番外編:働き方改革メルマガ

代表の久野が、依頼を受け、働き方改革についてのメルマガを配信することとなりました。
社会保険労務士や税理士向けを対象としたメルマガですが、働き方改革について全12回で久野の思いを綴ります。
働き方改革は、何をすべきなのか?世の中のトレンドは新型コロナウイルス感染症の感染拡大もあり、時間を短くすることからデジタルツールを使うことに変わってきたように思います。

しかし、本当にそれが働き方改革でしょうか?

全12回で、本当の働き方改革を中心に労務について久野の意見をお伝えします。

2020.11.09 番外編:働き方改革メルマガ 名古屋の社会保険労務士 久野勝也

第 2 回「働き方改革で社員も年 3%以上の能力アップが求められている。」  

社会保険労務士法人とうかいの久野勝也と申します。

前回のメルマガはいかがだったでしょうか?

 

働き方改革の本質は、人口減少社会において、真に儲かる会社だけを残し GDP を維持するといった経済改革です。

働き方改革関連法(改正労働基準法)は、労働時間を短くし、休日、有給取得は増やしながら今まで以上の給与を払えといった企業にとっては大変な法律といえます。

今年はコロナで最低賃金はほとんど上がりませんでしたが、また来年からは最低賃金は 3%以上増え、有給取得率を上げ、休日数を増やすことを求められます。

会社は変わらざるを得ません。

デジタル化し、ビジネスモデルを変革し、生産性を向上させる生き残りをかけた戦いに挑んでいます。

 

ただその一方で、社員はどうでしょうか?

会社だけに働き方改革を押し付けて、そこで働く社員の能力が上がらないのなら、能力以上の給与を会社は払い続けることになるので、いつか会社は潰れてしまいます。

むしろ、社員こそ”働き方改革”を通じて能力向上しないといけないのです。

社員自身も「会社が働き方改革を通じて自分の待遇を良くしてくれる」などと甘いことを考えていてはダメです。自分の待遇は自分で上げるしかないのです。

 

わたしは大学時代、テニスがうまくなりたくて、プロテニスプレイヤーにテニスを教えてもらっていました。

田中さんというのですが、その田中さんに就職する際に言われた言葉を思い出しました。

『プロのテニスプレーヤーは、コートの上でのみお金を稼ぐ。しかし、試合がない時にも練習したり、走ったり、トレーニングしている。常にコートの外でも自分を高めている。

練習をしないと、絶対に本番で力は発揮出来ないし、絶対に勝てない。つまりお金を稼ぐことはできない。

でも俺は、サラリーマンで、仕事のプロをあまり見たことがない。

仕事の練習をしている人をほとんど見たことがない。

おまえは、仕事が試合だと思って、仕事以外でもその努力を怠るな!!』

多くの社員が、仕事で能力があがると信じています。でもそれはド新人のころだけです。

テニスが試合中にうまくならないように、仕事も仕事の中だけで能力を上げるのは無理です。

 

仕事以外の時間で、仕事以外の場所で、自分の能力を上げる努力ができるか?

この働き方改革を通じて、個人もまた試されているのです。

 

2020.10.19 番外編:働き方改革メルマガ 名古屋の社会保険労務士 久野勝也

第1回「生産性と効率性の違いを理解できていない人によるなんちゃって働き方改革」 

社会保険労務士法人とうかいの久野勝也と申します。

これから全 12 回に渡って 社会保険労務士として多くの会社を見てきて感じたことを発信していきたいと思います。よろしくお願いします。今、会社 が最もやらなければならないのが「働き方改革」です。

「働き方改革 」の本質は 何かというと 「 稼ぎ方改革 」 です。 稼ぐ力の指標である日本の 労働生産性は、最新の世界データ 2019 年) によると、世界第 34 位でした。

日本の労働生産性は韓国(1991 年時点では世界 51 位)や、トルコ(同 47 位)、チェコ(同 35 位)、スロベニア(同 33 位)といった国にまで抜かれてしまいました。

労働生産性の低さは、日本経済の最大の問題です。
GDP は下記の算式で表されます。

GDP=労働生産性×労働量 ですが、 人口が減り続けている 日本においては将来労働量が 激減 していくことが予想されます。

労働量を減らさないために女性活躍、高齢者活躍をかかげ労働量を維持する施策は打っていますが 、 人口が増えない 、移民政策に後ろ向きな日本では労働量を 増やすことに は限界があります。そう考えてくると今の GDP を維持するためには労働生産性を上げるしかないのです。

「 おいおいちょっと待って、 GDP なんて上げなくても良いのでは ?」 と 思うかもしれませんが GDP が減れば何が起こるか? 国民が不幸になります。超高齢化社会の日本において国家財政の多く は 社会保障費に使われています。

日本の収益の源泉である GDP が減れば 社会保障費 にまわせるお金が減り、医療費 、介護負担 が増えたり、年金が減ったり 、社会保険料が上がったり といった 問題が起きます。

ただでさえ社会保障費が上がり続け会保障費が上がり続けているている日本において国民が今の生活を維持するために日本において国民が今の生活を維持するためにGDPを上げないといけないというわけです。

だから政府は近年「生産性を上げろ」「生産性を上げろ」と言うようになったのです。

どうやって上げようか?そこで政府が目を付けたのが労働基準法です。

すべての企業の労働時間の上限を決め、労働時間を一律にしたら各社の本当の生産性が分かるのではないか?そしてそのうえで生産性の低い企業を潰し生産性が高い企業に投資をする。

さらに生産性の低い企業をふるいにかける。それを繰り返して日本の労働生産性を上げよう。

労働基準法を使った経済改革。それが働き方改革の本質なのです。

前置きが長くなりましたが、第1回の「生産性」と「効率性」の話をしたいと思います。

皆さんの会社には「生産性を上げろ!」「効率を上げろ!」と号令をかけている人はいないでしょうか?

わたしが見てきた現場では、「生産性」と「効率性」の区別がついていない人が多いなと感じます。この「生産性」と「効率性」の区別がついていない人が上司だったりすると最悪です。どれだけ現場ががんばっても「生産性」は上がりません。

生産性は下記の公式で表されます。

生産性の公式は、アウトプット÷インプットですので、1日2個作れたものが1日4個作れるようになれば生産性は2倍になります。

では、効率性とは何でしょうか?

「効率性」とは「生産性」よりも広い概念です。

1円の売上を生まない商品を2時間かけて作っていたものが1時間で作れるようになった。

これは効率が上がっています。しかし、確かに効率は上がっていますが、何も生み出していないので付加価値の上昇率はゼロです。

よくIT企業が「このツールを入れると経営者の時間が削減されて、生産性が上がる」と言って紹介してくれますが、それは言葉が間違っています。

正確には、「ITツールの導入で業務が効率化して、結果として経営者の時間が増える」ということです。この空いた時間に新たに付加価値を生み出せれば、生産性が上がったことになります。あなたがカレー屋で働いていて、盛り付けが早くなったとしたら、これは効率性が上がっただけです。素早く盛り付けて、空いた時間何もしなければ生産性は変わりません。

この空いた時間にお店の外に出てお客さんを勧誘したり、お客さんと話をして追加注文させたりすることで付加価値が上がり生産性が上がります。

このことを理解して、会社が生産性アップに取り組んでいないと本当に怖いと思います。

既存の仕事を効率化して2時間かかっていたものが1時間でできるようになった。

そこで終わったら、生産性が上がっていないので社員の給与は絶対に増えません。

なぜなら会社と言うのは全体の付加価値額が増えないと社員に還元することができないからです。

経営者から社員まで多くの人が、案外「生産性」と「効率性」の違いを意識できていないと感じます。

あなたの職場のメンバーはどうでしょうか?効率化のみを追求する「なんちゃって生産性アップ、なんちゃって働き方改革」の職場になっていないでしょうか?

第一回のコラムどうだったでしょうか?これから1年間働き方改革を中心とした労務の話をしていきたいと思います。よろしくお願いします。

著者 久野 勝也 (くの まさや)

■社会保険労務士法人とうかい 代表
■株式会社ダイレクトHR 代表

多岐にわたる社会保険労務士の業務のなかでも、採用に関する業務を得意とする。

希望の人材像の設定の仕方や場面別での応募媒体の設定方法、企業を成長させる人材の見分け方など、実践的な採用戦略を指導している。

2018年には採用支援専門会社を立ち上げ、中小企業の成長を人事労務の面から支えている。

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