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アウトソーシングの選び方。社会保険労務士が解説します。

アウトソーシングの選び方、ポイントを1つずつ丁寧に解説します。

アウトソーシングは、社外へ業務の一部を委託したり、場合によっては部門自体を他社へ任せるといったもので、ビジネスにおいては大小さまざまなサービスが展開されています。委託する内容も、人事労務、財務経理をはじめとしたバックオフィス全般から、ITシステム、営業、コースセンターまで、幅広く対応されています。何より、業務の効率化、人材不足への対応や社員のコア業務集中を目的として、アウトソーシングが導入されています。
従来は、自社の業務は社員で対応、内製化するといった方針であった企業も、方針転換が進み積極的にアウトソーシングを活用するケースも目立ってきました。
今回は、人事労務業務をはじめ、アウトソーシングを検討している経営者や担当者のみなさまに、失敗しないアウトソーシング活用のコツを、アウトソーシングに詳しい社労士が解説していきます。

目次
この記事の監修

社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子

これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先350社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。

現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。

主な出演メディア
NHK「あさイチ」

中日新聞
船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」


社会保険労務士 小栗多喜子のプロフィール紹介はこちら
https://www.tokai-sr.jp/staff/oguri

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そもそもアウトソーシングとは?

そもそもアウトソーシングとは、業務効率化とリソース不足を補完するものとして利用されることが多いものです。社内の業務を、外部の会社や事業者に委託し実行してもらうことで、社員はコア業務に集中することができるのです。近年ますます業務のスピード化、グローバル化が進展するにつれ、アウトソーシングの需要も高まってきています。社内の限られた人材のみで成果を上げていくより、効果的に外部のアウトソーサーを利用し、社内人材を活用していく動きとなっています。

今後、慢性的に人材不足が問題となっている日本において、DX化推進とあわせて、アウトソーシングの活用も視野に、経営をハンドリングしていく必要が生じてきています。

アウトソーシングは、業務の委託方法や依頼先によっても名称が異なる場合もあります。一般的に、アウトソーシングは業務を最適な外部アウトソーサーに委託・発注することになります。その他、グループ企業間で特定の業務を1社に集約させるといったシェアードサービスと呼ばれるものもあります。また、アウトソーシングを大きな視点で考えたときには、フリーランス人材などに業務を委託するクラウドソーシングといった手法もあります。

 

【アウトソーシングの効果】
  1. コア業務への集中
    自社で内製していた作業や業務を、アウトソーシングすることで、社員はよりコア業務に集中することが可能となります。例えば、人事労務業務において、給与計算業務や社会保険手続きといった業務をアウトソーシングすることで、人事労務担当者がより社員の労務環境に関する施策の立案や推進に力を入れたりといったことが可能です。採用業務の場合であれば、採用候補者の応募管理などをアウトソーシングすることで、採用担当者は、採用施策や人材配置などの重要な業務に時間を割けるといった具合です。
  2. コスト削減
    アウトソーシングが必ずしもコスト削減につながるかといえば、そうではないケースもあるでしょう。しかしながら、もしすべてを自社内で完結するには、その業務を担う人材が必要です。その人材を採用するための広告費用、採用活動に関する人事担当者のコストと時間、新人担当者への教育など、トータルで考えると一概にコスト高というわけではありません。総合的にコストパフォーマンスを判断する必要があります。
  3. 業務効率化や品質向上
    アウトソーシングする場合には、対象業務の専門家に依頼するわけです。当然ながら、プロフェッショナルとしてのレベルが期待できますおで、業務効率化や品質向上を目指すことが可能です。

失敗しないアウトソーシングの選び方とは?

失敗例を知った上で準備ができれば、スムーズにアウトソーシングが行えます。

効果的で魅力あるアウトソーシング。しかしながら、一方で「失敗した!」というケースも少なくありません。「あのアウトソーシングサービスはダメだ」「うちのアウトソーサーの動きが悪い」といったネガティブな意見が聞かれることもあります。アウトソーシングの導入を考えている時に、そのようなネガティブ意見に触れると、不安になってしまうでしょう。

しかしながら、アウトソーシングの失敗の場合、多くは理由があります。その理由を予め理解したうえで、準備・導入を行うことで、多くのアウトソーシングの失敗と呼ばれるものは、解決・対応できるでしょう。

<よくある失敗例>

  • アウトソーシング業務の問題・課題を不明瞭のまま、委託してしまった
    どのような目的・目標でアウトソーシングを活用するのか、不明瞭のままだと、いざアウトソーシングした後にトラブルが発生することになります。
  • アウトソーシングについて、関係社員と情報共有できていない
    アウトソーシングをする場合、今までの担当者が「自分の仕事を取り上げられる」など、反発を生む場合もあります。今までの業務フローや手順といった業務の洗い出しを行うにも、現状の担当者の協力なしでは、うまく進みません。アウトソーシングを活用するにあたって、しっかりと担当者に理解していただく必要があります。
  • アウトソーサーに丸投げ状態
    これはよくあるケースです。「アウトソーシングするのだから、やってくれるんでしょ、楽になるんでしょ」と、業務を丸投げして失敗といったケースです。アウトソーシングしたからといって、社内の人間が誰一人関わらないわけではありません、社内の体制をどのように行うのか、コントロールする人材は誰かなど、委託前に検討しておきます。

社会保険労務士が解説する、アウトソーシングの選び方のポイント!

アウトソーシングするにあたり、どんなことがポイントとなるでしょうか。

アウトソーシングする業務のうち、導入が多いのが、給与計算業務や社会保険手続き業務です。さまざまな法律が関連し、改正も多い中、給与計算業務や社会保険手続きが大きな負担であるとは、よく聞く話です。また、担当者が退職すれば、新たに人材を採用しなければならず、即戦力を求めて採用したものの実際のスキルと乖離があったというケースもあります。そこで、思い切って、アウトソーシングを活用し、業務負担を削減しよう、というわけです。給与計算や社会保険手続きをアウトソーシングする場合、多くは社会保険労務士事務所などのアウトソーシングサービスの利用を検討されるでしょう。
とはいえ、どこにお願いしたらよいのか、日頃社労士とお付き合いのない会社の場合には、とくに悩んでしまうのではないでしょうか。社会保険労務士にアウトソーシングを委託する場合には、いくつかの選ぶポイントがありますので、参考にしてみてください。

 
 
  • アウトソーサー(社労士事務所)の体制をチェック
    社会保険労務士事務所の場合、多くが給与計算や社会保険手続きを委託できるケースが多いでしょう。アウトソーシングをする場合、社労士事務所の体制はどうなのか、急な手続きが発生したとき、トラブルがあったとき、どのような対応策を取っているのか確認したいところです。
  • 電子化などネット対応が可能かチェック
    昨今ではネット環境が整備されていないケースはないとは思いますが、業務を推進するにあたってネット環境・電子化申請などは欠かせません。しっかり対応してくれるところを探しましょう。
  • 顧問契約なのか、業務の委託のみなのかチェック
    社会保険労務士事務所によっては、給与計算・社会保険手続きを委託するには、顧問契約が必須の場合もあります。人事労務のことを考えれば、社労士顧問にお任せしたほうが安心な部分はあるでしょうが、自社に合ったサービスを選択できるのがベストなので、よく確認すべきです。
  • 得意業界をチェック
    社会保険労務士事務所によっても、得意とする業界や分野があるケースも。実績なども確認しておくとよいでしょう。
  • 利用システムやセキュリティをチェック
    各所によって、利用システムが異なります。どのようなシステムを利用し、ユーザー側とのやりとりツールはどうするのか、など細かいところまで確認しておくほうがよいでしょう。もちろん、個人情報を扱うことになりますので、セキュリティー対策をどのようにしているのかチェックするのも欠かせません。

アウトソーシングしたものの、トラブルに発展してしまったということのないよう、導入前によく話を詰めておく必要があります。専門家だからといって、アウトソーシングを依頼して、翌日からスタートというわけにはいきません。給与計算業務などは、最短3か月くらいはみておきたいところです。また、給与計算・社会保険手続きのみを委託するのか、就業規則の見直しも委託したかによっても、必要期間は異なります。
まずは、何をアウトソーシングしたいのか、アウトソーシングするにあたって問題になりそうなものはないかといった整理をすることから始めます。
社会保険労務士事務所は、非常に数が多く、どこに依頼したらよいかわからないという場合も多いでしょう。昔は、会社の所在地付近の社労士に依頼するといったケースも多かったようです。しかし、ネット環境が整備されている今、全国から自社に合った社労士事務所を選択できるでしょう。ぜひ複数比較してみることをおすすめします。

 

まとめ

万全の体制でアウトソーシングのスタートを切りましょう。

人事労務担当者にとっては、ミスの許されない毎月の給与計算業務、社会保険手続きに加え、年に1度とはいえ負担の大きな年末調整業務です。アウトソーシングすることで、複雑な作業が手離れすれば、人事評価制度などの組織づくりや従業員満足度向上など、他の業務に注力できるのにと考えている経営者や担当者も多いでしょう。
アウトソーシングの導入は、スタートをしっかり切れれば、運用はうまく回っていくはずです。まずは、オンラインでの相談などを通して、自社の問題・課題を相談してみてはいかがでしょうか?

また、なかには「アウトソーシング自体初めて」という方もいらっしゃるでしょう。初めての方で多いのが、課題を整理しきれていないことです。弊社では、御社のご状況をお伺いすることでお悩み事を明確にします。
そのうえで、アウトソーシングするほうがよいのか、アウトソーシングする場合はどのような業務フローが御社にあっているのかという点から、ご相談に対応させていただきます。ぜひお気軽にお問合せください。

 

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