経営ブログ(7)

2019.10.25 経営ブログ 名古屋の社会保険労務士 久野勝也

未払い賃金の請求期間が2年から3年へ
経営者が今やるべきこと

300社以上の中小企業を見てきて、未払い残業がゼロだと言い切れる会社はほとんどありません。

始業時刻が9時だとして、準備も考えれば15分前には会社に来るべきだと思っていますし、休憩時間が1時間と言っても仕事が忙しければ少し早めに休憩を終え仕事をはじめたり、グレーな時間は存在します。

 

先日の日経新聞でこのような記事がありました。

 

2019/10/20 日本経済新聞抜粋

未払い賃金請求期間、まず3年に延長へ 厚労省

“厚生労働省は働き手が企業に未払い賃金を請求できる期間について、現行の2年を3年に延長する検討に入った。2020年4月の改正民法施行で賃金に関する債権の消滅時効が原則5年となるのに対応する。労働者の権利を守るため将来は5年への延長を視野に入れつつ、企業経営の負担が過大にならないよう、まずは3年への延長で制度改正の実現をめざす。”

 

未払い残業で訴えられるリスクはどんどん大きくなっていきます。

 

最近は未払い残業を計算するアプリ(ザンレコ)なども出ています。

アプリで残業を計測し数百万という金額が請求できるとしたら、誰でも請求するのではないかと思います。

 

【ザンレコ】GPSで会社にいる時間を自動で計算してくれるアプリ
アプリから簡単に弁護士に相談できる。

 

経営は楽しいことばかりではありません。

社員から辞めたいと言われたり、やる気が出ないと言われたりもしますし、会社が赤字でも、どんなに仕事ができない社員でも、給料を払い続けなくてはいけません。

来年にはパワハラ防止法も施行されます。社内の労使紛争はさらに増えると思います。

 

日本経済が右肩上がりのころは、1日あたりに作れる量を最大にし、たくさん作れば売れました。とにかく人を増やせば良かったし、給与を増やし続けることができました。人が多い会社が多くの利益を上げることができました。

 

ただ今は違います。物は作りすぎれば残りますし、人が多いだけでは利益がでなくなってしまいました。

 

雇用には大きなコストとリスクがありますが、それがこれからもっと大きくなります。

 

2019年もあとわずか。恐らく来年度の計画を立てている会社も多いと思いますが、将来の展望の中でどうして人を雇うのか?そのミッションが人を雇用しないと出来ないかを再度検討する時期だと思います。

 

なぜ、人を増やすのか?減らすのか?

 

会社の数字のために売上を上げるのでは、社員もついてこないし、1人でできるのなら1人でやったほうが良い時代に変わってきています。

 

これからは、1人ではできないことを実現したいから会社を大きくする時代です。

 

あらためて経営者が経営を通じてどんなことを実現するか真剣に考えないといけません。

 

人を採用し、夢を実現するという考えなしに、人を採用し続けるにはあまりにコストがかりすぎます。

 

大きく労使の環境が変わるこのタイミングで、改めて経営者として何がしたいか見直してみてください。

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【ご案内】

来年の1月22日水曜日に名古屋商工会議所主催のセミナーで働き方改革の講師として登壇させていただくことになりました。

事務所が多治見にあったころから、いつかは名古屋に出ようと思い、名古屋商工会議所の会員になり、毎月のように名古屋の商工会議所さんにセミナールームをお借りして自主開催セミナーをやっていました。

そんな中で名古屋商工会議所の松田様と知り合いました。

 

今回のセミナーは名古屋商工会議所の松田様からの依頼です。袖振り合うも他生の縁ですね。

講師をさせていただけることを大変嬉しく思いますし、全力でやりたいと思います。
また、名古屋商工会議所が開催する働き方改革!シリーズ講演会(全12回)にも関わっていきます。
是非、ご参加ください。

主催:名古屋商工会議所
開催日:2020年1月22日(水)
開催時間:14:30~16:00(受付14:00~)
会場:名古屋商工会議所

お申込みはこちら

2019.10.11 経営ブログ 名古屋の社会保険労務士 久野勝也

弊社の顧問先は、
成長企業が多いのが特徴です。
~成長企業の3つのポイント~

 社会保険労務士法人とうかいの顧問先は成長企業が多いのが特徴です。

成長と言うと売上をガンガン伸ばしていると言ったイメージかもしれませんが、わたしが考えている成長企業は次の3つのすべての条件を満たしている先になります。

 

➀毎年、売上額、粗利額が伸びている。

➁売上額、粗利額を伸ばすために商品そのものや、商品の売り方を変化させている。

➂毎年、社員の労働条件が向上している。

 

➀毎年、売上額、粗利額が伸びている。

会社はお金がなくなると潰れます。中小企業は上場企業のように第三者が出資してくれるわけではありませんので、会社の資金を蓄えるにはやはり売上額、とくに粗利額を増やし、利益を出し会社の資金を増やすことが大切になります。

 

➁売上額、粗利額を伸ばすために商品そのものや、商品の売り方を変化させている。

今、順調に業績を伸ばしていても同じ商品を、同じようなやり方で販売していれば次第に売上は下がっていきます。

成長企業の経営者の特徴は、「革新3割、保守7割」で新しいことを30%取り入れて残りの70%は維持させるという発想で常にチャレンジしています。

 

➂毎年、社員の労働条件が向上している。

経営はやっぱり人です。人なくして事業は成立しません。

人不足の昨今、優秀な人材であれば他社から引き抜かれることもあります。世間相場を意識しながら給与を引き上げていくことも考えないといけません。

また、働き方改革を通じて、休日数を増やしたり、有給の消化率を増やしたり、子育てをしながらでも働きやすい環境を作ったりしていくことも重要でこちらは他社企業と足並みをそろえながら、一部の制度については他社と差別化になるようなものを検討していくことが重要になります。もちろん、これらの実践には生産性向上が不可欠ですし、➀の粗利額の向上は必須になります。

 

成長企業の特徴、いかがだったでしょうか?

➁ができていない企業は多いのではないでしょうか?

➁を実践するためには、リスクも伴います。しかしながら会社を継続し続ける唯一の方法でもあります。優秀な経営者は、経営計画発表会などで「革新3割」の重要性について社員に説明し、しっかりと時間、予算、人的なリソースを割いています。

「脱下請け」「粗利向上」「イノベーション」などスローガンは掲げるものの、実際には、人員、予算、時間などを投入できていない経営者の会社はこれから厳しいと思います。

2019.09.20 経営ブログ 名古屋の社会保険労務士 久野勝也

実験都市多治見
 アマゾンがはじめる置き配とは?

置き配、この言葉をご存知ですか?

9月11日にAmazonがある発表をしました。(PRESSリリース詳細

岐阜県多治見市で「置き配指定サービス」の利便性や効果を検証する実証実験を行います。

10月から11月までの約1か月間、岐阜県多治見市に届けるamazonの商品を「置き配指定サービス」を標準の配送方法として、在宅・不在に関わらず、指定の場所に商品を届けるというものです。

 「配送ボックス」、「玄関」、「ガスメーター」、「ガレージ」、「自転車の荷物かご」、「ビルの受付係」など、置き配を希望する場所を選び、置き配が完了すると、ドライバーは専用のタブレットを使って、商品を配達した場所の写真を撮影します。

 

注文者は、配達完了のメール、またはAmazonの配達状況確認ページで確認することができます。

 

このAmazonの取り組みは、非常に秀逸だと思います。

 

今、Amazonを悩ませているのは物流です。

 

2017年にAmazonに危機が起きました。

 

「ヤマトショック」

 

Amazonの物流を支えるヤマト運輸で、残業代の未払い(約190億円)などの労働基準法違反が起きました。

 

増え続ける物量に対して、長時間労働、現場は空前の人手不足で解消の気配は見えない。時間の管理も甘くなっていました。

 

ヤマト運輸ですら、Amazonの成長スピードについていけていなかったのです。

 

この時、ヤマト運輸の社長は、社員の労働環境を改善するため、宅急便の荷受け量を抑制すると発表。同時に、17年9月をメドに宅急便取扱量の約9割を占める法人向け運賃の値上げを求めていくほか、個人向け料金も消費増税時を除き27年ぶりに引き上げるとしました。

 

このときのヤマト運輸の方針が物流業界やその取引先にもたらした激震の大きさから、「ヤマトショック」といわれています。

 

これを契機にヤマト運輸は、アマゾンとの値上げ交渉し、配送代を1個当たり平均280円前後から400円強へと約4割引き上げたとも言われています。

 

Amazonにとっても大きな誤算であり、物流戦略の見直しを迫られる事件となりました。

 

Amazonは、「ヤマトショック」をきっかけに、同種の物流リスクは増すと考えて様々な物流手法、ルートを開発しています。

 

そんななか、Amazonが仕掛けた置き配指定サービス。

 

「そうかその手があったか」と誰しもが思う手段ですが、それを日本のスタンダードにしていこうという改革の精神は本当にすごい。

 

そして、この置き配が定着すれば、物を運ぶ方法は一気に増えます。再配達をしなくて良いなら、再配達システムや倉庫を持たなくても良いので個人のドライバーでも対応が可能になります。そして、それはAmazonにとっても、配送の方法・手段が増え歓迎すべきことです。

 

わたしは置き配が、日本に物流革命を起こすと思います。今後、この置き配がどうなっていくかが楽しみです。

 

多治見市民としてまず10月に入ったらすぐに本を注文して置き配してもらいます。

#Amazon
#置き配

2019.09.13 経営ブログ 名古屋の社会保険労務士 久野勝也

ネットリテラシーの低い経営者が
会社を潰す!

「夫が育休明け早々転勤命令が出て、退職することになった」という大手化学メーカーのツイッター炎上のニュースは、皆さんも記憶に新しいのではないでしょうか。

この炎上トラブルにより大手化学メーカーは時価総額627億円を一夜にして失いました。会社としては法律的に問題のない対応をしていたかもしれませんが、結果としてSNSで炎上したことにより、大きな問題となりました。

私は、今回のポイントは2つあると思います。

1つ目は、経営陣が、労務トラブルが起きればネットで拡散する可能性があることを認識していなかった。または、そうなった時の影響力を甘く見ていた。

2つ目は、炎上後も、経営陣が1人の従業員とのトラブルだと考えて対応を誤ったことです。ネットで炎上した時点で、トラブルの構図は1人の従業員と会社のトラブルではなく、社会全体と会社のトラブルになっていたのですが、その意識がなかった。

ひと昔前と違って労務トラブルは、もはや従業員と会社の問題対応にはとどまらず、SNSを通じて、従業員の友人、家族をはじめ、社会全体に拡散されます。

労務トラブルでネット炎上すれば、トラブルの図式は従業員と会社の問題ではなく、社会全体と会社の図式になります。

 

全く関係のない第三者が、会社の対応が正しいかどうかの判断してしまうのです。もはや、法律的に正しいかではなく、企業の責任としてどこまでやるべきかのジャッジが下されるわけです。

 

これからの時代は、このようなネットでの炎上をきっかけにマーケット自体の労働条件や労働環境が改善していくかもしれないなとも思います。

 

いずれにしても、法律で最低限やっているから良いでは済まされず、それで良いか、ネットを通じて社会全体がジャッジする時代になっているのです。

だからこそ現代の労務トラブルはネットの影響力をしっかりと考えて対応していく必要があります。

 

『うちは中小企業だから大丈夫。』

 

中小企業の社長からこんな声が聞こえてきそうですが、わたしは、このような問題が、これから中小企業でもどんどん起きるのではないかと心配してます。

わたしの印象では、中小企業の社長は、ネットのリテラシーが低い方が多く、労務トラブルが起こっても炎上するという意識を持っていません。

自分が炎上トラブルに巻き込まれるとは、夢にも思っていないので、一度炎上すると、対応を誤り、求人応募の減少、信用低下による取引の停止、従業員のモチベーション低下を引き起こし、最悪倒産という結果になってしまうのではないかと心配しています。

大手企業ならネットで炎上しても、今まで積み上げてきたものもありますし、資金もあるのでリカバリーは可能かもしれません。

ただ中小企業で炎上すれば、事態を鎮静化するのに莫大なコストがかかり経営的にもかなりきつくなると思います。

ネットリテラシーの低い経営者が会社を潰す。

 

会社を継続していくために、社員の生活を守るために経営者はネットリテラシーを高める必要があるのです。

著者 久野 勝也 (くの まさや)

■社会保険労務士法人とうかい 代表
■株式会社ダイレクトHR 代表

多岐にわたる社会保険労務士の業務のなかでも、採用に関する業務を得意とする。

希望の人材像の設定の仕方や場面別での応募媒体の設定方法、企業を成長させる人材の見分け方など、実践的な採用戦略を指導している。

2018年には採用支援専門会社を立ち上げ、中小企業の成長を人事労務の面から支えている。

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