに拠りますので、都度判断が必要です。
例えば、医療機関等、感染の可能性が高いと思われる職場で、マスクの着用を禁止したり、マスクを準備しなかったりした場合は安全配慮義務違反の可能性が高いでしょう。
通常の職場でも、マスクの着用禁止などを強行に実施した場合、安全配慮義務違反となる可能性があります。
非常事態だということを十分に理解し、企業として誠意をもってできることを実施するべきでしょう。
法律上、通勤費の支払いは労働の対価として定められているわけではありません。各社の規定で支払いのルールが規定されていて支払いを行っているケースが多いわけです。
なので、通勤費は必ず支払わなければならないというわけではありません。会社としては従業員が合理的に通勤できる経路にかかる経費を負担するのが一般的ですので、車通勤を絶対に認めなければいけないわけではありません。
しかし、電車と比較すれば車の方が人との接触は抑えられます。その際のガソリン代や駐車場代は従業員との話し合いで暫定措置として支払うかどうか決めていけばいいと思います。
テレワークを制度として導入する場合は以下の点に注意して導入を検討しましょう。
1.従業員の同意をとること(就業場所の変更にあたるため)
2、労働時間に配慮すること
3、人事制度を変更すること(評価の問題があるため)
4、セキュリティ・作業環境を整えること
5、チャット・テレビ会議を導入すること(コミュニケーション)
6、マインドを変えること(サボっても気づかれないと思わせない)
一時的に導入するのであれば、トラブルも少ないと思います。しかしテレワークの落とし穴は労使のトラブルではなく社内のトラブルです。制度の不公平からトラブルになってしまう可能性があります。
「私の仕事はテレワークできないけど、私もできることならテレワークがいい」というような不平です。
通勤にコストがかかっていることは事実ですので、誰しもが思うことです。
会社としてテレワークを導入するのであれば、専門家に相談の上、運用まで考えて導入しましょう。
新型コロナウイルス感染症の発生により影響を受けた皆さま方に、心よりお見舞い申し上げます。
当社含め、当社の顧問先も多くの影響がでております。
新型コロナウイルス感染症の企業対応に関してお悩みの際は、どんな些細なことでもかまいませんので、当社までご相談ください。
一方、今経営者がすべきことは、先を見て、手を打つことだと思います。目の前のことと合わせて、事態が収束した先のことも考えて施策を考える必要があるのではないでしょうか?以下私が考える今経営者がやるべきことをまとめました。上記の企業対応とあわせてご確認ください。
売上減少時にまずやらなければならないことはコスト削減です。
入ってくるお金が減っていく中で、まず止血に走る必要があります。
規模により、人件費含め検討する必要があります。
経費削減に関するセミナーを3月12日に実施します。
WEBでの参加も可能ですので、ぜひご参加ください。
※3月12日終了しました。
同じではありませんが、SARSの収束まで8か月程度かかりました。
感染力から考えれば、今回も長期化が予想されます。すでにオリンピック中止も検討されています。
経営者として、事態収束後、人がどのように動くかを考えて、行動しておくことは非常に重要です。
売上が戻ることを予想するだけではなく、次回同じような事態が発生した際にどのように行動するのか?備えをするのか?まで含めて考えておくべきでしょう。そのうえで、今、直近の打ち手も見えてくると思います。
アウトソーシングやITシステムの導入など、先を見据え取り組んで行く必要があります。
リクルートより2020/2/22(土)~2020/3/31(火)に開催予定のイベントの中止が発表されました。
新卒採用のスケジュールは大きく変わりそうです。
以前からナビ離れといわれておりましたが、今回のことで拍車がかかると思います。
企業の対応に不満をもった優秀な従業員が転職を考える時期でもあります。
全体的に人材採用を控える時期です。逆に中小企業で優秀な人材を採用しようと思えば、間違いなく今がチャンスです。弊社が主催しているとうかい逆求人フェスティバルは企業と学生をWEBでつなぎます。
今学生も困っています。
合同説明会の多くは中止となり、優秀な学生が面談の機会を探しています。
人材採用においては間違いなく今がチャンスです!
将来を見据えて今できることに投資しましょう。