お気軽にお問合せ・ご相談ください

052-433-7280
営業時間
9:00〜17:00 (土日祝は除く)

製造業のデジタル革新。製造業で活用が進むIoT、AI、SaaSなどを
活用事例を交えて社労士が解説します。

  • ホーム
  • 労務相談
  • その他
  • 製造業のデジタル革新。製造業で活用が進むIoT、AI、SaaSなどを活用事例を交えて社労士が解説します。

製造業のDX化推進について
解説します。

デジタル革新(DX化)への盛り上がりによって、多くの業界で新たな情報技術の活用が進んでいます。製造業においても同様です。生産性の向上、人手不足解消など、さまざまな問題・課題への対応策としても、DX化推進に大きな期待が寄せられています。

今回は、製造業のDX化推進に着目し、活用が進むIoT、AI、SaaSなどの活用事例を交えながら、最新動向について、製造業界に詳しい社会保険労務士が解説していきます。

目次
この記事の監修

社会保険労務士法人とうかい
社会保険労務士 小栗多喜子

これまで給与計算の部門でマネージャー職を担当。チームメンバーとともに常時顧問先350社以上の業務支援を行ってきた。加えて、chatworkやzoomを介し、労務のお悩み解決を迅速・きめ細やかにフォローアップ。

現在はその経験をいかして、社会保険労務士法人とうかいグループの採用・人材教育など、組織の成長に向けた人づくりを専任で担当。そのほかメディア、外部・内部のセミナー等で、スポットワーカーや社会保険の適用拡大など変わる人事労務の情報について広く発信している。

主な出演メディア
NHK「あさイチ」

中日新聞
船井総研のYouTubeチャンネル「Funai online」


社会保険労務士 小栗多喜子のプロフィール紹介はこちら
https://www.tokai-sr.jp/staff/oguri

取材・寄稿のご相談はこちらから

製造業とは?

製造業について
詳しく解説します。

自動車や電子機器、食品、繊維など、日本の暮らしを支える基幹産業が製造業です。第2次産業とも言われており、形あるモノ・素材・製品を扱います。取り扱うモノは多種多様ですが、大きく3種類に分類できます。

 

素材

製品のもととなる原材料であるのが素材です。加工や組み立てを行う企業を顧客として販売するのが事業のメインとなります。化学品、木材・紙・繊維、鉄・金属、樹脂やゴムなどが挙げられます。

加工・組み立て

仕入れた素材を加工したり、組み立てを行い製品・部品として販売します。自動車や家電製品、食品メーカーなどが該当します。

 

自社生産・加工

素材から加工・製品まで、一連すべてを自社で行い、販売します。医薬品メーカーなど、素材研究から開発、生産まで行うケースです。

 

製造業におけるデジタル化の現状

製造業のDX化の現状は
どのようになっている
のでしょうか。

つい先ごろは、東芝の子会社2社が製造業向けDX支援組織を新設すると発表されました。DX推進により事業規模を拡大し、年間売上高を現状比約1.2倍を目指すというものです。製造小売業のDXの先端を走るファーストリテイリングにおいても、DX化推進にさらに力を入れているのが見て取れます。製造小売業(SPA)は、商品企画や生産、物流、店舗運営までの一連がビジネスモデルです。そしてファーストリテイリングが目指すのは、「情報製造小売業」であり、それを下支えするIT技術、DX推進は欠かせません。DXに関する人材採用においても、中途採用の年収の引き上げは大きな話題ともなりました。世界からデジタル人材を集め、高額な報酬を示すことで、優秀な人材へのアプローチをしているのです。これは、新たな事業モデルを構築する狙いとも言えます。

 

このように、DX化の波は避けて通れないものとなってきました。製造業においては、情報技術を活用し、製造プロセス業務の効率化、自動化によって生産性を向上することで、他社への優位性を確立していくことになります。在庫・倉庫管理システムの導入や、熟練工の技術伝承をAIを活用して行うといったケースも見られるようになってきました。

ただ一方で、中小零細の製造業においては、まだまだDX化が進んでいない現状もあります。

 

“何をどうしたらいいのか、、”

“DXに取り組む人材がいない”

“資金が心配”

 

中小事業者は頭を悩ませているでしょう。とくに製造業は、他業界に比べ人手不足が深刻化している状況です。古くから日本を支える業界だけあって、従業員の高齢化といった課題もあります。この問題・課題の解決にDX推進が必要なのです。しかしながら、現状は自社のみで解決しようとして壁に突き当たってしまうケースも頻繁に見られます。

 

一つ言えるのは、大企業のような最先端技術、大規模プロジェクトでなくとも、DX化は可能だということです。日頃の足元にある問題・課題をIT(情報技術)で改善することこそが、中小企業DXに求められるものです。規模は小さくとも、着実に効果を上げていくことを目標に、経営課題を解決していくことが重要です。そのためには、自社の独力で進めることなく、専門性の高い社外人材などの協力も得ながら、取り組むことも選択肢として必要です。

製造業におけるDX化。活用技術の違いと事例紹介

製造業のDX化の事例を
ご紹介します。

製造業のDX化推進。DX化推進は、その目的によって活用する技術・ツールも異なってきます。よく耳にすることの多い技術・ツールをチェックしてみましょう。

1 製造業とIoT/IT/ICT

IoTとは、Internet of Thingsの略。直訳すると“モノのインターネット”ともなるように、様々なモノ(機器、装置、住宅や建物、車、家電製品、電子機器など)が、ネットワークを通じて、相互に情報・データが操作できたり、分析・利用できるという仕組み・技術です。IoTが製造業に与える影響は大きく、データ収集、遠隔のモニタリング、品質管理など、多様な利用が可能となります。

さらに似た言葉としてIT/ICTがあります。こちらも少しずつ違いがあります。まずITはそのままずばりInformation Technologyであり、情報技術そのもののことを言います。一方で、ICTは、Information and Communication Technology です。Communicationというワードからもわかるように、情報通信技術を指します。同じ意味合いで使われることもありますが、私たちが日頃ユーザーとして利用しているインターネット、SNS、オンライン会議システムなどは、ICT技術を利用したものになります。

IoT活用事例:パナソニック
家電メーカとして事業活動を行ってきたパナソニック。研究開発部門で蓄積されてきたハードウェア、ソフトウェア、AIなどの技術を利用した「Vieureka」サービスに取り組んでいます。「Vieureka」は、IPカメラとクラウドサービスを活用し画像分析を行うIoTプラットフォームです。通信型ドライブレコーダー、小売店舗への導入で顧客分析への展開といった他業界へのソリューションとして、新たなビジネスモデルへと展開した事例となります。製造業において蓄積されたナレッジが、IoTを利用してサービス展開されていくことも可能です。

IoT活用事例:大阪ガス・黄桜
大阪ガスと日本酒製造メーカーの黄桜が共同で、IoTサービス“D-Fire”を麹の製造工程である「製麹」現場に、導入しました。製麹工程は、日本酒作りで重要な工程です。IoTを取り入れることで、麹菌から放出されるCO2の変化を定量評価し、麹の品質を推測する手法を開発しています。安定的な品質を提供が期待されています。従来、熟練した杜氏の経験や感覚に頼っていた技術を、IoTを取り入れることで技術継承のサポートも担っています。

2 製造業とAI

AIとは、Artificial Intelligenceの略。人工知能と呼ばれるものです。概ね、人間のような知能を持ったコンピュータと解釈されることが多いようです。AI技術はAppleのSiri、ソフトバンクのPepperなど、身近なテクノロジーの一つです。“AIが発達し、人間の仕事が失われていく“”シンギュラリティはいつか?“など、話題にもなりました。

AI活用事例:サントリー
サントリーのビール工場では、AIを活用した設備の異常検知システムを稼働させています。設備のセンサーからデータ収集、分析を行うことで、異常状態の予兆を検知し、必要な情報を提供する機能を持っています。

AI活用事例:KDDI・ノキア
携帯電話基地局の品質自動監視にもAIが活用されています。故障時に閾値判定などでアラーム発報されないケースなどをAI技術で検知、学習させることで専門家同様の精度で要因を判定できるといったソリューションです。

3 製造業とSaaS

SaaSとは、Software as a Serviceの略です。クラウドサーバーで稼働しているサービスに、必要な機能にアクセスして利用します。従来はオンプレミスといったソフトウェアをPCなどのデバイスにインストールし、利用していました。しかしながら、最近では多くのシステム・サービスは、インターネットを介して、クラウドサーバーにアクセスすることが増えました。これまで製造業は、独自のシステムなどを利用する企業も多く、SaaSの導入はハードルが高いものでした。しかし、最近では、基幹業務をはじめ、各種工程のSaaSサービスなども豊富となっており、利用する企業も増えてきました。

AI活用事例:パナソニックホームズ
経営管理システムとしてSaaSサービスを導入しています。従来、事業計画策定において、国内外の連結子会社や各支社などからの報告データを、人的パワーにより集計していたものの、迅速な事業計画策定には十分でないという課題がありました。この課題解決に向け、SaaSの経営管理システムを利用することで、迅速な管理会計が可能となったと言います。

製造業のDX化成功のポイント

製造業のDX導入の際の
ポイントを解説します。

多くの企業がDX推進の重要性を認識する一方、中小零細企業の対応は遅れている現状があります。新型コロナウイルス禍には、DX推進の機運は高まりましたが、まだまだ道半ばといったところでしょう。しかし、DX化はもはやすべての産業の根幹なるものです。とくに生産性や業務効率に課題を抱える中小企業が生き残っていくためには、DXは必須です。しかしながら、人材不足やノウハウ、資金をどうするかを含め、すべてのリソースが足りない。社内にDXを推進する人材もおらず、どこから手をつけていいのか分からないというのが現実かもしれません。それぞれの課題に高いハードルがあるでしょう。

しかし、日本の製造業にとって、業務効率化や生産性の向上は、事業活動の上で最大テーマでもあります。それは、大企業であるか、中小零細企業であるかの企業規模は関係ありません。

そこで、高いハードルを乗り越えていくために、DX化を推進していくための着目ポイントをご紹介します。

1 DX化推進の目的・ビジョンの明確化

DX化を推進していくために、まずは目的・ビジョンを明確にしていく必要があります。どのような切り口で検討していくかはその企業によって異なりますが、基本的なポイントは以下のとおりです。

 

・生産性向上

・品質向上

・コストカット

・労働環境の向上

・リスク予防

・異常検知

・顧客ニーズの分析

・技術者のノウハウ伝承や見える化

・遠隔コントロール

 

2 DX推進担当者の選定と全社取り組み

DX推進の必要性は認識しているものの、今現在のビジネスがとりあえず回っていれば、あえてDXに投資する必要はない、その余裕はないと考えがちな経営者の方もおられるようです。ただ、いざ取り組もう必要となってからでは、機を逸してしまう場合もあります。まずはDX推進担当者の選定、そして全社的な取り組みであることをアナウンスし、社内の機運を高めていくことも必要です。状況に応じて、若手の登用も積極的に行うことで、新たな発想や視点が加わることもあります。ネットに親しんできた世代は中高年層と比べ、ITやデジタル技術のトレンドの感度は高いものです。自社に適したDXのあるべき姿のヒントがみつかることもあるでしょう。

3 デジタル資産の棚卸しと課題を洗い出す

DX化推進といっても、多くの企業では、すでに何かしらのデジタル資産を利用して業務を進めているはずです。まずは会社でどのようなデジタル資産があり、どのようなプロセス、リレーションして利用されているかなどの棚卸しをしておく必要があります。また、製造業は現場の考え方、課題・問題の捉え方、現場担当者の理解が非常に重要となってきます。経営層が感じる課題感と、現場の課題感が大きく異なることもあるものです。まずは、問題・課題の共有を行い、DXの目指す方向性を議論していく必要があるでしょう。

4 DX導入と投資効果の検討

「DXの目的も方針も決まり、問題・課題も明確になった。いざDX化を一気に進めたい」といっても、大規模な変化が伴う場合には一気に進めるのは危険な場合もあります。いくつかのステージに分けながら進めていくことが大切です。初期投資を抑えられるクラウドサービスなども数多く登場してきています。1つの取り組みごとに効果測定を行いながら、進めていくことをおすすめします。

まとめ

DXやIT活用に関してのご相談は
とうかいにお任せください。

これからの産業は、デジタル技術の活用は避けて通れません。とくに製造業とデジタル技術の親和性は高いものです。DX推進が人手不足の解消や業務効率化を実現の第一歩となるかもしれません。とはいえ、DX推進をしてもらう専門人材がいない、といった経営者の声もよく聞きます。確かに中小企業などにおいては、自前ですべて進めていくことには大きな壁があるでしょう。デジタル分野の知識や経験が豊富であるような専門性の高い社外の人材の協力を得ることも重要となってきます。

 

当社では、製造業のお客様も多く、共通したお悩みも多くお聞きします。人事労務の切り口から、DXやIT活用のお手伝いをさせていただきます。製造業界、ITに詳しい社労士が揃っておりますので、ぜひお気軽にご質問・ご相談ください。

最新セミナー一覧

サイドメニュー