新型コロナウイルス感染症で変わる採用活動。対応方法を社労士が解説します。

社会保険労務士の小栗多喜子です。

世界中で広がり続ける新型コロナウイルス感染症。先日の政府の緊急事態宣言発令によって、外出自粛での観光客の激減はもちろんのこと、工場の操業停止や店舗の休業など、経済的に非常に大きな影響を受けています。この新型コロナウイルス感染症の拡大は収束の兆しが見えません。長期戦が予想されるなか、企業の採用市場にも大きな変化が起こっています。

今回はこの採用市場の変化に、企業としてどう対応していけばよいかを解説します。

 

新型コロナウイルス感染症拡大で変わる採用市場​

新型コロナウイルスの影響で、採用計画の変更が余儀なくされている企業さまに、採用市場への影響と今後の対応について、社労士が解説します。

新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、採用市場は大きな変化が起きています。
いつか終わるとはいえ、半年か1年か2年か‥いつ収束するのか今のところ収束の見通しが立たないことから、長期的な経済低迷が懸念されています。政府も景気が急速に悪化しているとの景気判断をしています。リーマンショックを超えるダメージとも言われ、過去にこれほどまでに企業が先の見通しを立てることが難しい状況に陥ったことはないかもしれません。

この景気悪化により企業の採用への影響はどのようなものでしょうか。ここ数年、人材不足などによる売り手市場と言われていた採用市場にも、採用の取りやめや採用見合わせ、延期が増えつつあり、だんだんと変化が生じています。しかし、このような状況下でも、この機会に積極採用を行う企業もあったりと、日本の採用市場は大きな潮目を迎えているようです。

新卒採用市場への影響は?

新型コロナウイルス感染症拡大の影響で新卒採用市場はどのように影響しているでしょうか?
例年であれば、この時期は企業の採用活動が本格化し、就活イベントや説明会などが開催されているころです。各企業は、優秀な人材を獲得しようと躍起になっている時期なのですが今回の新型コロナウイルスの感染拡大は、新卒採用市場にも大きく影響しています。

経済産業省より企業や関係団体へ採用活動への配慮要請が発表されています。自社の状況と照らしあわせて早急な対応が必要です。

①経済産業省から企業への要請

新型コロナウイルス感染の拡大の深刻化を背景に、政府が各種イベント自粛の呼びかけを行なっていることもあり、企業は学生が多く集まる会社説明会などの中止や延期、大型の就活イベントなどの中止がされました。そこで、経済産業省は、内定者や就職活動中の学生の不安を解消するため、取り扱いについて特段の配慮を行うよう関係団体へ要請を行いました。

 

<要請内容>

○内定者(2020年卒業・修了予定者)への配慮

・内定取り消し防止のために、あらゆる措置を講じること

・やむを得ず内定取り消しや採用延期をする場合は、就職先の確保について最大限の努力を行うとともに、内定者からの補償の請求に真摯に対応すること

○就職活動中の学生(2021年卒業・修了予定者)への配慮

・説明会などの開催は、感染拡大や会場の状況を踏まえ、開催の必要性を再検討すること

・説明会を開催する場合、出席者・関係者のマスクの着用や消毒薬の設置などの感染症対策を十分に行うとともに、説明会の出席の有無がその後の選考に影響しない旨を、積極的に広報すること

・説明会を中止や延期する場合、可能な限り速やかにその旨を広報し、オンライン説明会などを積極的に開催すること

・エントリーシートの提出期限の延長を検討し、延長対応する場合は積極的に情報発信を行うこと

・採用選考は、学生が企業理解への時間を十分に設け、令和2年6月1日以降開始を遵守すること

・採用選考日程の後ろ倒しや通年採用実施など、採用日程や募集機会は柔軟に変更し、その旨を広報すること

・オンラインを利用した面接や試験を実施するとともに、積極的にその旨を情報発信すること

②企業説明会・就活イベントが軒並み中止や延期

政府からのイベント自粛の呼びかけを契機に、合同企業説明会といった就活イベントが相次いで中止、延期が発表されました。一部の大手企業では、Web説明会や面接への切り替えが行われています。大手企業に比べ知名度が低く、合同企業説明会に参加することで、就職活動中の学生に自社の存在をアピールしてきた中小企業にとって、こうした就活イベントが中止となることは、候補者の母集団を形成するための採用計画が狂ってしまった企業も多いでしょう。とはいえ、一部の中小企業では、規模を縮小して少人数で開催しているケースもあるようです。しかしながら、コロナウイルス の感染拡大の現状と今後を考えると、今までどおりの採用計画を当てはめようとするのは、無理が生じてくることも予想されます。

③Web企業説明会やWeb面接など選考のオンライン化が進む

企業と学生のリアルな接点の機会は圧倒的に少なくなり、企業も学生も混乱している状態もありましたが、徐々に大手企業などはWebでの企業説明会や面接に切り替え母集団形成を行う対応が進んでいます。一方で、オンラインツールを活用しきれていない企業などは母集団が集めにくいといった二極化が見られています。しかしながら、現在オンラインツールを活用しきれていない企業であっても、今後は対応を迫られるはずです。この環境下でWebでの企業説明会や面接に対応しきれない企業は、ITリテラシーの高い優秀な学生からみれば、対応力や安全配慮意識の低い企業として映ることにもなるでしょう。今後、通信環境も5Gの普及が広まっていくにつれ、WEB化が進んでいくのは間違いありません。今回の新型コロナウイルス感染拡大を機に大きな転換となるでしょう。

④企業の新卒採用人数の減少・取りやめの見通し

緊急事態宣言を受け、自粛を背景に経済活動が停滞するなか、懸念されるのが企業の採用抑制です。これまでは売手市場と言われてきた新卒採用市場ですが、買手市場に転換するのか、不透明な状況です。経団連の中西会長は、「今後、新卒採用する人数が減少する」との見通しを示しています。また、どの程度の減少が予測されるかについても、「新型コロナウイルスの経済への影響が経営の立場からは予測がなかなかできない」と述べ、現時点での明言は避けました。新卒採用にどのような影響があるのか具体化するにはもう少し時間がかかるでしょう。

中途採用市場への影響は?

インバウンド需要の激減によって観光・宿泊・旅行業が軒並み大きな影響を受けています。流通での勝ち組とも言われていたドンキホーテも、北海道の緊急事態宣言を受けて、インバウンドが急減、札幌の一部店舗を閉店するなどのニュースも話題にあがりました。日本にかぎったことではありませんが、自粛要請の影響で飲食、エンターテイメント業をはじめ航空・鉄道業も低迷。自動車業界では大手自動車各社が国内および海外の生産工場において、生産の調整や縮小体制に入り、一時帰休を相次いで実施します。こうした動きのなか、中途採用(転職)市場はどのような影響をもたらしているのでしょうか。

①有効求人倍率が低下。国内の求人者数の減少傾向

新型コロナウイルスの感染拡大は、企業の採用活動に大きな影響を与えています。長期化のリスクをどう回避していくか検討していきましょう。
 

2020年3月31日に厚生労働省が発表した有効求人倍率は、1.45倍。2019年12月より0.12ポイント減少し、2年11か月ぶりの低い水準で、下落傾向がみられます。また有効求人数自体も、4か月連続減少傾向がみられています。厚生労働省は、今回の新型コロナウイルスの影響に関して、観光関連業などで解雇や休業といった動きがあるとする一方、全体の水準に影響を及ぼすまでにはなっていない、としています。しかしながら、外出自粛によって、多くの企業が売上の大幅な減少に直面しているなか、製造や小売などでも今後かなりの影響があるとも見通しており、新型コロナの感染がどこまで長期化するかにかかっています。緊急事態宣言以降、企業の活動も潮目が変わり、1年、2年といった年単位の長期化リスクを覚悟する企業も多くなってきたようです。経営の見通しが立たなくなると、人員コストを削減するために、採用計画の見直し、採用を控えるようになります。終息の目途が立たない状況が続くならば、有効求人倍率は、下降を続けることになるでしょう。

②コロナウイルスの影響下でも、採用ニーズのある業種もある

多くの企業で新型コロナウイルスの影響を受け、採用の見直しや後ろ倒しなどが検討されるなか、採用ニーズがある企業や業種も存在します。また、外出自粛が収束したアフターコロナに、自社の貴重な人材が流出するリスクも踏まえ、リテンションも忘れてはいけません。

【採用ニーズの多い業種】

・慢性的に人材不足の業種:運送、介護、小売など

・影響を受けづらい業種:IT、ネット販売など

また、外出自粛やテレワーク の増加によって、フードデリバリーなどのサービスのニーズも高いようです。

派遣切り問題再び? 派遣労働者への影響は?

リーマンショックの際にも大きな問題となった派遣切り問題。緊急事態宣言による自粛によって、派遣労働者の契約打ち切りが増える懸念が高まっています。

今回はリーマンショック時と比べ、数十万人規模の雇用が失われるともいわれています。リーマンショック時は、製造業をはじめとした派遣社員の雇用が問題とされましたが、今回は非製造業などに影響が広がっており、事態はより深刻です。

通常、派遣会社は、雇用する派遣労働者の契約が打ち切られた場合には、新たな職場を紹介しますが、コロナウイルスの感染拡大の状況下で新たな職場を紹介するのは難航が予想されます。その場合、派遣会社は人件費負担を背負うこととなり、解雇も視野に入れざるを得ない状況が続出するのではと言われています。

人材派遣会社の大手であるリクルートホールディングスでは休業補償の負担増に備え、メガバンクに各1500億円ずつの融資枠の設定を要請しています。資金繰り対応を急ぐ動きが広がってきています。

今だからこそ押さえておきたい採用活動の対応とは?

今後の動向次第で採用計画や対応を柔軟に変化させていく必要があるでしょう。どのように採用活動を進めていくか、ぜひご相談ください。

今回の新型コロナウイルス感染拡大の影響により、現状では採用の様子見をする企業も増えつつありますが、一方で、事態の収束を予測し、いずれまた人材採用競争が始まる可能性を見越し、引き続き採用活動を継続していくという企業があるのも現状です。

さらに、あえていまだからこそ優秀な人材を獲得できる時期と捉えている企業もでてきています。今を好機と捉え、採用活動を積極的に行っている企業です。慢性的に人手不足が続く。介護、小売り、運送などの業種では積極的に採用を進めています。

とはいえ新型コロナウイルス感染症の拡大で、状況の変化が激しく、ウイルスという目にみえないものと戦うなかでは、どう採用活動を進め、対応していけばよいのか、頭を悩ませる経営者や採用担当者も多いのが現状です。

就活中の学生も転職活動をする求職者も、今回の事態を通して、企業の対応力や従業員への安全配慮の姿勢などをシビアな目線で見ています。

就職や転職はしたいが、「ちゃんとした」会社で働きたいというニーズが増しています。今までと同じ採用活動では、優秀な人材獲得は難しいと言わざるをえないでしょう。ただ待っているだけではなく、変化を捉え、採用活動や教育体制を変化させていく必要があります。不透明な事態のなかでも、採用活動を進めていくうえで、注意して対応しておきたいポイントをみていきましょう。

テレワーク(在宅勤務、リモートワーク)対応が
可能かどうかを明示すること

アフターコロナを見据えたテレワーク。今後の採用活動のカギになってくるはずです。

新型コロナウイルスの感染拡大による外出自粛の働きかけ以前から、徐々に時間や場所にとらわれない柔軟な働き方として、在宅勤務やリモートワークといったテレワークの導入は進みつつありました。

しかしながら、今回の事態は二の足を踏んでいた企業においても一気にテレワークへの舵を切らざるを得ない状況です。今まで、テレワーク を推奨していなかった企業にでも、書類のデジタル化やコミュニケーションツールの利用により、課題やデメリットをクリアしていくことで、効果的な活用につながるはずです。

この新型コロナウイルス感染の事態が収束したとしても、テレワークといった働き方は導入がすすんでいくはずです。企業がどれだけ働きやすい環境を整備しているかという点でも、採用活動においては、テレワーク への対応が可能かどうかは、企業として明示する必要があるでしょう。

オンラインでの説明会や面談を最大限活用すること

企業説明会や採用選考の方法として、オンラインツールを利用していくのは避けられません。Youtubeを利用した企業説明会のLive配信やZoomなどのWeb会議ツールを利用しての面談など、さまざまなオンラインツールを活用が可能です。遠方の候補者との接点拡大や、面接等の工数削減、選考のスピード向上に効果が高いでしょう。今後も各種オンラインツールも、次々とサービスがローンチされていくことを考えれば、対応は必須と言えるかもしれません。

採用時の教育研修方法を明示すること

今まで当たり前に行われてきた形での?育研修の実施が難しい状況になりました。数多くの新入社員研修や教育研修について、延期や中止の判断がされています。しかし、延期や中止にしたままというわけにはいきません。集合研修といった形態を避け、在宅や分散手法を取り入れる企業もあります。この危機が変化のための機会と捉え、変化に柔軟に対応できる企業の姿勢をみせていきましょう

新型コロナウイルス感染症対策など
自社採用サイトを活用して、こまめな情報発信を

いつ自分が感染してしまうのか、社会に不安感が広がっている中、多くの人と接点を持つ採用活動においては、企業として新型コロナウイルスの感染リスク軽減のために、どのような対策を行なっているのか明示しておく必要があるでしょう。安全を第一に考慮し、安心して就職活動および求職活動を進められるよう、情報発信や選考の実施を行うといった対策方針を明示します。自社の採用サイトなどを活用に、こまめな情報発信をおこなっていきましょう。また、今後の感染の広がりなどを随時確認しながら、適宜見直していくことが必要です。

自社採用サイトを活用して、積極的な情報発信を行いましょう。

新型コロナウイルス感染拡大の今、
「Indeed」を利用した積極採用を

企業の採用活動の大きな節目となっている今、この状況下でどのように優秀な人材と出会うか、企業にとっては大きな課題でしょう。そこで、無料でも求人掲載ができるIndeedの活用を検討してはいかがでしょうか。Indeedは、3000万人ちかくいるユーザー数が圧倒的。クローラーと呼ばれるネット上を巡回する検索エンジンで、さまざまな求人情報を収集・集約して(クローリング)、求職者に情報を表示しますので、インターネット上にあるさまざまな求人の情報が、網羅的に検索できるのが特徴。自社の採用サイトを直接投稿掲載できるので、各種の就活サイトへ求人登録するといった手間をかけなくとも、自社の採用サイトを充実させていけばいいわけです。

ただ、「運用がわからない」「どうしたら効果が出るかわからない」といった、採用担当者の方も多いはず。ご不明な点、採用やIndeed運用に関するお悩み等ございましたら、お気軽にお問い合わせください

画像をクリックするとIndeedセミナーの資料がダウンロード申込ページが開きます。

弊社へのご相談の流れ

お問合せからご相談、契約までの流れをご説明します。

お問合せ

まずは電話または問合せフォームにてお問合せ下さい。この段階では費用は一切かかりません。

オンライン面談

お問合せに対する回答をふまえ、面談を希望される方はオンライン面談で話をうかがいます。この段階でも一切費用はかかりません。

ご契約

ご依頼内容に応じて見積もりを提示いたします。サービスの内容にご納得いただけましたら、契約となります。この段階から報酬が発生いたします。

お問合せはこちら

お気軽にお問合せください

名古屋の社労士 社会保険労務士法人とうかいのホームページにお越しいただき、ありがとうございます。弊社は労務トラブル対応、就業規則、社会保険手続、給与計算代行を得意とする社労士事務所です。

お電話でのお問合せはこちら

052-433-7280

名古屋市を中心とした中小企業経営者の方のご相談をお待ちしております。

◆愛知県名古屋市西区牛島町5番2号名駅TKビル5F(名古屋駅徒歩8分 ルーセントタワー徒歩1分)
◆受付時間:9:00~17:00(土・日・祝を除く)

チャットでのお問合せはこちら

オンライン相談実施中!

お電話でのお問合せはこちら

052-433-7280

フォームでのお問合せは24時間受付中です。お気軽にご連絡ください!

メルマガ登録はこちら

最新の人事・労務ニュースに加え、就業規則などのお役たち情報、当社開催のセミナー情報などフレッシュな情報をお届けします。社労士事務所ならではの視点で最新のニュースや時事ネタを捉え、労働法を織り交ぜて分かりやすく解説します。

人事労務
お役立ちガイドブック

とうかいで過去に実施したセミナー資料や社会保険労務士について解説をしてある「社会保険労務士はじめてガイドブック」など人事労務のお役立ち資料がダウンロードいただけます。

アンケートのお願い

将来、企業をする人が失敗せず、成功するためのアンケートです。概ね5分で完了しますので起業の経験がある方はぜひご協力お願いします。